2013年10月4日金曜日

日英同盟は復活するか?

英国のヨーク公アンドルー王子が来日しています。その王子が9月30日に安倍首相と会談しました。
会談の内容は両国間の安保対話強化です。

過去の日英同盟は、1902年1月30日に発行し、1923年8月17日に執行しました。失効した理由は、新たな日本、イギリス、アメリカ、フランスによる四カ国条約が、ワシントン会議で締結されたためで、論争によるものではありませんでした。
しかし、その後第二次世界大戦では相互敵国となって戦いましたが・・・

英国王室は日本の皇室とは違い、政治に影響力を持っています。英政府の外交・防衛政策に大きな影響力を持つシンクタンク、王立防衛安全保障研究所(RUSI)の実質的な会長を務めるアンドルー王子なのです。
フォークランド諸島の奪還作戦に参戦し、ミサイル攻撃でやられた英軍艦艇の乗組員救出とか、敵のミサイルのおとりになる作戦などの危険任務もこなしている軍人でもあります。

「テロ撲滅で綿密に協力していくことが大切。日本の皇室と英国の王室が緊密な関係を築き上げていることもすばらしい」などと外交辞令もわきまえた政治家でもあるわけです。
そのアンドルー王子がなぜ今、来日したのか・・おそらく中共問題があるからでしょう。

英国は、インドそして中国のかつての宗主国です。インドは面白くないでしょうし、中共は経済的優位を保っていますので、このことはあまり喧伝しないでしょうが、英国にとって日中が対立するならば当然出てきてその政治的影響力行使をしたいところ。その可能性をさぐるのためではないでしょうか?

日本国民の英国に対する感情はそれほど悪くはありません。二次大戦で戦ったことも、もとは人種差別撤廃の大義ゆえであることは英国もご存じでしょう。
しかし、そうであっても宗主国の責任を、インドに対しても、中国に対しても、そしてアメリカに対しても持ち続ける英国なのです。

10月5日から「飛べ!ダコタ」という映画が公開されます。二次大戦が終結して5カ月後の昭和21年1月14日、悪天候のために佐渡島に不時着した英空軍機「ダグラスDC-3」の搭乗員(英総領事ら11人)と敗戦国日本の佐渡島の島民の交流を描いた感動的作品で、しかも実話です。(まだ見ていませんが)
http://www.tobedakota.com/

この事件の当事者はまだご存命で、「英語が分からず、身ぶり手ぶりでやったけど、手を合わせて『サンキュー』と言ってくれた」とか、「鬼畜米英と憎んでいたが、彼らは紳士的で敵味方の気持ちにはならなかった」と当時の模様を語っております。

この映画製作のきっかけを作ったのは、この飛行機の整備士だった人の息子さんが佐渡を訪づれ、「父親が『世話になった』と感謝していた」と告げたことだったとか。そこから企画が生まれたそうです。
おそらくこの整備士の息子さんは、父がなぜ「世話になった」と感謝していたのか、それが知りたくて訪問されたのでしょう。政治的意図があったとは思えません。
日本と英国・・全く異質な国民ですが、武士道と騎士道の持つ価値観の類似性から、何故か惹かれる部分があることも確かなのではないでしょうか。

この映画とアンドルー王子の来日とは関係はないでしょう。しかし、国民感情からすれば英国との今後を判断するキーになると言う意味で、共に同じように感じます。

「ユーラシア大陸を挟む東と西の国家として、大いに影響力を発揮すべき」とは、どこかの評論家の意見だったでしょうか?
確かにこの両国がユーラシアに影響力を発揮できれば、アメリカとは異なる問題解決の方向が見いだせるかも知れません。
中共の問題、中東の問題、そして欧州の問題など、アメリカとは異なる視点が生まれてくることは歓迎すべきことでしょう。

もちろんアメリカが黙って見ているわけはないでしょうし、あのウォール街も投資先と金利の追及というスタンスを崩すことはないでしょうけど。

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