人工知能とか、それを搭載したロボット工場、無人化された自動車での配送システムや無人倉庫。これらが通信技術・IoTで結ばれて行く時代がまもなく到来しそうです。
農業の無人化が進んでいます。無人で種をまき、無人で草刈りや刈り取り作業が行われるようになり、これらの設備を持った農業システムが需要を常に察知しながら生産することも、間もなく可能になりそうですね。野菜工場も実現しつつあります。
穀類や野菜類、これらの生産が無人化する可能性は大きいようです。
肉類も酪農から人工肉なるものになるとの予想があります。遺伝子工学で作られた食肉類も登場するようです。豚や牛を屠殺して肉を得るのではなく、肉の部分だけが増殖生産されていくような研究もされています。人造肉と言うやつですね。
穀類は脱穀や粉砕を経てご飯やパンに熱処理され、野菜は調理されて共にパックに詰められ、人造肉は食品の大きさで成長を止められ、すぐに調理されて、同様にパックに詰められます。
注文の状況に合わせて仕分けされ、無人自動車で販売店まで運ばれて、そしてマーケットの棚に並びます。
そして各個人がどの食料を買うかなどがすべてネットワークで管理されるわけです。
衣料品関係も同様に生産され、マーケットの棚に並びます。人間が消費するために・・・
AIやロボット、自動運転などの進化は、このような社会を目指すのでしょうか?
人件費を抑えるための合理化の行きつく先は、このような生産消費社会に向かっているのかも知れません。AI,ロボット、そしてIoTと言った技術は、今後も進化し続けるでしょう。
しかしそこには、なんとなく「ジョージ・オーエルの世界」に酷似したものを感じませんか?
ジョージ・オーエルは徹底した管理社会を想像した「1984」というSF小説を書き、ユートピアの反対語のディストピアという社会概念を生み出した小説家です。
「ビッグブラザー」という管理者が居るわけですが、それがコンピューターのように思います。
各個人の食生活まで管理される時代など来てほしくないですが、上記のシステムの連携が出来上がればこのような事態になりかねません。1984は表現の不自由でしたが、こちらは生活すべてですからね。
中共の5Gが世界を制すれば、その中央にあるのは中共製のスーパーコンピューターでビッグブラザーが習近平主席の末裔になるような気も致しますね。
共産党支配とかグローバル化した社会は、結局このような究極の管理社会を目指しているように見えます。
生産労働から人間を離していくことを「合理化」と称するのでしょうか。また、需要のある商品づくりを優先させて売れない物を排除することで「生産性」を高めることを目指すという流れもあります。
企業経営にとって、あるいはミクロ経済にとっては正しいでしょうが、その結果「究極の管理社会」が出現する可能性があるのであれば、ちょっと考えなければならないのではないかと思います。
管理社会とは、構造化された社会で権力機構は安定しています。しかし変化には弱いものです。人間は常に誰かが新しいアイディアを出し、誰かがそれを実現します。
管理社会はこの変化を弾圧します。しかし結局その変化が構造を壊していくわけです。歴史とはそんなものです。
芸能界でも人気グループのメンバーが突然グループを脱会したり、グループを解散したりします。人気グループが一つの管理社会です。メンバーは年を取ることで価値観が変わり、そして分解していくものです。
これと同じ理由で権力は必ず崩壊するのですね。それを止めようとすれば争い(内乱)が起きます。それを外に向ければ戦争です。こうならないようにする国家制度が「民主主義」と言う訳です。非合理な民主主義だけが変化を肯定的に制御するのです。
では、究極に合理化された生産設備と、人間の介在が極めて少ない流通網が出来上がり、人々はそこに黙って組み込まれていくでしょうか?
恐らくそうはならないでしょう。人々は今まで以上に自分の好みに合わせた消費生活を送ろうとするでしょうし、そこでは個人の独創性が不可欠になると思うからです。
結局人間はこのようなシステムが出来れば、そこから外れた市場を作ってしまうような気がします。
それを禁止すれば抑圧となり、人間の自由が保障されていれば、人造肉やベルトコンベア生産の野菜などは好まないでしょう。それがいかに合理的であったにしても。
AIやロボットなど、経済社会には居つかないように思います。
それは官僚制度、公務員の世界にならば居つくかも知れませんけど・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