11月になって、いよいよ人民元がSDRに入る状況が強くなってきました。欧州はほとんどが賛成で、アメリカは拒否権を持ちながらも、その行使は出来ない状況が生まれているようです。
南シナ海で中共と対峙するアメリカです。しかし決定的な対立は避けたいようで、人民元のSDR入りを妨害はしないということです。
アメリカの、このあやふやな態度こそが、中華帝国の横暴を許してしまっているように見えますね。
しかし中共にとって、このSDR入りはそれほど良いことばかりではないようです。元IMF高官でアメリカン・エンタープライズ研究所のデズモンド・ラックマン氏は、「規制が緩まれば、さらに資本流出が加速する懸念がある。外貨準備が尽きてくれば、人民元危機につながりかねない」と述べております。また、中共経済が専門の戦略国際問題研究所のスコット・ケネディ氏は、「金融改革には資本流出などのリスクもあるが、経済構造の転換させるにはリスクをとるしかない。中共は段階的に改革を進めるつもりで、市場に賢明に対応できることを示せば中共への信頼は回復する」とも述べています。
このようなリスクを中共政府はどのように取るのか、それは判りません。しかし、一党独裁で当局の思いのままに相場操縦される元の決済が無軌道に広がれば、日本経済への悪影響も懸念されます。
「日本の国力の低下に比例して円の地位も下がっている」と述べている経済官庁幹部も居ります。「購買力平価」でみた日本のGDPの世界シェアは2014年に4.4%まで低下し、中共はその4倍に上がってきています。
国際通貨としての円の役割を問い直す十数年ぶりの議論が、財務省の「関税・外国為替等審議会」の外国為替等分科会で今年3月から始まっているそうです。
この中で、「東京外為市場がシンガポールに抜かれてしまった」と述べられたとか。米ドルやユーロの地位が安定的に推移しているのに対し、元が台頭する一方、円の「没落」を示すデータや論評が議論の中に出てきているそうです。
日本の貿易の円建て決済の比率は輸出で4割程度、輸入で2割程度となっていて、これはこの10年ほど変わっていないそうですが、例えばアジア向け輸出の決済を見ると、2000年下期に5割を占めて首位に立っていた円建て決済は年々低下、今年上期はドルが53%となり、円は43%に落ちてしまったそうです。そして最近まで0.3%に過ぎなかった人民元での決済が、今年は1.5%まで伸びてきているそうです。
人民元のSDR入りは、円と元の“通貨戦争”になり、他の通貨には影響はないというのが現実のようです。
人民元に比べて、円が弱い通貨だとなって行けば、「いったん下落し始めたときに歯止めが利かなくなり、予想外の円安に陥ってしまう恐れもある」と日銀関係者が述べています。
中共当局の身勝手な都合で、為替相場が操作されてしまうと、日本企業は元を円に換算しにくくなり事業計画を立てるのが困難になるそうです。
もし、南シナ海で米中対立が深刻化して、米国が中共に経済制裁を科した場合は、日系企業の保有する元建て資産の価値が暴落する懸念も出てくるそうですが、これはSDRとは関係ないかも知れませんね。
この“通貨戦争”は、ネット(情報)戦争でもあります。
10月の始め、人民銀行(中央銀行)は、人民元建ての貿易決済と投資を促すための「元クロスボーダー支払いシステム(CIPS)」の運用を始めました。
これはアジア全域と中共との間の人民元建て資金の即日送金を可能にし、キャッシュ・マネジメント(資金管理)を人民元でやりやすくするものです。
もちろん日銀も、それから数日遅れた10月13日、「新日銀ネット」を全面稼働させました。この決済システムも、アジア全域と日本の間で円建て資金の即日送金が可能にします。キャッシュ・マネジメント(資金管理)も円でやりやすくなります。
通貨戦争を戦う人民銀行と日本銀行の壮絶なバトルが、今後展開されそうです。敵は独裁国家ですが日本は民主主義国、財務省と日銀が協力し合って戦ってくれるかどうか、そこがポイントではないでしょうか。
日本の大手銀幹部は、「銀行は顧客の使いたい通貨を用立てるのが基本。しかし何兆円もの円預金が余っている中、本音は海外での貸し出しも円でやりたい」と述べております。
発展するアジア全域に向かって、円と人民元の対決が始まったようですね。
日本の銀行関係者は、「日本円がアジアの覇権争いで人民元に勝てるラストチャンス。新日銀ネットは強力な武器になる」と述べておりますが、この戦いで財務省がどのくらい足を引っ張る行為に出るか、敵が背後(日本国内)にもいることを、銀行マンは知っているのでしょうか・・・
SDR入りした人民元は、どこまで中共当局の身勝手な都合で、為替相場を操作するでしょうか。そしてそれをどこまで英国・ドイツ・フランス、そしてアメリカが認めるでしょうか。
