菅直人首相がパリのOECDで演説し、日本は今回の原発被災で世界にご迷惑をおかけしたお詫びとして、太陽光パネルを1千万戸設置すると表明したそうですね。
そして2020年までに太陽光など、再生可能エネルギー発電を20%まで増やすとか。なぜこれがお詫びになるのか判りませんが・・
原子力発電のコストが1kwhで5円なのに対して、太陽光発電は1kwhでだいたい45円。約9倍の高さですね。もっとも何を基準にして言っているかはよくわかりません。
原発も、事故の補償などを入れるとどこまでの金額になるのかは、はっきりしません。放射能(線)被害についても、まだどこにも具体的被害が報告されていませんし、因果関係の判定が難しい被害です。
これらを発電コストに組み込むことが出来るのかどうか、はなはだ疑わしいものです。
太陽光パネルの価格が高いことは致し方ありませんが、個人、および企業などが設置しやすくなることはいいことです。ただし、全量固定価格買取は需要家(即ち皆様)に負担増を押し付けるもの。たとえ税金でまかなうとしても、増税の大儀になると財務省が喜ぶだけの結局は我々の負担となる愚策でしょう。
需要者と供給者のバランスを取り、最適価格を割り出すのがスマートグリッドであることを忘れないように。
菅首相は、エネルギー4本柱として、石油、原子力、自然、そして省エネを持ち出しました。
すべて電気エネルギーに変えて意味のあることです。どうしてここに石油が入っているのでしょうか?
原子力発電を、高温ガス炉にすれば水素も生産されます。水素を元に航空機燃料が作れるのではないでしょうか。また、どうしても石油燃料でなければうまく行かないところに、水素合成の燃料を供給することで、脱石油が実現するのでは?
太陽光発電を振りかざす以上、大容量蓄電池をどうするかについても言及しなければならないはずですが、菅首相の発言には一言も出てきませんでした。
大容量蓄電池は、電気自動車に装備されますから、それを持って夜間電力を補う必要があるわけです。
わざわざ電気自動車でなくても・・と思いますが、重たい電池で、しかも消耗する電池です。移動にはそのまま動ける電池の方が何かと便利。即ち電気自動車とした方がいいと思います。
で、電気コストを下げるためには自家用車の電気自動車をパワーネット(送電網)に接続させて、蓄放電させるように仕向ける必要があり、そのために、そうすることで若干の利益が出る可能性を担保するものがスマートグリッド構想・・即ち、わざわざ政府が電気自動車ユーザーに電池の送電線接続をお願いすることなく、自発的にそうするようになる仕掛けなのです。(補助金などは不要になりますから、政府にやさしいシステムです)
太陽光パネルには、現在でも20%を越える高価なものもありますし、12%以下の中共製などの安価なものもあります。量子ドットパネルが登場するのはまだ先ですが、このような需要があるとなればその研究開発に莫大な資本が動くでしょう。
こういったあらゆるシステムを動員しないと、太陽光パネルの普及はおぼつかないはず。
原子力発電も全体のシステムから見て必要不可欠のものです。ただ、核廃棄物の問題があるので出来るだけ利用をセーブしましょうというだけのこと。
省エネという効果も、全体のエネルギーシステムとしては重要です。
すぐに頭に浮かぶのがLED電球のようなものでしょうが、実際は産業における見込み生産を出来るだけ控えることと、修理などのサービスで製品の耐用年数を長くすることが必要でしょう。
結果的に量産効果によるコストダウンが排除されるはずです。
さて、菅首相・・ここまで十分考慮したうえでOECDで発言したのでしょうか?
0 件のコメント:
コメントを投稿