安倍政権にとって、次の山場は10月に行うという消費増税をするかどうかの判断です。安倍政権の本音では消費増税は先延ばしと思っているのではないでしょうか?
その理由は、日本の消費税が5%に上がった時の経緯です。あの時の政権は「橋本龍太郎首相」の政権でした。
大蔵省の「もうデフレは脱却した。大丈夫」という口車に乗せられて増税しましたが、結果は大失敗。景気は再び低迷を始めデフレが進行、日本は未曽有の長期不況に突入してしまいます。
怒った橋本首相は、ついに大蔵省を解体、そして財務省としたわけです。「名前を変えても実態が変わらなければ意味はない」ことは承知でも、橋本首相にしてみれば「なんとしても騙したことに対して報復したい」という思いだったはず。
大蔵省がなぜ財務省に変わったか、そこを思い出せば、デフレ脱却時の消費増税がいかに危険な政策であるかがよくわかります。
ですから、今回の安倍首相は、慎重に駒を進めています。表面化はしませんが、この安倍首相の激闘は孤軍奮闘。そしてついに、8月8日に内閣法制局の人事で「小松一郎元駐仏大使」を起用しました。
内閣法制局は小さな部局ですが、財務省のいうことは聞きません。そして衆議院で可決した法案でも覆すことができるという特権を持っています。
これで消費増税を阻止できるかどうかは判りませんが、少なくとも「財務省内」に居る増税反対派には強いシグナルとなったはずですね。
これで日銀総裁、内閣法制局と安倍政権の土台を作ってきたわけですが、ここにきて同じ8月8日に日銀総裁がおかしなことを言い始めました。
黒田総裁は、「脱デフレと消費増税は両立できる」と言い始めたのです。そして政府に向かって「財政規律が緩めば間接的に日銀の金融政策の効果に悪影響を及ぼす」とも。
黒田氏をここまで強気にさせるのは、自分の行った「異次元」緩和の効果で、百貨店の売上高が7・2%増えたとか、完全失業率は4年8カ月ぶりに3%台に低下したということを持って、この強気発言が出されているようです。
しかし、デフレ脱却とは日本の製造業の完全復活まで待たなければならないはずです。確かに製造業はかつてのような雇用を生み出さないかもしれませんが、国家の基盤、国力の基礎は製造業であることは間違いありません。そして中小企業とか零細企業のような、職人事業の復活こそがデフレ脱却の目的であるはずです。
日本国民の特徴は、頭で考えるのではなく、手で考えるというところにあります。それが大企業を支える職人技にありました。現在の日本の危機は、その職人の激減にあると思います。デフレがそこを潰していることをもう少し真剣に考えないと、「神国日本」の崩壊となってしまうのです。日本の神は、これら職人の神業に支えられているのですから。
日本製品の強さも、日本のアニメの強さも、そしてクール・ジャパン(つまり日本の粋[いき])も、この職人気質が生きているからこそ存在するという事を、見失ってはいけません。
日本復活に必要なのは、「神業」を復活すること。そのためにはデフレがもう少し減退し、インフレ基調が鮮明になるまで待たなければならないはずです。
では何故黒田総裁は「消費増税」の容認などを言い始めたのでしょうか?
