2013年12月21日土曜日

アメリカにとって、最重要国は中共?

日本の外務省がアメリカで実施した世論調査で、「アジアで最も重要なパートナー」として中共を挙げた人が39%でトップだったとか。日本は35%で2位だったそうです。
一般市民を対象とした調査でも、政財界や学界などを対象とした調査でも同じだったとしております。

まあ外務省が行った調査ですから、どの範囲での調査だったのかは判りませんが、中共を最重要国とした市民が挙げた理由の80%が「貿易・経済関係」だったそうで、日本を挙げた45%人の理由は「政治的な結び付き」と答えたそうです。

「米国の安全保障にとって、日米安保は重要か?」という設問に対しては、88%が「極めて重要」「ある程度重要」と答えたとか。

この「貿易と経済」で中共が最重要国という発想はどこから来るのでしょうか? アメリカは中共から莫大な借金をしていて、中共からの輸入品で国内産業が疲弊している現実をどう見ているのでしょうか?
日本がアメリカに対して貿易黒字国となってアメリカの製造業を圧迫し始めた時、アメリカが取った政策、対日交渉がどんなものだったかを我々は忘れてはいません。

また、この調査がいつ行われたものかも判りません。重要なのは中共が「防衛識別区」を宣言した前なのか後なのかなのですけど・・・
この「防衛識別区」が宣言されても、安倍政権の対中「シカト」外交は変わっていません。日本の民間航空会社もフライトプランの提出などしておりません。
そして「日本・アセアン特別首脳会議」において、中共を意識した共同宣言の採択を行っております。

この共同宣言がよほど気になっている中共は、さっそく新華社を通じて「日本側の画策にもかかわらず会議の共同声明に『防空識別圏』などの言葉を入れることはできなかった」とか「フィリピンを除くASEAN各国首脳は、安倍首相の挑戦的な言辞に同調しなかった」などと、安倍外交が失敗したような印象付けを必死で行っております。

この中で中共は、「中共が設定した防空圏については、(民間機の)飛行の自由に影響を与えない」と漏らしております。(安倍は間違った方向にASEAN各国を導こうとしている・・とするために)
これについて評論家の鍛冶俊樹氏は、「(この表現は)暗に強制措置の撤回を示唆している」と述べております。
つまり、「日本を非難しているような表現だが、事実上、日本の要求に屈服したことになる」ということです。

通常、「防空識別圏」とは監視のみで軍事的排除と言う行動は行わないわけです。しかし中共が設定した「防空識別区」は「強制措置がありうる」と言うことで、民間航空会社にフライトプランの提出を求めたわけです。これに対して安倍政権は「(国際基準とは異なる)防衛識別区の撤回」を要求したわけですから、鍛冶氏の言うように、中共の「事実上の撤回」ということになります。

さらに鍛冶氏は、「もちろん、中共は撤回していないという姿勢だけは貫いている。つまり中共がいう『飛行の自由』は民間機に限定されるといい、軍用機に対しては強制措置があり得るかのように言い募っている。」と述べて、「しかし、中共が『防空識別区』を宣言した後も、中共の戦闘機はこの空域を飛行する外国の軍用機に(今のところ)只の一度も緊急発進していない。
『防空識別圏』とは外国の軍用機に対して戦闘機が緊急発進して監視する範囲であるから、戦闘機が緊急発進しない防空識別圏など何の意味もない。」と、中共のこの設定を疑問視しております。

アメリカの民間航空会社がプランを提出したことについて、鍛冶氏は・・
「米国は中共にトドメを刺すのを控えたと言う事だろう。もし飛行計画提出要求まで完全に無視されてしまえば、防空識別区設定宣言の失敗が明白となり、中共内部で責任問題となって習近平政権の土台が揺らぐ事は確実である。」と、アメリカが習近平政権に貸しを作ったようだと述べています。

その上で、「日本の航空会社が飛行計画を提出する必要はない。米国は日本が提出しないのを見た上で、米国各社の提出を容認する形を取っており、日米でバランスを取って対中圧力を形成する戦略であろう。」と述べておりますから、もはや習政権の命運は日米が握ってしまったようにも思えますね。

評論家の石平氏は、「微博(ウェイボ)」というミニブログを見ていると、中共という国が今、世紀末的な絶望と、未来へのかすかな希望が混在している激動の大変革期にあることがよく分かる。」と述べています。
「社会主義の中共は権力世襲社会となっており、人民は単なる傍観者と奴隷である」というような書き込みとか、「中共の富の95%は全人口のわずか5%を占める人々の手にある。しかしこの5%の人々はすでに海外へ移民しているか、あるいは移民しようとしている。これから10年後、この国に何が残されているのだろうか」などいう書き込みが急増していると言うことです。

中共は、今も開発中の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風(DF)41」の発射実験を行ったりしております。しかしこのような行為こそが「中共の末期」を感じさせるのです。
こんな国を「最重要国」としているアメリカ国民は、大丈夫なのですかね?

0 件のコメント:

コメントを投稿