この2週間ほどでアメリカの対中経済制裁が激しくなっています。
ポンペイオ国務長官は、激しく中共の政策への対抗策を打ち出しております。つまり「香港国家安全法」に対する対抗策です。
7月12日、香港では、国家安全法に対抗して民主派が予備選挙を行いました。61万人がさんかしたそうです。もちろん中共の警察などに逮捕されることを覚悟の上での行動です。
そして7月13日にポンペイオ国務長官は、南シナ海問題の中共の主張は「完全に国際法違反、違法である」と述べました。
ハーグの裁判所(常設仲裁裁判所です)が出した判決を「紙屑」として無視した中共。しかし裁判所には制裁権はありません。それは国連軍の仕事なのです。
国連の常任理事国に中共も入っていますから、国連制裁は難しいでしょうが、アメリカは動くということを暗に示唆したものと思われます。
一般社会でも有罪には制裁があるから裁判が成り立つわけで、制裁が無ければ確かに「紙屑」でしょう。ポンペイオ国務長官はこの判決に制裁を加えると宣言したわけです。
そもそもこの紛争は、フィリピンと中共の領海争いでした。そこにアメリカが関与すると言うことですね。
しかもこの南シナ海はインドネシア、マレーシア、ベトナムの領海でもあり、そのすべての国に対して中共は国際法違反であると述べております。
7月14日になると、今度はトランプ大統領が香港に与えられていたすべての優遇処置を廃止する旨発表しました。
これで香港は世界の経済社会から排除されたわけです。今後は中共の太平洋進出への軍港としての機能しかなくなるでしょう。
そして7月15日、再びポンペイオ国務長官は「中共に領有権侵害をされている世界のすべての国を支援するために、あらゆる手段を使う」と発言しています。
具体的には、インド山岳地帯の印中紛争、ベトナム領海紛争、そして尖閣諸島への侵略まで含むと言うことです。そして「世界はこれ以上中共の侵略を許すべきではない」とはっきりと述べました。
ペンス副大統領は、「中国共産党員のビザ発給を制限する」旨述べております。
そして中共による人権侵害に関わっているハイテク企業の従業員(ファーウェイの従業員など)の入国禁止を今後行うだろうことを示唆しました。
つまりアメリカは中共の領土拡張の出口をすべて封鎖したことになります。中共が先に撃つまでどのような手段で押し込めるのかは判りませんが、あらゆる手を尽くすそうです。
そしてハイテク企業の封じ込めは、人的交流をすべて止めることで実施し、経済制裁は香港の金融市場を潰すことで実施するわけです。
経済と軍事の両面を包囲する形になってきました。拡張主義の出口をh下がれた中共は、軍事的にはアメリカを攻撃するしか方法が無くなってきました。
経済面では、人民元支配の可能な弱小国を束ね、貿易で稼府しかありません。他の国家にとって、結局中共の人民元は「ドル経済圏」の一つの地方通貨に過ぎなかったことになります。
中共は香港国家安全法の中に、「外国人の外国での反中発言なども取り締まる」とする法律を組み込みました。アメリカの中共封じ込め作戦に対する反発を示す法律でしょう。
日本では、このアメリカの動きに呼応するように、「自民党国防議員連盟」の佐藤正久元外務副大臣が「米軍が尖閣に設定している射爆場で、米軍と自衛隊の共同訓練ができないか」という提案をしました。
また同議連の青山繁晴参院議員は、「海洋資源や環境の調査、石垣市が要望している固定資産税の上陸調査を認めるべきだ」と主張しました。
さらに山田宏参院議員は「中共は実効支配に向けた既成事実を積み上げている。日本の施政権を明確に示すべきだ」と述べ、政府に調査実施を義務付ける議員立法を主張し、そして議連による尖閣諸島での遭難死没者慰霊祭の開催も提案しています。
尖閣の現場で守りを行っている海上保安庁は、最近の中共の海警局の動きについて、「公船数が昨年は130隻に急増していて、近年は海軍艦が移管され、海軍将官が局長はじめ海警局主要ポストを占めるようになった。今年6月の中共の法改正では、有事などの際に海軍と一体的に行動する体制が確立されている」と述べました。
それでも我が国の防衛省幹部は「海上自衛隊が尖閣に出動すれば、それを口実に中共の海軍が押し寄せ、実効支配をもくろむ。相手の思うつぼ」という意見を変えていません。
たしかに中共側には「日本を挑発することで最初の一発を日本に撃たせよう」という作戦があることは確かです。
そこで「海洋資源や環境の調査のための魚釣島への上陸」が一番良いように思うのですけど。
そしてこの時の中共の反応を見て、すぐに「射爆場での米軍と自衛隊の共同訓練」というシナリオが最適なように思います。
中共は、アメリカ軍との戦闘は避けたいとの思いがあります。米中戦争は、米中両国が「大義」をどちらが取るかという戦争でもあります。
我が国も慎重に作戦行動を計画せねばなりません。
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