黒田氏は、もとは財務官僚でしたから本質的には財政均衡主義なのでしょう。その人が日銀の総裁となり、「異次元緩和」と称する通貨増発を行ったわけです。
具体敵には、金融市場から日本国債を買い取り、一般銀行に政府から国債を買わせるということです。政府はそのお金を公共投資に回し、流通通貨を増やします。それをアベノミクスと言うわけです。
黒田氏は内心ではこの通貨増発をビクビクしながら行っていたのかも知れませんね。前例のないことですから、元官僚には辛いでしょう。腹が据わっていない小心者。高橋是清を見習ってほしいですね。
当然政府負債は増大します。つまり国家財政は不均衡になっていきます。しかし、市中にお金が出回るわけですから、民間の収入が増えます。それはやがて税収増として再び政府に戻ってきます。
増税とは、税率アップのことですから、それを行えばさらなる税収アップが図れると、財務省は考えるのでしょうが、それは間違いです。
消費税は民間消費を相当大きな力で引き下げるからです。その力を過小評価した結果が「アメリカ」とか「英国」で表出していますし、大蔵省が財務省になってしまった原因も、大蔵省がこの過小評価をしたためだったはずです。
デフレ脱却とは、経済成長によるインフレ傾向が見え始めた時を指すはずですね。物価が上がってきたら、それは消費(需要)が増加したことであり、市場が供給(生産)側に増産を要求している意味になります。
増産すれば価格は下がります。この時、取引量が上がるわけですから、当然消費税からの税収は増加します。これで財政均衡化を図るわけです。
この時、先ず生産側は供給量を増やすために投資を始めますから、公共投資を止めても税収増は止まりません。民間投資によってお金が回るようになってきたからです。
公共投資を止めても税収が上がることで、財政均衡化が進むわけです。そして経済成長の結果として、物価が上がり、ちょっと遅れて人件費も上がります。
物価が上がれば、相対的・実質的に政府負債は減っていきます。注意しなければならないのは負債金額は変わらないということ。その金額が変わらなくてもお金の価値が減っていきますから、国債の金額は変わらなくても、実質で減っていくということです。
それでも供給が追い付かないくらい需要が出てきてインフレが本格化した時、その時は増税しか方法はなくなります。その時に増税すれば、政府の借金はさらに激減することになるのです。
「異次元緩和」で少し失業率が下がったくらいで、増税なんかやるべきではありません。それをすれば、お金が市中で回転することを阻害してしまいます。だから税収が減るのです。財政均衡などに向かうわけがありません。財務省だって知っているはず。
今行われている「消費増税点検会合」でも、増税賛成者は増税がなぜ今必要かについて、まったく意味のわからないことを言っています。米倉氏などは「(増税は)消費にマイナス影響を与えるが、アベノミクスを充実させていくことで相当回避できる」などとマクロ経済を無視した乱暴な発言ですし、増田寛也元総務相は「決められない政治が日本のリスク」などと議論にならない発言で増税容認です。
もしかしたら、他国の消費税なみに日本も上げろというおかしな圧力がかかっているのでしょうか?
もし、それが増税容認の根拠だとしたら・・・それは売国行為ですね。
大蔵省の「もうデフレは脱却した。大丈夫」という口車に乗せられて増税しましたが、結果は大失敗。景気は再び低迷を始めデフレが進行、日本は未曽有の長期不況に突入してしまいます。
怒った橋本首相は、ついに大蔵省を解体、そして財務省としたわけです。「名前を変えても実態が変わらなければ意味はない」ことは承知でも、橋本首相にしてみれば「なんとしても騙したことに対して報復したい」という思いだったはず。
大蔵省がなぜ財務省に変わったか、そこを思い出せば、デフレ脱却時の消費増税がいかに危険な政策であるかがよくわかります。
ですから、今回の安倍首相は、慎重に駒を進めています。表面化はしませんが、この安倍首相の激闘は孤軍奮闘。そしてついに、8月8日に内閣法制局の人事で「小松一郎元駐仏大使」を起用しました。
内閣法制局は小さな部局ですが、財務省のいうことは聞きません。そして衆議院で可決した法案でも覆すことができるという特権を持っています。
これで消費増税を阻止できるかどうかは判りませんが、少なくとも「財務省内」に居る増税反対派には強いシグナルとなったはずですね。
これで日銀総裁、内閣法制局と安倍政権の土台を作ってきたわけですが、ここにきて同じ8月8日に日銀総裁がおかしなことを言い始めました。
黒田総裁は、「脱デフレと消費増税は両立できる」と言い始めたのです。そして政府に向かって「財政規律が緩めば間接的に日銀の金融政策の効果に悪影響を及ぼす」とも。
黒田氏をここまで強気にさせるのは、自分の行った「異次元」緩和の効果で、百貨店の売上高が7・2%増えたとか、完全失業率は4年8カ月ぶりに3%台に低下したということを持って、この強気発言が出されているようです。
しかし、デフレ脱却とは日本の製造業の完全復活まで待たなければならないはずです。確かに製造業はかつてのような雇用を生み出さないかもしれませんが、国家の基盤、国力の基礎は製造業であることは間違いありません。そして中小企業とか零細企業のような、職人事業の復活こそがデフレ脱却の目的であるはずです。
日本国民の特徴は、頭で考えるのではなく、手で考えるというところにあります。それが大企業を支える職人技にありました。現在の日本の危機は、その職人の激減にあると思います。デフレがそこを潰していることをもう少し真剣に考えないと、「神国日本」の崩壊となってしまうのです。日本の神は、これら職人の神業に支えられているのですから。
日本製品の強さも、日本のアニメの強さも、そしてクール・ジャパン(つまり日本の粋[いき])も、この職人気質が生きているからこそ存在するという事を、見失ってはいけません。
日本復活に必要なのは、「神業」を復活すること。そのためにはデフレがもう少し減退し、インフレ基調が鮮明になるまで待たなければならないはずです。
では何故黒田総裁は「消費増税」の容認などを言い始めたのでしょうか?
