2011年6月11日土曜日

大阪・橋下知事、15%節電の協力しないと言明

橋下知事が関西電力からの15%削減要求をはねつけました。そんな根拠薄弱な要求が呑めるか・・というわけです。
この橋下知事の言われることはもっともなこと。発電能力不足をカバーするのはピーク電力を15%以上下げることであって、一般の節電とはまったく異なる問題です。

国民は、「電気の使用を15%抑えてください」と言われれば、夜間の照明とか、空調の温度を少し高くするなどの節電対策を思い浮かべるでしょう。
しかし、夜間の電力は足りるはず。一番危惧されるのは、夏場の40度にもなろうとする日中のビル冷房。もちろんパチンコ屋さんも。

一般家庭でも、一番暑い日中だけは冷房が欲しいと思うはず。節電は夜間の少し涼しくなった時に冷房を止めて節電しましょう・・などと思うのではないでしょうか?
しかしこれでは今回の節電の目的はまったく果せません。ピーク電力量が同じで、それ以外が低くなるのでは、単に設備はフル回転が要求され、電気力金の収入が減るだけ。

電力会社は求めるものは、一番暑い日中で「今だけは冷房が欲しい!」と言う時、止めてくださいということ。そんな時間、冷房をガンガンに効かせたビルに逃げ込む人も多いはず。で、そのビルの冷房を止めてください・・というのが節電の主旨。
ご老人が熱中症で死亡するなど、そういう事故が発生しても仕方が無いという要求とも考えられますね。
それ以外の時間帯。特に夜間は大口ユーザーである工場の操業が止まり、発電能力は余るはず。
そんな時節電しても意味は無いはずでは?

橋下知事は、「目標設定のため関電に何度もデータ開示を求めたが協力を得られなかった」と述べておりますが、どうしてでしょうか? データ開示がなされないのは、説明が辛いからではないでしょうか?
電力会社は、ピーク電力量を訴えてきました。年間を通してピーク電力量は夏場になります。
即ち冷房需要。そしてこのピーク電力量を根拠に日本の発電設備のさらなる必要性を訴えてきたはずです。根拠は「電気は貯められないから・・」
これが原発をさらに増やそうとする根拠。原発の必要性は認めますが、闇雲に増やすことは無駄使いということになります。
しかし、そういう不明瞭な根拠に基づいて原発の必要性を説いてきた電力既得権があることも確かなようですね。原発の問題はこの既得権。それが「データ開示を求めたが協力を得られない」根拠かも知れませんね。

橋下知事は再生可能エネルギーの開発を標榜しているようですが、単なる脱原発で代替エネルギーに置き換える・・などということは出来ないことはご存知なのでしょうか?
「太陽光発電の推進」を訴えるならば、このピーク時は太陽光が燦燦と降り注いでいる時間であり、そのピーク電力を抑えるのは原発ではなく太陽光発電でも出来ない話ではないのではないか・・と言えばいいんですけどね。
そしてそのために必要な太陽光発電パネルの広さを計算する根拠として「データ開示を求める」のであれば筋が通ります。そして原発既得権(利権です)の保持者と対峙すればいいわけです。

もうひとつ、ピーク時対策として考えられるのが電気自動車の効用。
翌日使用しない自動車に夜間の電気を蓄えておいて、翌日のピーク時に送電線に送るという仕掛けです。まだガソリン車がほとんどですから無理なのですが、EVを普及させる目的の一つがこのような電力インフラのサポートとしての位置づけがあるはず。
お解かりのように、EVは「電気は貯められないから・・」という電力会社の言い分を大きく変える存在でもあるわけです。もっともガソリン車からEVへ乗り換える人が増えると、全体の電気需要は上がりますけど。

原発は必要、しかしピーク電力を抑える仕掛けをもっと検討する必要があります。
その努力を、原発利権が無視し続けてきたことが・・・今問われるべきですね。

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