2013年10月17日木曜日

グローバル経済は国家をダメにする

アメリカの国債が10月15日に「ネガティブ(弱含み)」に変更されました。欧州の核付け会社であるフィッチ・レーティングスがそうしたのです。
米連邦債務の上限引き上げ期限とされるのは17日です。しかしアメリカ議会与野党の協議が停滞したまま、やっと上院は通過したとか。
米国債の利子支払いなどが滞った場合、この会社はアメリカ国債を格下げするそうです。もっとも現在はトリプルAであることに変わりはありませんが。

アメリカ経済がここまで落ち込んだのは、グローバル経済とか申しまして、製造業を賃金の安い海外に移したからです。安く作って、途上国にも売って利益を出し、それを配当金にして受け取るのが目的でした。
このやり方、一時的には儲かりますが、結局自国の生産性を下げてしまうことは致し方のないことです。

自国で製造したものは高く、賃金の安い海外で作った安物が出回りますから、自国の製造業は衰退し、その安い製品がデフレを誘発します。失業が増加し税収が減り国家は国債に頼り財政の赤字が大きくなります。
もっとも大きく投資している人たちは配当金が増え、そのお金はデフレで強くなっていますから豊になったような気分になるでしょう。

こうして格差社会となり、国力が衰退します。それが今のアメリカです。
そうすると超大国アメリカの国力低下で、新興国が強くなり、やがて世界の勢力図が変わっていくかと言えば、そうはなりませんでした。
つまり、新興国はアメリカの市場に売って稼いでいたわけですから、その売り先が破綻すれば新興国もダメになることは自明の理ですね。

アメリカは、「もうアメリカは買えないから、日本が買え!」と言うわけで始まったのがTPPです。日本の輸入が少ないのは「関税障壁」があるというのがアメリカの見方ですが、本当は日本の製造業が良いものを作るので、輸入品が売れなだけです。そこで「グローバル化で日本の製造業も潰してやる」というTPPが、年内妥結を目指しています。

さて、その日本が消費増税を決めました。つまり来年の4月から消費を抑制するわけです。アメリカがどんなに「買え!」と言っても、消費を縮小させるのですから輸入が減少することは間違いないでしょう。
財務省の消費増税は、つまりはアメリカに対する裏切り行為です。それはやがて判ってくるでしょう。まだアメリカは気づいてないようですが。

日本の財務省は、消費税を福祉とか公共財に使うようなことを言い出しました。やはり消費の冷え込みが心配なのでしょうか?政府資金でアメリカから物(兵器など)を買うようにしないと、自分たちの立場が危うくなります。
しかし、もともと日本の持っている1000兆円を超す借金の返済のために消費税を上げたのですから、そんなお金を使わずに、ただひたすら借金の返済を行えば良いのですよ。財務省に余計なお金を使わせてはいけません。先ずは借金の返済を最優先にやらせましょう。

そうすると、日本社会からお金がどんどん減っていきます。財務省内で税収と借金を相殺していますからね。
そこで政府は、国債を発行し資金を調達し、それで公共投資をします。そう、ケインズの理論を実践するのです。財務省ではなく、日銀を使うわけです。政府にはそれが出来ます。財務省には出来ません。

政府が借金を作り、財務省がそれを返済するという関係になります。それで国債発行残高を調整し、1500兆円くらいまでの借金を目指しましょう。
財務省はひたすら借金の返済をすればいいだけです。予算などは政府と日銀で行えばいいでしょう。通貨は循環せず、日銀・政府で発行し、財務省は税金でその借金を相殺するだけ。その方がデフレ対策としては良いのではないでしょうか。
インフレになると、国民の預金が出てきます。お金が心配だから他の物に変えるわけです。土地や貴金属などが対象になるでしょうが、そこに課税すれば、税収は上がります。

「日本製の耐久消費財」の購入が活発になれば、景気は回復し税収も上がります。そこで初めて国債発行残高が減るのです。それ以外に国家の借金は絶対に減りません。財務省にはそれが出来ませんから、日銀・政府に任せるのです。

グローバル経済を推進しても、使われるお金はどこかの国家の政府(ローカル)が発行したものです。国家は国内事情で通貨を発行します。それがグローバルに使われれば、国内がデフレになるのは当然ではないでしょうか?
だからグローバル経済は失敗だったようです。ドルの衰退がそれを的確に示しています。

どうやらグローバル経済とは、超越神を崇める一神教信者たちが抱く、単なる幻想に過ぎなかったようですね。どんなに理屈を付けようとも・・・

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