黒田氏は、もとは財務官僚でしたから本質的には財政均衡主義なのでしょう。その人が日銀の総裁となり、「異次元緩和」と称する通貨増発を行ったわけです。
具体敵には、金融市場から日本国債を買い取り、一般銀行に政府から国債を買わせるということです。政府はそのお金を公共投資に回し、流通通貨を増やします。それをアベノミクスと言うわけです。
黒田氏は内心ではこの通貨増発をビクビクしながら行っていたのかも知れませんね。前例のないことですから、元官僚には辛いでしょう。腹が据わっていない小心者。高橋是清を見習ってほしいですね。
当然政府負債は増大します。つまり国家財政は不均衡になっていきます。しかし、市中にお金が出回るわけですから、民間の収入が増えます。それはやがて税収増として再び政府に戻ってきます。
増税とは、税率アップのことですから、それを行えばさらなる税収アップが図れると、財務省は考えるのでしょうが、それは間違いです。
消費税は民間消費を相当大きな力で引き下げるからです。その力を過小評価した結果が「アメリカ」とか「英国」で表出していますし、大蔵省が財務省になってしまった原因も、大蔵省がこの過小評価をしたためだったはずです。
デフレ脱却とは、経済成長によるインフレ傾向が見え始めた時を指すはずですね。物価が上がってきたら、それは消費(需要)が増加したことであり、市場が供給(生産)側に増産を要求している意味になります。
増産すれば価格は下がります。この時、取引量が上がるわけですから、当然消費税からの税収は増加します。これで財政均衡化を図るわけです。
この時、先ず生産側は供給量を増やすために投資を始めますから、公共投資を止めても税収増は止まりません。民間投資によってお金が回るようになってきたからです。
公共投資を止めても税収が上がることで、財政均衡化が進むわけです。そして経済成長の結果として、物価が上がり、ちょっと遅れて人件費も上がります。
物価が上がれば、相対的・実質的に政府負債は減っていきます。注意しなければならないのは負債金額は変わらないということ。その金額が変わらなくてもお金の価値が減っていきますから、国債の金額は変わらなくても、実質で減っていくということです。
それでも供給が追い付かないくらい需要が出てきてインフレが本格化した時、その時は増税しか方法はなくなります。その時に増税すれば、政府の借金はさらに激減することになるのです。
「異次元緩和」で少し失業率が下がったくらいで、増税なんかやるべきではありません。それをすれば、お金が市中で回転することを阻害してしまいます。だから税収が減るのです。財政均衡などに向かうわけがありません。財務省だって知っているはず。
今行われている「消費増税点検会合」でも、増税賛成者は増税がなぜ今必要かについて、まったく意味のわからないことを言っています。米倉氏などは「(増税は)消費にマイナス影響を与えるが、アベノミクスを充実させていくことで相当回避できる」などとマクロ経済を無視した乱暴な発言ですし、増田寛也元総務相は「決められない政治が日本のリスク」などと議論にならない発言で増税容認です。
もしかしたら、他国の消費税なみに日本も上げろというおかしな圧力がかかっているのでしょうか?
もし、それが増税容認の根拠だとしたら・・・それは売国行為ですね。
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