ギリシャのおかしな投票が終わり、「オヒ(ノー)」が勝ったと叫んでいます。EUが求める厳しい緊縮策を受け入れるかどうかを問う投票結果です。
ようするに、放蕩息子の使い過ぎで破綻した家族が、高利貸から督促を受けて、家族で相談した結果「返さない」ことに決まったというわけです。
こんな理屈が通るなら、借金なんかどうでもいいわけで、いくらでも借金ができることになってしまいます。
もちろん、これでギリシャの借金がなくなるわけではありません。このような事が起きるであろうことは、EUにギリシャが加盟した時から判っていたことで、今後はスペインやポルトガルなども破綻に直面するのではないでしょうか。
ギリシャにしろ、スペインやポルトガルにしろ、産業革命から取り残された国家で、農業を中心にやってきた国家です。
そこにドイツを中心にした近代産業国のグループに入れられて、その通貨であるユーロで工業製品を爆買いしたのでしょうね。や、させられたのかも知れません。
もともとユーロの発想は貿易の障害となる経済の国境を取り払ったものです。同じ通貨で関税もなくしたわけですが、貧富差を解消することは出来ません。
農業国と産業国では生産の手段が異なっていますし、産業は量産でコストを下げようとしますから常に瀬さん過剰な状態になります。
この過剰生産をEUという共同体の中で売り捌こうとするわけですから、農業国にとっては不利なわけです。
さりとて、新しい車は欲しいし液晶テレビも欲しいわけですから、結果としてこのギリシャのようになるわけですね。
この投票で、財政再建策が拒否されたわけですから、今後も通貨を発行して財政赤字を膨らませるわけです。
ユーロは発行出来ませんから、元の通貨であるドラクマを発行します。そして給与も年金もドラクマで支払うことになります。
最初は1ユーロは1ドラクマにするそうですが、すぐにドラクマは1ユーロ:0.xxxドラクマに下がってしまうでしょう。こうしてギリシャ国民は放蕩の付けを払わされることになります。
輸入物資が高くなって、とても買えなくなるでしょう。そうすると、ドイツなどの先進産業国で作った製品も売れなくなってしまいますけど。
安くなったドラクマを狙っているのがロシアと中共のようです。しかしギリシャ国民もしたたかですから、今後どのようになって行くかは判りませんね。
貿易に関して言えば、例えば「ギリシャのワイン」が安くなるわけです。すると各国はギリシャからワインを輸入するようになるでしょう。
ギリシャのワインが他国のものと比べて格段においしければ、飛ぶように売れるでしょう。その分他国のワインが売れなくなりますけど。
ワインは工業生産物ではありませんから、生産量を急激に増やすことは出来ません。そうすると市場では価格が上昇していきます。
ギリシャ国民が奴隷のようにワイナリーで働かされても、なかなか生産量は上がらないでしょう。価格が上がれば貿易商社が儲かり、やがてギリシャ経済にも良い得教が出て来ることでしょう。まあ現実には商社機能が儲けてなかなか生産者には利益は回りませんけどね。
ギリシャのワインだけで経済が好転するとは思えませんが、他国にとって、ギリシャの安くなった人件費はある意味で魅力です。
質の良し悪しはありますが、ある意味でギリシャ国民は今後「奴隷のように働かされる」かもしれませんね。
まあ工場労働も考えようによっては楽しい職場なんですけどね。
こうして考えてみれば、緊縮財政などまったく意味がないことが判ります。日本に置き換えれば、ほとんどの製品は日本国内で賄えますし、国民は労働が好きですから緊縮財政などすべきではないことになります。
お金は、しょせん紙切れに過ぎません。電子マネーは帳簿上の数字に過ぎません。国家の借金などギリシャ国民にとってはどうでもいいことなのです。
輸出できる製品を、楽しく作れば良いだけですからね。
しかし・・・中共の破綻はこんなものじゃないですよ。なにしろ「民主主義」ではありませんからね。
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