2016年11月22日火曜日

ナショナリズム化する世界

EUから離脱した英国。そのエリザベス女王が来年の6月か7月にアメリカの」トランプ大統領を英国に公式訪問するよう働きかけているとか。

英国はEUからの離脱のあと、メイ首相が「これから英国はナショナリズムで行く」と宣言した国家です。そしてそれが「アメリカ第一主義」を掲げるトランプ次期アメリカ大統領につながっていくと読んだのでしょうか。

来年4~5月に行われるフランスの大統領選。その最大野党の共和党など中道・右派陣営の統一候補を選ぶ第1回予備選が20日投開票され、フィヨン元首相が得票率44・2%で首位に立ったそうです。
これで27日に国民戦線のルペン党首と決選投票に臨むそうですが、国民戦線も支持を伸ばしていますからどうなるかはまだ判りません。

オランド現大統領の属する左派陣営は来年1月に予備選を行う予定だそうですが、低迷する景気に左派の人気はないようです。
つまりナショナリズムが台頭する可能性は高いようです。

来秋に総選挙が予定されているドイツでは、メルケル首相が4期目を目指すことを表明しましたが、こちらも右派政党「ドイツのための選択肢」(AfD)が勢力を増していますから、ドイツでもナショナリズムが復活しそうですね。

世界各国とも今後ナショナリズムの復活が見られそうです。原因はグローバリズムの失敗にあると思います。
世界経済を国際金融機関が左右し、通貨発行を主権国家に渡さないようにする陰謀は、第二次大戦後の共産主義から始まりました。
「世界共産主義革命」と銘打った陰謀は、国境をなくし世界統一政府を作ることでした。もともと第二次世界大戦はこの野望に反旗を翻し、「栄光のゲルマン」による世界統一を画策したヒットラー潰しから始まったものです。
ルーズベルト大統領が「世界共産主義革命」に共鳴してソビエト連邦と一緒になってナチス潰しに加担し、そのために日本を巻き込んだことは有名な話ですね。

原爆まで使って、やっとの思いで日本を叩き潰した連合国側が、二度と日本を戦争できない国家にするために行ったことが、「東京裁判」と「日本国憲法」であり、そして戦後の平和教育でした。すべてが日本のナショナリズムをつぶすことが目的だったようで、その犠牲者が現在日本で「平和」を叫ぶ暴力集団に成り下がったサヨクの面々であることは、もはや説明する必要もないでしょう。

ナチスドイツを潰し日本を叩いた国際金融資本は、その後共産主義の盟主を巡ってソビエト連邦と対峙し、アメリカをもって自由主義を標榜しながら冷戦構造を作り出していきます。冷戦といっても、朝鮮戦争やらベトナム戦争を画策した国際金融資本は、まずはソビエト連邦を潰します。

危機を感じた中国共産党は、日本を踏み台にして国際資本を欺き、経済を活性化して共産主義を維持します。
国際金融資本は、この中共を利用しながら、欧州でついに「ユーロ通貨」を実現し、国家主権から通貨発行権を奪うことに成功したのです。
そして次に、発展したインターネットを利用したグローバル経済を世界に押し付けてきます。

産業生産を安い人件費のところで作って世界市場で売りさばけば利益が増加するというグローバリズムの考え方は、やがて経済格差を広げて固定化していきます。
さらにグローバル化した世界は有限の世界となって、国際金融資本を追い詰めます。膨れ上がった金融資本に、利息をつけることのできる生産者が居なくなってきたわけですね。

そして経済格差が広がった結果が、ナショナリズムの台頭であることは間違いないでしょう。英国のEU離脱と「トランプ現象」はこうして起こったものだと考えます。
欧州で騒がしくなってきたナショナリズムの動きも、ユーロとして実現した通貨発行権の共通化の失敗が原因ではないでしょうか。

ユーロに対抗し、グローバル化の一環とすべく始まったTPPは、そこに日本とアメリカが加わることで強力なグローバル化が実現する予定でした。
しかしトランプ現象は、そのものが反グローバル化ですから、トランプ次期大統領が「TPP脱退」を叫ぶのは当然でしょう。

現在TPP参加国は、日本、ベトナム、シンガポール、ブルネイ、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、そしてアメリカ合衆国でした。
ここでアメリカ合衆国が脱退し、代わりに中共が入ってきたらどうなるでしょうか。自由貿易ではなくなってしまいますね。つまり意味がなくなるわけです。
中共は金もうけと政治謀略は得意ですが、貿易理念などは持たない世界観です。自由貿易はたちまち利己主義な貿易に変えられてしまうでしょう。

アメリカがTPPから抜ければ、日本がリーダーシップを取れるのではないでしょうか。そしてアメリカが抜けることで国際金融資本をTPPに介在させなくて済むかも知れません。
安倍首相は「アメリカが抜ければTPPは意味がない」と述べましたが・・・

TPPには、金融(保険なども含む)の自由化なども入っていますから国際金融資本がアメリカを経由して入ってくることが考えられます。しかしトランプ政権が脱退を表明すれば、あとはカナダかオーストラリア経由でしか入り込めないのではないでしょうか。

トランプ氏のアメリカは二国間協定で貿易交渉を行うことを表明しています。
ナショナリズムを認めるTPPが実現すると面白いですけどね。

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