2016年11月21日月曜日

安倍・プーチン会談

トランプ大統領にあった後、ペルーでプーチン大統領との会談に挑んだ安倍首相です。
当然プーチン大統領からの最初の質問は「トランプってどんな奴だ?」と言うものだったのではないでしょうか。
1年ほど前に突然現れて、泡沫候補と言われながらあれよあれよという間に競合を追い落とし、民主党だけでなく共和党からも排除すべく圧力を掛けられ、マスコミも一斉にトランプ候補に対する誹謗中傷の嵐のような報道をされて、それでもクリントン候補に大きな差をつけて大統領にのし上がった人物です。

プーチン大統領でなくとも、現在一番知りたがっている情報はそれだと思います。

習近平主席は、どうやらウィンデー・デン女史を使って情報収集を行っているようですね。彼女はトランプ氏の長女であるイバンカ氏の友人であり、イバンカ氏からの情報などを中共に送っているようです。
ウィンデー・デン氏は、アメリカのメディア王・キース・ルパート・マードック氏の元妻であり、人脈が広く、そして最も有名な中共のスパイとも言われている人物です。

しかし、人脈による人物調査は、人間関係によって大きく評価は変わるものです。直接会って、そして話をすること以上に「人となり」を把握するのにはかないません。
安倍首相が「トランプってやつは良いやつだよ」と言えば、プーチン大統領は就任後の米露首脳会談を楽しみにできるわけです。

選挙中、トランプ氏が反ウォール街であることで、プーチン大統領はトランプ氏にエールを送っていましたから、トランプ氏が次期大統領に決まったことで少しは安心していたでしょうから。

安倍・プーチン両氏の会談は今回で15回目だそうです。そして会談時間も1時間を超え、同席者を退席させて通訳だけにした会談はそのうちの35分間もあったそうです。
それでもロシアの壁は厚く、ロシアの政権内部は「(領土返還は)棚上げ」という声もまだ大きいとか。

今回の会談で安倍晋三首相とプーチン大統領の双方が経済協力の進展を歓迎し、取り組みの加速で合意はしましたが、さて、プーチン大統領は国内に根強い「棚上げ」論を抑えて北方領土交渉を大幅に進展させることが出来るのでしょうか。

プーチン大統領は「日露間の経済関係を前進させるため8項目の協力案は良い計画だ」と安倍首相が提示した極東開発など8項目の協力案を高く評価しましたが、北方領土返還については言及しておりません。

日本側には「前のめりになりすぎだ」として、経済分野だけをロシアに“食い逃げ”される懸念もまだぬぐいされないようです。

しかし、それではどうしたらいいのかと考えれば、安倍・プーチンの今しか交渉のチャンスは無いという現実もあるわけです。
それは安倍首相もプーチン大統領も長期政権であり、そして首脳同士の人間関係も出来ているということですね。

さらに両者とも愛国者であり、奇妙な博愛主義者ではないという点です。博愛主義者が奇妙な論理を展開して、「経済こそ人類平等への道」などという目くらましを掛けてグローバル経済を展開して経済格差を作り出してしまったわけですからね。

この論理がロシアのプーチン首相を悪者に仕立て上げ、そして自分たちに従わないトランプ氏を「愚かな道化」に仕立て上げてきたわけです。世界のマスコミもそれに協力してきました。

世界の趨勢もそうでした。第二次世界大戦が終わって「戦勝国側」を正義とし、敗戦国側を「悪」とした体制を作ったのです。その中で悪者にされながらも「経済こそ人類平等への道」を実践した日本があったわけです。
もちろんここで展開された「経済こそ人類平等への道」が嘘であることはもはや誰の目からも明らかになっていますが・・・

ロシアでの北方領土棚上げ論を展開しているのは、「戦勝国ロシア」と「敗戦国日本」というスタンスを維持しようとしているグループでしょう。
そしてそれは中共の「永久に日本には賠償させる」という江沢民などの主張と相通じるものですね。

安倍首相は「瑞穂の国の資本主義」というスローガンをかつて出したことがありました。これが国際金融資本の資本主義と真っ向から対立する概念であることは、その時は誰も気が付いていませんでしたね。
しかし安倍首相はそれを実践してきたのです。そしてプーチン大統領だけはそれを知っているのです。だから安倍・プーチン両氏は話し合いが出来たわけです。おそらくトランプ次期アメリカ大統領もそのうちに判るはずです。

国際金融資本の「経済こそ人類平等への道」という概念と、安倍首相の「瑞穂の国の資本主義」という概念が今後どうなっていくか、それが今、安倍・プーチン両氏の戦略にゆだねられているように思っていますが・・・

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