2013年7月3日水曜日

脱原発が本物になるのか、メガソーラブーム・・・

電力料金が値上がりします。原発が止められて2年目。古い火力発電を復旧し、高い輸入天然ガスを燃やし、大気汚染を進めながらかろうじて賄ってきた日本の電力事情。
しかし、その高価な燃費がついに価格に反映されてしまいました。家庭用ならともかく、工業用となると製品の価格にも跳ね返り、貿易競争力の足を引っ張る・・・そんな事態が始まろうとしています。
せっかく円安になったのに、今度は電気料金の高騰で苦しめられる日本企業なのでしょうか?

ソフトバンクの孫正義社長が、3.11東日本大震災の直後、原発の恐怖に便乗してメガソーラ計画をぶち上げました。
胡散臭いこの計画がスタートし、協賛する日本企業なども参入して北海道や東北の広大な土地が準備され、太陽光パネルが設置され始めたのは昨年のこと。

孫社長は、固定価格での電力買取を要望し、東京電力などが震災対応の不備で悪者にされている時を狙って、菅首相が国会で法案を通してしまいました。
国民という需要者を煙に巻いた、実に巧みな戦略でした。メガソーラ建設に当たって、その資金を外国の投資家などから集めたメガソーラ計画。値上がりした電気料金はそのほとんどが外国の投資家の懐に入るような、そんなことが懸念されています。

そのソフトバンクが開発する北海道安平町・八雲町のメガソーラが、北海道電力の売電申請拒否によって頓挫したのは今年の5月でした。
その理由は、「太陽光発電の受け入れは出力2千キロワット以上で40万キロワット程度が限度であって、それ以上となると太陽光発電は天候で出力が変わるために電力供給が不安定になるため」という極めて当然な、現時点での技術的理由によるものでした。

ひとつの電力会社が、このような技術的理由を持って拒否すれば、他の電力会社もそれに追従するのは当たり前で、他の電力会社も同様に上限を設け拒否する構えだそうです。

ところが、日本企業の日揮(旧・日本揮発油株式会社)は、九州・大分県に出力・2万6500キロワットというメガソーラを建設、今年4月より稼働を開始しました。5月1日から九州電力がその電気を買い取っていますが、ここのメガソーラの敷地が「日産自動車」から借用した敷地であることが注目点です。

日産自動車と言えば、2年前から電気自動車(EV)を販売しております。この自動車のバッテリーが大容量リチュウムイオン電池で、太陽光パネルで発電した電気を昼間充電し、需要のある夜間に放電するようなシステム(スマートグリッドのような)が取れれば、北海道電力の技術的根拠は覆されます。
それを大規模な充電施設にするのであれば、高価なリチュウムイオンでなくともNAS電池(日本ガイシ株式会社製)でも構わないでしょう。ともかく太陽光発電には必ず充電設備が伴うということを認識した上で、メガソーラに取り組んでいただきたいものですね。(ですから設備投資は太陽光パネルだけではダメだと言うことです。立法化も考えましょう)

日産のEVに使われている電池は、オートモーティブエナジーサプライ株式会社の製品で、日産と日本電気(NEC)の共同出資会社です。そしてリチュウムイオン電池の劣化を防止するマンガンスピネル陽極は、自動車という充放電を繰り返す過激な環境でもビクともしません。この同じ電池は、アメリカのミズリー州メンフィスの工場でも作られていますね。日産の旧名は「日本産業」。日本が太陽光発電で世界のトップをいくことは、国名からして国是にもなるのではないでしょうか。

あまり目立ちませんが、太陽光変換素子開発の国際競争は激烈を極めています。その中で、シャープ(株)が世界最高変換効率44.4%を達成したということです。まだ実験室の成果ですが、やがてこの技術が市場に出てくるかもしれません。楽しみですね。

そして、世界から非難されるほどの安売りで世界の太陽光パネル市場を制覇していた中共のサンテックパワー社が、今年3月に破産手続きに入ったそうです。
赤字覚悟の安売りだったのかも知れませんね。しかし、安売りで利益を抑えてしまうと、技術開発競争に負けてしまうこともあります。

日本国民が価格の高騰する電気料金に耐えても脱原発を希求し、産業も生産手法を見直し、さらに商品の長寿命化などでコスト吸収を図るなど、工夫をすれば国際競争力も維持できるかも知れません。

原発再開が不透明な中、日本人独特の自然と向き合う感覚で、地熱発電なども始まろうとしています。工業用ホースの東拓工業株式会社が、長持ちする地熱発電用のパイプ開発に乗り出したようです。

メタンハイドレートの開発も進んでいます。これらのエネルギーがすべて電力として供給されることを望みます。「蓄えられないのが欠点」とされていた電気エネルギーも、蓄えられるようになりつつありますから。

脱原発をもっと進めて脱石油まで行けば、日本のエネルギー自立は夢ではなくなります。
日本の未来が楽しみですね。

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