2013年7月23日火曜日

参議院勝利の安倍政権、さっそくアメリカが・・・

参議院選挙で安定過半数を確保した安倍政権に、アメリカが期待を示しています。ホワイトハウスは21日、バイデン副大統領が26日に訪問先のシンガポールで安倍晋三首相と会談すると発表しました。
本年初頭、安倍首相との会談に冷たくしていたホワイトハウスです。安倍首相はすぐにホワイトハウスを後回しにして、インドネシア、ベトナム、タイを歴訪、それからホワイトハウスに向かいました。

今回の選挙結果を見て、こんどは最初にアメリカ側が接触を求めたのでしょうか、バイデン副大統領がシンガポールで会うことを決めたようです。
議題はもちろん「アベノミクス第3の矢、成長戦略」と「尖閣諸島をめぐる中共の挑発活動への対処」です。

この会談、「オバマ政権の期待感を示したもの」と言うことですが、TPPの先行きを探ろうとしているアメリカの真意も見えてきますね。
強くなった政権基盤を背景に、安倍政権がTPPを使ったアメリカの押し付けにどこまで抵抗してくるか、それを探り先手を打とうということかも知れません。

選挙前、安倍首相は「薬のネット販売」を容認する発言をしています。保守派の中には「どうしてそれが成長戦略なのか?」とか「楽天の社長に媚びを売ってどうするのか!」などという罵声が飛んでいました。「町の薬屋さんが大打撃」とか、「シャッター通りが増える」などという発言もあります。

しかし、「薬のネット販売」を成長戦略の一つとすることで、アメリカに譲歩したと見せることができます。そういう策謀の道具と見れば、薬のネット販売は被害が少ないひとつだったのではないでしょうか?
「農業は守る」と言った安倍首相。何か手土産が必要で、「薬の通販」を使ったのではないでしょうか?
「保険」についても「医療」についても、日本に被害が少ないような譲歩を考えているであろう安倍政権だと信じます。
「公共投資」の「仕様書を英文で書け」と言うのも、国家規模の公共投資はそうする」と逃げて、地方自治体の公共投資を守るという方向かも知れません。
国家規模の公共投資は軍事関連を前面に押し出しましょう。その上で、日米軍事技術交流という位置づけで防衛予算を付け、公共事業としてアメリカの軍事産業を取り込みませんか?
そしてそれが「中共の挑発活動への対処」と重なります。

さて、尖閣諸島問題ですがアメリカはほとんどいきさつを知らないはずです。戦争直後も沖縄の帰属について、シナの領土か日本の領土か迷っていたくらいですから。
沖縄の言語が日本語だったことと、沖縄の有力者(県民)が「日本である」と述べたことから、やはり日本だと判断したわけです。
ですから安倍首相には「沖縄と尖閣について」、しっかりと歴史的事実をアメリカ側に説明して欲しいものですね。

日本国民ですらはっきりと判っていない人も多く見受けられます。長崎純心大学の石井望准教授によりますと・・・
「琉球」という言葉は1400年前の『隋書』に出てくるのが始めです。発音はRyukyuであって中共の言うLiuqiu(リウチウ)ではないということです。
そしてこれは沖縄本島を指す言葉ではなく、福建東方の島々全てを指すものだったようです。

西暦1609年、薩摩藩は琉球を併合します。反発した琉球王は、明の皇帝の臣下として朝貢貿易を続けます。明側は薩摩の統治を知り、一時は朝貢を謝絶したそうですが、琉球は朝貢貿易を止めませんでした。(それは「明」の軍隊を持って薩摩軍と戦ってくれという請願の意味ですから)
西暦1614年、皇太后が崩御した際に、明の皇帝「萬暦(ばんれき)」は天下を大赦しました。
つまり大赦の前に日本が琉球を併合したことを不問に付したことになるというのです。その意味は、「『明』は琉球のために援軍を出してまで日本とは戦わない」ということを天下に示したということです。これで琉球は日本の薩摩藩の統治下に入ったわけです。(まだ民主主義ではありませんからね)
そして明治になって、琉球は「沖縄県」として日本の施政権下に入ります。

尖閣諸島は、明治政府が「1885年から1895年まで調査し、世界情勢を考慮したうえで隣国の清国など、いずれの国にも属していないことを慎重に確認したうえで閣議で決定し沖縄県に編入した」ものであることは近代史としての事実です。
もしこれを中共が、1609年以前までさかのぼって領有を主張するなら、「当時の世界の領有を現在に持ち込み、世界中に紛争を起こすつもりか、それを危惧する」として世界にそれを認めないように主張しましょう。

こうしてアメリカを説得し、尖閣諸島に日本国民を常駐させるような段取りを取って欲しいですね。
気象観測、生態系調査、避難港と電波施設など、なんでもいいから建造物を建てて、アメリカとの学術調査を行うことなどを提案してみたらいかがでしょうか?

中共は猛烈に反発するでしょう。しかし、現在以上に悪化することもないはずです。すでに戦争状態なのですから。
中共経済は今後劣化する一方でしょう。共産党に対する民主化の動きは活発になり、「憲政(憲法に基づく政治)」というやり方が知識層から発信され始めました。それは「憲法を共産党の上に置こう」という政治改革です。
インターネットの書き込みには「1895年以後、中国(華人)は尖閣に上陸したことがあるのか。何もないのに領有を主張するな!」などという書き込みも増えているとか。
金融システムが不完全なので、もはやちょっと金融を緩めるとインフレとなり。ちょっと引き締めるとデフレになるという「調整不能」が続くでしょう。
そしてアメリカが金融緩和の出口戦略を発動すれば、ドル(外貨準備)に対して発行されている人民元は、たちまちデフレに陥り、きちんとした金融システムを作らないと回復不能となるでしょう。そしてそのシステムは民主化しないと機能しないはずです。

中共は「新しい大国関係」で、米中関係を持って日本の統治を行おうとしました。しかし、オバマ政権はこれを拒否、現実は日米関係を持って中共の統治(立て直し)を行うことになりそうです。
安倍政権は参院選勝利を持って、現在それが可能なポジションを取りました。世界中が見ています。さて、それが今後どう動くでしょうか・・・

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