遂に大統領が決まりました。ドナルド・トランプ氏が第45代アメリカ合衆国大統領に選出されたのです。
これはアメリカが金融資本主義を否定したことに他なりません。
何故か日本の株価が1000円近く値下がりしましたね。これは単に「買い」のチャンスと言ったところでしょうか。
対ドル円相場も101円台まで円高ドル安が進んでしまったようです。
このショックは世界中の相場を瞬時は狂わせるでしょうが、それほど大きな問題とはならないでしょう。
面白いのは、カナダの移民局のサーバーがダウンしたことです。移民排斥の暴言を吐いていたトランプ氏が大統領になることで、アメリカに居る移民たちが一斉にカナダへの移住を希望し、その閲覧サイトへのアクセスが集中しパンクしたとか。
もしクリントン候補が勝っていたらこのようなショックは生じなかったでしょう。それだけトランプ氏の暴言が世界中の人々を躍らせていたわけですね。
アメリカのマスコミが伝えていた「クリントン氏優勢」とは、何を調べて行っていたのでしょうか。
ハドソン研究所で主席研究員をやっている「日高義樹氏」は、「トランプが日米関係を壊す」という著書を書いています。彼はアメリカのエスタブリッシュメントの要求で書いたのかも知れませんね。
この本は、トランプ候補が述べたいわゆる暴言なるものを挙げていてます。
「オバマ大統領は、子供の時に親に連れられて入国し、成人になった一千万人近い不法滞在者をすべて、アメリカ国民として受け入れようとしている。そのためには大統領特別権限を発動することも辞さない構えでいる。」として、「(私は)不法移民は一人残らず追放するべきである!」と述べていると、この本に記述されています。
しかしこれは当たり前の話で、法律違反者は違反者なのです。(蓮舫代表にも言えることですね)
さらにこの本には、トランプ候補が、「中東のテロリストをやっつけるために、戦闘行動をするのは間違っていない。だがいつまでもアメリカ軍を駐留させ、イラクやアフガニスタンの国作りに手を貸すのは間違っている。よその国ではなく、自分の国を作るために金と労力を注ぎ込むべきだ」とも言っているそうです。
考えてみれば当たり前で、いつまでも駐留していることを非難していますが、戦闘行為をしたことは批判していません。
これは日本に駐留しているアメリカ軍のことも含まれます。「守ってほしければ金を出せ」ということに対しては、日本はかなりの駐留経費は出していると言えるでしょう。すべて出しても大したことは無いはずです。
しかし、70年以上も駐留しているのは何故か、是非トランプ新大統領に説明したいものですね・・・そうなってしまったのにはアメリカにも責任があると。
暴言と言えば、「イスラム過激派のテロリストを拷問して何が悪い。拷問では自白させられないというが、心理的な負担を与えられる。水責めの拷問をこわがって、テロ行為をやらなくなるかもしれない」などとも言っています。もちろんこれは後になって取り消しているそうですが。
さらにトランプ候補は、「中共からの輸入品に対して四十八パーセントの関税をかけるべきだ」と主張しています。「中共はアメリカ経済を奪い、ウオール街を混乱に陥れている」と述べ、「ウオール街の市場が大混乱しているのは、中共がアメリカ経済を乗っ取ったせいだと、私はこれまで何度も指摘してきた。中共経済に乗っ取られた結果、アメリカ経済は弱くなり、経済の行き先を自らの力で決められなくなっている。中共が安いものを売り続けるならば、特別関税をかけて中共の安売りをくい止めなければならない。」
「中共は安いものをアメリカに売るだけでなく、通貨を政治的に操作している。中共はネットワークを利用し、不正な操作を行って通貨の交換レートを自分たちの都合の良いように動かしている。中共のこうした不法行為も止めさせなければならない」と、中共に対しても怒り心頭なのです。
しかしこれもむしろ当然の怒りであって、日本国民も持っている中共に対する怒りではないでしょうか。
そしてTPPについては、「TPP協定を結べば結局、アメリカ人の仕事が外国にとられてしまうことになり、労働者の生活が苦しくなる。おまけにTPP協定のもとに自由貿易を行うアジアの国々は、中共から原材料を安く買い入れるから、中共に利益を与えてしまうことになる」として反対しております。
TPPの詳細は非公開ですから判りません。しかしトランプ候補が述べることも外れてはいないようですね。
民進党の榛葉賀津也参院国対委員長は、「トランプ氏はTPPに絶対反対といっていた。国会でTPPをやっている場合ではない。やっても、何の国益にもならない」とか、「これだけ株が下がってアベノミクスどころではない。可及的速やかに予算委員会を開き、経済問題や日米外交を議論すべきだ」と述べました。
また、「安倍首相は片方のクリントン氏と会談し、トランプ氏をスルーした。これは大きな失態だ」などとも述べておりますが、クリントン氏にプーチン大統領に合うことを承知させただけで、トランプしは「当然だ」と言うだけでしょうから、スルーしたのではないでしょうか。
ともかくこのアメリカ大統領選挙で、ほぼ「ウォール街」の力とマスメディア、そしてエスタブリッシュメントの力が無くなってきたことが確認されました。
ウォール街と一人戦うロシアのプーチン大統領にとっては、良き戦友が出来たわけです。
トランプ氏は、ネットの投稿などから反ウォール街の立場を取って来たのではないでしょうか。
ウォール街主導のグローバル経済は、少なくともアメリカでは勤勉な労働者達によって否定されたわけです。
グローバル経済が未来と信じ、TPPに先立ってFTAに走った韓国ですが、いまや経済も政治もボロボロになってしまいました。
EUも、英国が抜けてその実体が今後どうなっていくか不透明な状態です。
トランプ新大統領は、果たしてどのような「アメリカの運営」を図るのでしょうか・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