ポバティ-・インクというマイケル・ムアー監督の映画が8月6日から上映されます。まだ見てはおりませんが、渋谷アップリンクという所で上映されるそうです。
どんな映画かと言いますと、貧困援助のための寄付活動の正体を暴いた映画と言うことです。何にでも噛みつくマイケル・ムアー監督が、遂にキリスト教の核心に噛みついたようです。
https://www.youtube.com/watch?v=cBAeGZcqrso
貧困の支援や災害地への支援で、大量の寄付が集まります。お金もさることながら、米などの食料や生活物資が送られます。
災害後の復旧が軌道に乗るまでは必要な援助です。途上国も自立出来るまでは必要な支援でしょう。しかしこの寄付が地元の「やくざ的商人」によって奪われ、闇市場で販売されたりしているのも事実です。
そして最も悪いのは、このような寄付を集めて配ることを既得権の仕事としている集団があることです。
この映画の中で、ムアー監督は「貧困国は怒っている」としています。誰だって一生援助を受けて生活したいなんて思ってもいないと言う訳です。
つまり支援とは、自立できるようになるまでであって、その自立を助けることこそ重要だと言うのがこの映画の主旨のようです。
当たり前ですね。
では日本のODAはどうでしょうか。ODAは寄付ではありません。中には無償援助もありますが、それは強烈な災害などで返済計画が立たない場合だけです。主な活動は低金利融資です。
そしてこのお金には技術支援がついてくることが普通です。
日本企業からの技術支援と、部品などの供給で、渡したお金はまた日本に戻ってくる仕組みですが、それでもその地域が自立できる土壌は育っていきます。
中共などは日本のODAを止めるななどと恫喝してきていますが、これはそれを戦後賠償と見ているからで、「永久に続けさせろ」というのが江沢民氏の対日感情です。
ODAの原型を辿って行くと、2676年前の神武天皇の即位時の勅諭に行きつきます。それを明治になって田中智學と言う人が「八紘一宇」という熟語にしました。
そしてこの八紘一宇を外国人に説明する時、「Universal brotherhoot」と訳したのです。それ以降日本国民はこれを「世界中の人々が同じ屋根の下で兄弟のように平和に暮らすこと」と逆に翻訳して理解しています。
しかし日本書紀などに残された神武天皇の勅諭は、「すべての人々が屋根のある家に住めるようにする」という事の様です。この時代、まだ横穴式住居(洞穴のこと)や草で作った小屋のような家に住んでいる庶民が多かったからでしょう。
この時代、もちろん経済社会ではありませんから、「屋根のある家の作り方を普及させる」という意味になり、それは「技術拡散を行え」と言うことになりますから、自立を目指す途上国にはピッタリの援助のやり方です。神武天皇の勅諭がODAに生きているのでしょう。
田中智學氏はこれを「道義的に天下を一つの家のようにする」という意味だと言っているようですね。
キリスト教的寄付の問題点が、ユダヤ金融の力が弱ってきた今、アメリカからマイケル・ムアー氏を通して発信され始めました。
このこと自体は良いことですが、それが日本の「道義」という意味であることを日本側も発信しないと、また欧米系に取られてしまいそうですね。
「道義」とは「正義」の実戦的解釈であり、机上でどんなに正義を論じても不正義に負けてしまえば意味がないというところから出てきた考えです。日本の哲学はこうして武道、そして兵法と結びつきます。
ですから「道義国家・日本(稲田朋美氏の述べた言葉)」は軍事的にも強くなければならないわけで、そこに現行憲法の日本になじまないポイントが見えてくるわけです。
アメリカの軍人が「日本の自衛隊は強い」とよく言いますが、それは自衛隊が「道義に支えられた実力集団」だからだと思います。災害支援などに見る徹底した活動は、道義心から発露するものだから出来るのでしょう。強力な武器があっても、それだけで強いとは言えませんからね。
自衛隊を「修行の場」と考えている隊員も多いのではないでしょうか。
私の手元に「国連WFP」のパンフレットがあります。三井住友銀行から送られてきたものです。中は「国連WFPの食糧支援活動にご協力ください」と言うもので、「48時間以内に『確かに届ける』」などと書いてあり、2014年度の実績も掲載されていました。
ボランティアと言うよりもビジネスライクになっています。三井住友銀行から何でこのようなものが送られてくるのでしょうか。
日本赤十字病院の領収書の裏には、同じような途上国支援の広告が出ています。ここまで来ると寄付ビジネスの傲慢さを感じますね。形骸化したキリスト教の寄付集めです。
これらの寄付は「正義」かも知れませんが、ODAは「道義」です。ですから自立支援なのです。ですから厳しいのです。ADBとAIIBの根本的な違いです。(中共には理解出来ないでしょうね)
マイケル・ムアー監督のポバティ-・インク・・・少しキリスト教も「日本文明」に近づいて来たようですね。
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