MRIインターナショナルというアメリカのネバダ州にある会社が詐欺容疑で訴えられています。
MRIと言うから、磁気共鳴画像装置(Magnetic Resonance Imaging)と言う医療器具での詐欺かと思いましたら、そうではなくて「MARS投資」と呼ばれる金融商品を販売し、年率6%から8%という高金利を売りにした詐欺事件とのことです。(Medical Receivables Funding company の略のようですね)
「MARS投資」とは、「診療報酬を保険会社に請求できる権利を債権化した金融商品を扱う事業」とのことですが、聞いただけでちょっとおかしいと感じる投資ですね。
まあ詐欺ですから、うっかり話に乗ってしまうと騙されることは普通の人なら当然です。AllAboutの真鍋貴臣氏によると、「(MARS投資は)オルタナティブ投資」と呼ばれる商品の一種で、「オルタナティブ投資とカルト宗教は良く似ている」ということです。
さて、顧客から一人当たり5000万円くらいもの大金を預けさせ、集めた約1300億円超のお金が消えてしまったということ、すなわち運用もせずに大半が消失している疑いがあるということ(2013年4月の時点)でした。
このMRIインターナショナルという会社は、社長がエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長(66歳)という日系アメリカ人のようで、本社はアメリカ、ネバダ州ラスベガス郊外の住宅地にあると言うのですから、いかにも詐欺っぽいですね。(ホームページは http://www.mrifunding.com/Default.aspx です)
詐欺の金額は約1300億円ですから、あの民主党・海江田氏の安愚楽牧場詐欺での4207億6700万円に比べればかわいいものかも知れません。
しかし、このMRIインターナショナルの詐欺は舞台がアメリカと日本という2か国にまたがっていることが特徴です。顧客は投資金を米国の口座に入金するよう指示され、配当金や償還金も米国口座から振り込まれていたということです。
日本支店の統括責任者は、その妻の両親が約9800万円を投資していたり、社員の親族らも投資していたようですから、もしかしたら被害者なのかも知れません。
MRI側は、5月に投資家への一部払い戻しを始めるとの声明を発表しましたが、このような詐欺事件ではいつも同じようなものですね。
さて、詐欺として訴えた日本側の9名の顧客が、約7200万円の出資金返還を求めた訴訟の第1回口頭弁論で、東京地裁に対しMRI側は、文書で「(契約書には)一切の紛争は米国の裁判所を管轄、とする契約書の記載がある」として、日本での訴訟を無効として訴えを却下するよう求めました。
これに対して、被害者弁護団は「裁判所の管轄に関する契約は消費者の利益を著しく害するもので無効だ」と反論したようです。
MRIに対する訴訟は、他にも5名の日本人がラスベガスの連邦地裁に出資金返還を求める集団訴訟を起こしています。これについても「国際的な二重の提訴に当たり違法だ」とMRI側は指摘しているようですが、弁護団は「原告が別人なので、形式上は問題にならない」と述べています。
裁判ですので、今後どのようになっていくかは判りませんが、契約書にある「一切の紛争は米国の裁判所を管轄」という約束が、「消費者の利益を著しく害するもので無効」という事が成立するかどうかが気になるところなのです。
TPPの条約の中で、アメリカが主張している「TPP関連の一切の裁判は、アメリカで行う」と言うことが成立するかどうか、その試金石になるのではないかと思うからです。
単なる民間投資の契約書と、国家同士の条約と同じに扱えるかどうかは判りませんが、もしかするとこの判決によっては、TPP交渉で使えるかも知れません。
いくら条約には「一切のトラブルにはアメリカの裁判所を使う」となっていても、「消費者の利益を害する」ならばその条項は無効になるのではないか、MRI訴訟で判決が出ている・・と言えるでしょうから。
そして「消費者の利益を害するような条約など結ぶべきではない。消費者の怒りが不買運動などに発展するようになれば、何のための条約か判らなくなる。」として、この条件を破棄する方向に持っていくのです。
もっとも、東京地裁が契約書の有効性を認めてしまえばそれまでですけどね・・・
「MARS投資」とは、「診療報酬を保険会社に請求できる権利を債権化した金融商品を扱う事業」とのことですが、聞いただけでちょっとおかしいと感じる投資ですね。
まあ詐欺ですから、うっかり話に乗ってしまうと騙されることは普通の人なら当然です。AllAboutの真鍋貴臣氏によると、「(MARS投資は)オルタナティブ投資」と呼ばれる商品の一種で、「オルタナティブ投資とカルト宗教は良く似ている」ということです。
さて、顧客から一人当たり5000万円くらいもの大金を預けさせ、集めた約1300億円超のお金が消えてしまったということ、すなわち運用もせずに大半が消失している疑いがあるということ(2013年4月の時点)でした。
このMRIインターナショナルという会社は、社長がエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長(66歳)という日系アメリカ人のようで、本社はアメリカ、ネバダ州ラスベガス郊外の住宅地にあると言うのですから、いかにも詐欺っぽいですね。(ホームページは http://www.mrifunding.com/Default.aspx です)
詐欺の金額は約1300億円ですから、あの民主党・海江田氏の安愚楽牧場詐欺での4207億6700万円に比べればかわいいものかも知れません。
しかし、このMRIインターナショナルの詐欺は舞台がアメリカと日本という2か国にまたがっていることが特徴です。顧客は投資金を米国の口座に入金するよう指示され、配当金や償還金も米国口座から振り込まれていたということです。
日本支店の統括責任者は、その妻の両親が約9800万円を投資していたり、社員の親族らも投資していたようですから、もしかしたら被害者なのかも知れません。
MRI側は、5月に投資家への一部払い戻しを始めるとの声明を発表しましたが、このような詐欺事件ではいつも同じようなものですね。
さて、詐欺として訴えた日本側の9名の顧客が、約7200万円の出資金返還を求めた訴訟の第1回口頭弁論で、東京地裁に対しMRI側は、文書で「(契約書には)一切の紛争は米国の裁判所を管轄、とする契約書の記載がある」として、日本での訴訟を無効として訴えを却下するよう求めました。
これに対して、被害者弁護団は「裁判所の管轄に関する契約は消費者の利益を著しく害するもので無効だ」と反論したようです。
MRIに対する訴訟は、他にも5名の日本人がラスベガスの連邦地裁に出資金返還を求める集団訴訟を起こしています。これについても「国際的な二重の提訴に当たり違法だ」とMRI側は指摘しているようですが、弁護団は「原告が別人なので、形式上は問題にならない」と述べています。
裁判ですので、今後どのようになっていくかは判りませんが、契約書にある「一切の紛争は米国の裁判所を管轄」という約束が、「消費者の利益を著しく害するもので無効」という事が成立するかどうかが気になるところなのです。
TPPの条約の中で、アメリカが主張している「TPP関連の一切の裁判は、アメリカで行う」と言うことが成立するかどうか、その試金石になるのではないかと思うからです。
単なる民間投資の契約書と、国家同士の条約と同じに扱えるかどうかは判りませんが、もしかするとこの判決によっては、TPP交渉で使えるかも知れません。
いくら条約には「一切のトラブルにはアメリカの裁判所を使う」となっていても、「消費者の利益を害する」ならばその条項は無効になるのではないか、MRI訴訟で判決が出ている・・と言えるでしょうから。
そして「消費者の利益を害するような条約など結ぶべきではない。消費者の怒りが不買運動などに発展するようになれば、何のための条約か判らなくなる。」として、この条件を破棄する方向に持っていくのです。
もっとも、東京地裁が契約書の有効性を認めてしまえばそれまでですけどね・・・
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