2018年6月3日日曜日

米朝首脳会談は6月12日

トランプ大統領はホワイトハウスで、金英哲党副委員長と会談したと言うことです。そしてトランプ大統領はその後「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との史上初の米朝首脳会談を当初の予定通り12日にシンガポールで行う」と発表しました。
理由は「北朝鮮に求める『完全かつ検証可能で不可逆的な非核化』が前進すると判断した」からだそうです。

それは金英哲党副委員長が持参した「金正恩氏の親書」をホワイトハウスで検討した結果、そう判断したとのこと。
この新書にたいしてトランプ大統領は「非常に興味深い内容だった」と述べ、米朝関係が順調に推移しているので「最大限の圧力という言葉はもはや使いたくない」などと述べ、米朝交渉が頓挫しない限りは「新たな制裁を科さない」とまで言及しました。

しかし、今回の金英哲党副委員長との協議では「人権問題は話し合われなかった」そうで、それはトランプ大統領が提起せず、朝鮮戦争の終結だけが議題となったとか。
「首脳会談で戦争終結に合意する可能性がある」として、核廃棄と戦争終結を先行させるつもりのようです。

戦争終結後に「人権問題」を取り上げると言う事なのでしょうか。その人権問題の中に拉致問題が含まれるのでしょうが、その議論が6月7日に行われる安倍・トランプ首脳会談の議題なのかも知れませんね。

新書の中身は発表されませんから判りませんが、想像するに「北朝鮮の核実権とミサイル発射は、国際社会に米朝がまだ戦争状態にあることを再認識させるためのもので、アメリカが終戦協議を行うならCVIDを受け入れる」と言うものだったのかも知れません。

トランプ大統領が「戦争終結」という言葉に引っ掛かった可能性もありますが、ともかく「戦勝終結に向けた首脳会談」は行う必要があると判断したのではないでしょうか。
北朝鮮は拉致問題を始め人権問題は「戦争中の犠牲者」として葬り去りたい考えでしょう。ですから議論はそこに向かうと思います。
アメリカにも拉致された犠牲者が居て、殺されたオットー・ワームビア氏とかデービッド・スネドン氏なども居り、安易な妥協はトランプ政権には不利に働きます。

早速北朝鮮は「日本人拉致問題は既に解決した」との従来の主張を繰り返し、さらに「拉致問題を騒ぐ前に、わが国を占領し人民に耐え難い不幸と苦痛を与えた前代未聞の罪悪について謝罪、賠償するのが道理だ」などと主張し始めています。
これを「拉致は日本国内の日本人協力者が居て行われたものだ。その点をもっと考えろ!」といわせるように持って行きたいものですね。

トランプ大統領は「北朝鮮への経済支援は日本が拉致問題解決後に始まる」と伝えているようですから、このような「拉致問題は解決済みで戦後補償(二次大戦)を行え」という主張を繰り返しているようです。無視するしかありませんね。

アメリカ国務省は、2017年版の自由に関する報告書で「北朝鮮で宗教活動に携わった人が処刑や拷問の対象になるなど『苛酷な状態』に置かれ、政治活動や宗教活動で政治犯収容所に拘束されているのは約8万~12万人に上る」と述べておりますし、ポンペオ国務長官は「世界における信教の自由の尊重はトランプ政権の優先課題」としていますから、トランプ大統領はなんとかして米朝会談で人権問題を取り上げたいでしょう。しかし逆に北朝鮮側は「核問題の解決と朝鮮戦争終結」だけで突っ張るでしょう。人権問題はアメリカに一番出させたくない交渉ですから。

アメリカにとって、この人権問題はどうしても取り上げなければなりません。特に信仰の自由や政治的自由は取り上げないわけには行かないでしょう。
この問題は対中共へのメッセージになるからです。アメリカのスタンスを明確に伝えられます。
ですから米朝会談は長引くということではないでしょうか。

北朝鮮国内に入れば、彼の国がどういう現状なのかはすぐに判るでしょう。おそらく、入れたくない(内情を見せたくない)ので自主廃棄などを主張しているのだと思います。
しかしアメリカ側の主張するCVIDは、査察が含まれますから国内に入る必要があるわけです。北朝鮮側が見せようとしない場所こそ調べるべきで、そこが今後のポイントになると思います。
国内に入る目的はCVIDの実施のためです。そして国内に入れば新たな情報がもたらされるはずです。

今度はスパイ作戦ではなく、「表玄関から入れさせろ」ということではないでしょうか。

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