南シナ海の人工島12カイリ以内をアメリカ艦船が航行しました。しかしこのオバマ政権の作戦も目立った効果がなく、アメリカ政府は次にASEANを舞台にした外交の場で「対話」による「航行の自由」などの原則論を訴えました。
もちろん、こんなことで動じる中共ではありません。「話し合い」と「化かし合い」が同じ意味となる華人です。暴力だけしか効果がないことは今も昔も同じですね。
相変わらず中共は軍事拠点としての人工島建設を進めているそうです。
では、「航行の自由」作戦は全く無意味だったのでしょうか? 評論家の石平氏は、「これで習近平主席の権威は大きく傷ついた」と述べております。
9月下旬の米中首脳会談が、米中ともに失敗だったことは周知の事実ですが、この会談を中共のメディアは「大成功」と書いていたそうです。
南シナ海問題などに関する米中間の溝はよりいっそう深まり、米国の習近平主席への失望感が一気に広がったと言うのが本当のところですが、中共の報道では、49項目の「習主席訪米成果」を羅列して、筆頭に「新型大国関係構築の米中合意」を挙げたそうです。
テレビなどでは「習主席の知恵が米国側の反響を起こし、米中が新型大国関係の継続に合意した」などと述べられ、王毅外相もメディアに向かって「習主席のリーダーシップにより、米中新型大国関係が強化された」と習主席を持ち上げていました。
しかし、人工島から12カイリ以内へのアメリカ艦船の航行が実施されたことで、この習近平神話が脆くも崩れ去ったと言うわけです。
「新型大国関係構築に合意した」と言うことと、米海軍の「領海侵犯」とは相いれませんからね。
今後この「領海侵犯」に対して有効な対抗措置が取れなかった習政権への「弱腰批判」が広がることが予想できるそうです。
習主席は、「大国の強い指導者」を演じることで国民の一部の支持を勝ち取り、党内の権力基盤を固めてきたが、その虚像が一気に崩れてしまった結果、彼はただの『裸の王様』となった」というのが石平氏の論評です。
石平氏は、「いったん崩れた習主席の威信回復は難しく、今後は政権基盤が弱まっていくだろう。習主席の外交上の大失敗に乗じて『倒習運動』を展開してくる党内派閥あるだろう」と述べております。
この習近平主席が次にとっている行動は、台湾総統選挙への介入です。
すなわち、11月7日に台湾の馬英九総統と習近平主席がシンガポールで会談を行うことが3日に発表されたのです。
「両岸(中台)の平和を強固にし、台湾海峡の現状を維持する」というのが目的だそうです。会談は7日午後にホテルで行い、双方がそれぞれ記者会見を開催。その後、「簡単な食事」をともにすると説明され、会談は中台の「指導者」の身分で行うと言うことです。
つまり対等な関係で会談が行われるということで、国民党の人気を煽ろうというのが中共側の思惑のようですね。
行政府側は、要請があれば会談後、馬総統自身が立法院を訪れて報告する意向を示したとか。
これに対して野党からは反発の声が相次ぎ、最大野党、民主進歩党の報道官は声明で、来年1月の総統選まで約2カ月に迫ったこの時期に、会談が設定されたことに「誰もが選挙に影響を及ぼすための政治操作だと連想せざるを得ない」と批判しております。
また、台湾では総統が立法院に報告を行う制度はないそうで、なぜ馬総統自身が立法院を訪れて報告するのか・・という」批判が相次いでいるとか。
東京大学の松田康博氏(中台関係論)は、「このタイミングでの首脳会談は、中国による台湾の選挙への介入と受け止められ、かえって有権者の反発を招く可能性がある。」と述べています。
「習氏はこの会談で「台湾問題は完全に掌握している」と国内向けに印象付けることが出来るメリットがあり、馬氏個人は、初めて対等の立場で中共の指導者と会談したという実績を残すことが出来る。」と言うことです。
しかし、2000年の総統選で陳水扁氏の当選を阻もうと朱鎔基首相が脅迫めいた発言をしたところ、逆効果となり、陳氏支持が増えてしまったという過去があります。
今回、首脳会談後に「『一つの中国』が中台間の平和と発展の基礎で、これを認めなければ、どうなるか分からない」などというメッセージが出されると、かえって有権者の反発を招くかもしれない・・・と松田氏は述べております。
海南島へ潜水艦の基地を持つ人民解放軍ですから、どうしても太平洋に出るには台湾を通過しなければならず、それが「台湾は中共の領土」にしなければならない根拠です。しかし、アメリカには台湾関係法がありますし、軍事力(暴力)で占拠することも出来ず、さまざまな圧力で抑え込もうとしています。
当然「沖縄」も同じですね。
「翁長知事は使える」と言うのが北京の評価で、「沖縄(琉球)独立を支援しろ」と言うのが習主席の命令のようですね。また、久米崇聖会を使った工作活動(龍柱など)も行っているみたいです。
「中共の経済は余命半年」と言っている経済評論家もおります。しかしIMFのSDRに人民元が入れば中共経済は延命するという評論家もおります。
台湾の総統選挙は、今度は民進党が優位に立っています。何としてでも国民党の、北京の言うことを聞く総統にしたい中共。
台湾の主権を守ることが出来るでしょうか。総統選挙は来年の1月16日です・・・
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