2018年6月28日木曜日

米中の貿易戦争は経済戦争

トランプ大統領が仕掛けた「報復関税」は、EUに対しても掛けられ、そこへの輸出をしていたアメリカの象徴的企業「ハーレーダビットソン」を直撃しているとか。
同社は、鉄鋼・アルミニウムへの関税上乗せによる原材料価格の上昇も影響して、その負担額は年最大1億ドルにもなるそうです。

ハーレー社は、生産の一部の海外移転を表明したそうですが、他にもレジャーボートのメーカーなどにも受注のキャンセルや延期が発生しているとか。おそらく中共の金持ち達(共産党幹部)がキャンセルなどをしているのかも知れません。

トランプ大統領はショックを受けたようで「ハーレーが最初に白旗を上げるとは驚いた。彼ら(アメリカ企業)のために闘ってきたのに!」とツイッターに書き込んだそうです。
しかし調べてみるとハーレー社は昨年から工場の海外移転などを検討しており、今回のトランプ政権の貿易戦争を利用したような節もあるようなので「私は(アメリカの)企業のために懸命に闘った。最終的にはEUへの輸出で関税を払わなくて済むようになる。税金はハーレーの言い訳にすぎない。我慢しろ!」と大統領は怒っているようです。

面白いのは「釘」の大手メーカーまでが60人のレイオフを余儀なくされてしまったそうです。安い中共製の鉄鋼を使っていた業者たちは大変ですね。

一方、豚肉などの畜産業は中共が打ち出した「報復関税」で「年22億ドルの損失が予想される」と算定しているそうです。
また、チーズなどの乳製品の生産者も、カナダが発動する報復関税の影響を受けるようで、商品の値崩れが報告され始めたとか。

大豆やアメリカニンジンなどの対中輸出を主力とする農家も、今後中共が発する報復関税で大きな損失を出すことが懸念されています。

鉄鋼やアルミなどの素材メーカーは、生産設備を維持するために作り続けなければならないという技術的問題があります。
特に鋼炉は、一度火を止めると耐火煉瓦が崩れてしまい、再稼働には莫大なお金がかかります。
中共でも同じはずです。ただ社会体制が共産主義なので、利益に関係なく作り続け、ダンピングして世界中に売りまくったわけですね。

日本では新日鉄と日本鋼管が鉄鋼のリサイクルも手掛けて、国内生産を上手にやっていました。しかしあの不況で、新日鉄等の企業体制も大きく変わりました。
鉄鋼やアルミニュウムは、市場の値動きで流通が変わります。トランプ大統領の「国内生産」主義を掲げる場合でも、そこを良く考えて行わないと失敗します。

農産物の問題は補助金などで補填するしかないでしょう。輸出向けの農産物が国内に回れば消費が増えるかも知れませんね。

日本の鉄鋼は高機能材料に転嫁している部分が多いようで、あまり影響は受けないようですが、まだどうなるか正確には判りません。

今回の貿易戦争は、経済よりも安全保障上の問題が強く、アメリカから中共への高度技術の漏洩が背後にあります。
EUやカナダは巻き込まれただけで、「最終的にEUへの輸出で関税を払わなくて済むようになる。」という大統領の言葉には重みがあります。

結局「敵は中共」であって、トランプ政権はすでに真正面から「戦い」を挑んでおります。
6月26日には、対潜水艦戦闘に使用可能なハイドロフォン(水中聴音機)をアメリカから中共へ違法に輸出したとして、西北工業大学(陝西省西安市)をボストン(マサチューセッツ州)の連邦地裁に起訴したりしております。

また、中共が完全併合を画策する台湾は、アメリカで「台湾旅行法」が出来たおかげかどうか、「トランプ政権高官の訪台頻度は、過去のどの政権よりも多い」(呉?燮外交部長)と言うことです。
蔡英文政権が安全保障面で米国との関係強化に自信を深めていることもあり、習政権が焦って世界中の航空会社に「中国・台湾」の明記をするよう圧力を掛けているようです。

トランプ政権が中共を敵視するようになったのは、昨年1年間で北朝鮮に対して習政権が何もしなかったことが判ってからです。口先では「アメリカとの関係を重視」したり「大国同士の関係」などと言いますが、結局世界に貢献する気などないことがバレてしまったようです。
ですから今年に入ってから、トランプ政権は何かと中共には「戦闘的」対応が目立っております。

そしてこのことは「シンゾーの言った通りだった」わけで、6月までに北朝鮮問題を決着の方向に付けて、今後「台湾」と「ロシア」に様々なアプローチを仕掛けていくはずです。

「安倍政権」に対しては、今年の秋に総裁選挙があり、日本のマスコミが「モリカケ問題」で騒いでいますから、再選されるのかどうか判らず、今後は少し引いていくかも知れませんね。

安倍首相の再選は、日本にとってはまだ必要なものです。安倍外交を引き継げる政治家の方はまだ居ないように思います。独特のものがありますからね。
そして憲法改正は安倍首相がなすべきことだと思います。

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