最近日本の技術の最先端であるべき三菱重工業が、どうもおかしいようです。三菱自動車の低燃費虚偽事件以降、三菱の系列がおかしくなり始めたのかも知れませんね。「スリーダイアモンド」の誇りはどうなってしまったのでしょうか。
三菱重工業はその配下に三菱造船を抱えておりますが、ここが米カーニバル傘下の独アイーダ・クルーズから、総トン数が10万トンを超える大型客船2隻を受注したのは2011年のこと。
2015年3月が納期だったようですが、顧客の要望を満たせず、何度も設計図を書き直させられたうえ、工事のやり直しが頻発。納入は1年後にずれ込み、現在2400億円の損失をだしているようです。
受注額が1000億円ですから、倍以上の赤字となってしまったわけです。
また、昨年の11月初めて日本の空を飛んだ初の国産ジェット旅客機「MRJ」も、アメリカでの型式証明を取るための2500時間の飛行実績を実施していますが、かなり問題が出ているようで、2018年半ばから航空会社へ納入する予定でしたが、それも大幅に遅れるようだとか。そのために相当の赤字が出るのかもしれません。
しかも現在受注している427機の契約はキャンセル可能であり、大幅に納入時期が遅れる場合はせっかく獲得した顧客を失う可能性もあるそうです。
さらに、アメリカの原子力発電所に収めた三菱重工製の蒸気発生器が、耐用年数より早く壊れてしまい原子炉が廃炉になったとして7000億円もの巨額賠償を請求されているそうです。
なぜここまで三菱重工業が劣化してしまったのでしょうか。
豪華客船にしても航空機にしても、さらに原発用の部分にしても、最近の技術にはすべてにわたってコンピューター制御が欠かせません。また、サービスなどにもIT関係は欠かせません。
客船などには各部屋に無線インターネット回線も完備し、そのようなさまざまなIT技術系のノウハウが必要になるわけです。
三菱にはこのノウハウが欠けているということです。
1970年代ごろ、三菱電機はMELCOMというコンピューターを作っておりました。しかし時代的にハードウエアが主流でソフトウエアはその付属物に過ぎない時代でした。
その後、IBMなどがソフトウエアの優位性を打ち出してきたことで次第に撤退していったのです。その原因は、シフトウエアの開発組織がハードウエアの開発組織とは全く異なるものだったからだと思います。
ソフトウエアの開発とは、小説を書くようなものだからです。
富士通という企業がIBMに追従しながら、OSの開発などに積極的にかかわり、当時の通産省などの援助もあって何とかコンピューターの技術を維持していたものの、マイクロチップ化されたパソコンの登場とマイクロソフト社の台頭に押されてソフト市場をほとんどアメリカに奪われてしまいました。
マイクロソフト社に投資し、基本ソフトなどを開発していたのはNECでした。しかしWindowsが出てきてからマイクロソフト社はアメリカでの地位を確保し、現在は世界市場を制覇し、NECは単なるハードウエアメーカーに落ちてしまったわけです。
ソビエト連邦の崩壊から、インターネットが世界中に張り巡らされて、マイクロソフト社もWindowsで追従し、AppleSoftやGoogle、そしてLinuxなどと競争しながらも、アメリカのソフトウエアを盤石にして、日本の技術はソフトウエアに関しては見る影もなく衰退してしまったのです。
その影響が、今回の三菱重工のブザマな姿として表出したようです。
ソフトウエア技術は、ハードウエア技術とは違って、積み重ねの技術です。ですから標準化されたソフトウエアは、その上に次の意技術を作っていくことになりますから、標準化手法が出来ない我が国の技術体系では追従が出来ません。
メーカー間で異なる基礎を作れば、市場を制覇したものがデファクトスタンダードとなり、その上に次の技術が乗っかって進歩するわけです。このような文化背景が戦後日本にはありませんでした。それが敗因だったわけです。
ソフトウエアは設計・開発・メンテナンスという体系ではないのです。それは言語の成長のように進歩していくものなのです。言い換えると遺伝子が環境に合わせて適者生存の様にして成長していく、木が風雪に耐えながら見事な姿となってわれわれに感動を与えるような、そんな技術なのです。
そこをアメリカに取られて、日本は相変わらずの職人技術とハードウエアの開発手法で21世紀まで伸びてきたわけですから、今後未来型技術に後れを取ってしまうことはどうしようもありません。
三菱重工は、今後ソフトウエアの開発体制を、これまでの三菱のやり方とは異なる、ゆるキャラというか「ゆる社員」を使うよしんけんにかんがえnakjereba うな開発体制を取って、オープンで自由で、しかし著作権を重要視する部門を作っていかないと、船舶技術や航空機技術、さらに宇宙開発技術までもが崩壊していくような、そんな感じがいたします。
日本の」国防を技術、面から支えてきた三菱重工業。ソフトウエアで負けてしまえば、それですべてが終わりになってしまうことを、真剣に考えなければ、国家としての日本までもが外敵の餌食になってしまうような、そんな危機感を持つのですが・・・
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