日中戦争の新たな戦場は、IMFを核にした通貨戦争の場に移ったようですね・・・
アメリカの、このあやふやな態度こそが、中華帝国の横暴を許してしまっているように見えますね。
しかし中共にとって、このSDR入りはそれほど良いことばかりではないようです。元IMF高官でアメリカン・エンタープライズ研究所のデズモンド・ラックマン氏は、「規制が緩まれば、さらに資本流出が加速する懸念がある。外貨準備が尽きてくれば、人民元危機につながりかねない」と述べております。また、中共経済が専門の戦略国際問題研究所のスコット・ケネディ氏は、「金融改革には資本流出などのリスクもあるが、経済構造の転換させるにはリスクをとるしかない。中共は段階的に改革を進めるつもりで、市場に賢明に対応できることを示せば中共への信頼は回復する」とも述べています。
このようなリスクを中共政府はどのように取るのか、それは判りません。しかし、一党独裁で当局の思いのままに相場操縦される元の決済が無軌道に広がれば、日本経済への悪影響も懸念されます。
「日本の国力の低下に比例して円の地位も下がっている」と述べている経済官庁幹部も居ります。「購買力平価」でみた日本のGDPの世界シェアは2014年に4.4%まで低下し、中共はその4倍に上がってきています。
国際通貨としての円の役割を問い直す十数年ぶりの議論が、財務省の「関税・外国為替等審議会」の外国為替等分科会で今年3月から始まっているそうです。
この中で、「東京外為市場がシンガポールに抜かれてしまった」と述べられたとか。米ドルやユーロの地位が安定的に推移しているのに対し、元が台頭する一方、円の「没落」を示すデータや論評が議論の中に出てきているそうです。
日本の貿易の円建て決済の比率は輸出で4割程度、輸入で2割程度となっていて、これはこの10年ほど変わっていないそうですが、例えばアジア向け輸出の決済を見ると、2000年下期に5割を占めて首位に立っていた円建て決済は年々低下、今年上期はドルが53%となり、円は43%に落ちてしまったそうです。そして最近まで0.3%に過ぎなかった人民元での決済が、今年は1.5%まで伸びてきているそうです。
人民元のSDR入りは、円と元の“通貨戦争”になり、他の通貨には影響はないというのが現実のようです。
人民元に比べて、円が弱い通貨だとなって行けば、「いったん下落し始めたときに歯止めが利かなくなり、予想外の円安に陥ってしまう恐れもある」と日銀関係者が述べています。
中共当局の身勝手な都合で、為替相場が操作されてしまうと、日本企業は元を円に換算しにくくなり事業計画を立てるのが困難になるそうです。
もし、南シナ海で米中対立が深刻化して、米国が中共に経済制裁を科した場合は、日系企業の保有する元建て資産の価値が暴落する懸念も出てくるそうですが、これはSDRとは関係ないかも知れませんね。
この“通貨戦争”は、ネット(情報)戦争でもあります。
10月の始め、人民銀行(中央銀行)は、人民元建ての貿易決済と投資を促すための「元クロスボーダー支払いシステム(CIPS)」の運用を始めました。
これはアジア全域と中共との間の人民元建て資金の即日送金を可能にし、キャッシュ・マネジメント(資金管理)を人民元でやりやすくするものです。
もちろん日銀も、それから数日遅れた10月13日、「新日銀ネット」を全面稼働させました。この決済システムも、アジア全域と日本の間で円建て資金の即日送金が可能にします。キャッシュ・マネジメント(資金管理)も円でやりやすくなります。
通貨戦争を戦う人民銀行と日本銀行の壮絶なバトルが、今後展開されそうです。敵は独裁国家ですが日本は民主主義国、財務省と日銀が協力し合って戦ってくれるかどうか、そこがポイントではないでしょうか。
日本の大手銀幹部は、「銀行は顧客の使いたい通貨を用立てるのが基本。しかし何兆円もの円預金が余っている中、本音は海外での貸し出しも円でやりたい」と述べております。
発展するアジア全域に向かって、円と人民元の対決が始まったようですね。
日本の銀行関係者は、「日本円がアジアの覇権争いで人民元に勝てるラストチャンス。新日銀ネットは強力な武器になる」と述べておりますが、この戦いで財務省がどのくらい足を引っ張る行為に出るか、敵が背後(日本国内)にもいることを、銀行マンは知っているのでしょうか・・・
SDR入りした人民元は、どこまで中共当局の身勝手な都合で、為替相場を操作するでしょうか。そしてそれをどこまで英国・ドイツ・フランス、そしてアメリカが認めるでしょうか。
日中戦争の新たな戦場は、IMFを核にした通貨戦争の場に移ったようですね・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