このところ20代女性の間で激売れしているのが、「パックT」と呼ばれる1枚540円のユニクロのメンズTシャツだそうです。
着飾ることに疲れた人々が定番服の心地よさに目覚める現象が起きているとか。これはニューヨーク発のファッション潮流「ノームコア」が日本にも上陸をし始めた・・ということだそうです。
ノームコアとは、「ノーマル」と「ハードコア(筋金入り)」が合成してできた言葉で、日本語に無理やり訳すと「究極の普通」と言うことになるのだそうです。
故)スティーブ・ジョブズ氏がGパンに黒の日本製ハイネックシャツを着て製品発表会などを行っていましたが、ここから服選びにわずらわされない合理的な生き方が認識され始めたと言うことです。
売れている「パックT」は、二十数色あるシリーズですが白、紺、グレー、黒の地味色に人気が集まり、女性の需要でSサイズの品切れが続出中だそうです。「購入の1割は女性。ゆったりとしたラインで腕が細く見えると好評で、このようなメンズの定番を女性が着るという現象は昨秋のケーブルニット(ケーブル編みのニットウエア)から始まっています」とはユニクロ銀座店の方の話です。
このブームは、どこかのデザイナーや服飾メーカーが作った物ではなく、女性消費者から自発的に起きたものです。
ある意味で消費者が自ら考え出したファッションで、それを販売側が取り込もうとしているようにも見えます。
企業が提供するファッションではなく、消費者が生み出すファッションということですが、このようなベクトル反転が起きていることが重要なように思います。
そしてそれを引き起こしているのが、スティーブ・ジョブズ氏などが開発していた情報機器であることは間違いないでしょう。
販売されている物をそのまま使うのではなく、自分の感性に合わせて使っていく動向です。販売されている物は材料に過ぎないという発想で、その使い方がインターネットで多くの共感を呼び、このような現象が起きているのではないでしょうか。
同時にこれまでの商品指向が変わってきたようにも思えます。
外見よりも内面の重視指向が始まっているようです。ですから派手な色よりも地味な色が好まれているように感じるのです。
さて、このノームコアはニューヨークから始まったとされております。もしかしたら着飾ることに掛けるお金が無くなってきたからかもしれません。リーマンショックの後、あぶく銭が消えて「質素倹約」を余儀なくされてしまったニューヨークっ子が、その中から生み出してきた洗練されたファッションとも取れます。
これと同様のことが、日本では江戸時代に起きております。
ちょうど江戸時代の中ごろ、家康の血脈が途絶え、紀州徳川家からやってきた吉宗将軍は財政再建のために緊縮財政を行います。
軍事独裁の徳川政権ですから国民の生活にもいろいろ口出しをします。そこで行われたのが「贅沢禁止令」で、ともかく色のついた着物はご法度というお達しです。
贅沢が染みついた江戸庶民は、これに対抗します。つまり、単色の着物をいかにかっこよく着こなすかを考えるわけで、染色職人などは許可された藍色一色でグラデーションを使った見事なデザインを仕上げていきます。
江戸の粋(いき)が生まれたのは、このような緊縮財政と「贅沢禁止令」のおかげかも知れません。
上意下達の社会にあって、この庶民の抵抗のやり方には江戸軍事政権もどうにもならなかったそうです。あまりの粋なデザインに、ついに役人たちもそれを求め始めたそうで・・・結局「徳川政権」の緊縮財政とは裏腹に、江戸経済は発展していきます。
ニューヨークで始まった新しいファッション潮流「ノームコア」が、今後「粋」という概念を捉えるかどうか、そしてそのライフスタイルが、仕事のやり方から各自の時間の使い方まで、「粋」であろうとする流れを作り出すことが出来るかどうか、そこにアメリカの未来が掛かっているような、そんな気がしています。
天下を取った徳川政権は莫大な資産を手に入れて日本国家に君臨します。しかしそれから約120年でほとんど資産は失われます。
期待された吉宗将軍の緊縮財政による財政再建もそれほど上手くは行きませんでした。しかし、このような国民の「粋」な活動が、その後100年以上江戸時代を支えます。
国民は知っていたのです。再び戦乱に巻き込まれるよりも、今の徳川政権を支えて平和をキープした方が得だと言うことを・・・
「粋」とは、ある意味では「欠乏に耐え、発想を変え、自信と誇りを取り戻す」というムーブメントではないでしょうか。
これは恐らく「ノームコア」に通じるところがあるはずです。
スティーブ・ジョブズ氏の生き方は、どこか江戸時代の職人に似たところがあるような、そんな気がするのですけど・・・
ノームコアとは、「ノーマル」と「ハードコア(筋金入り)」が合成してできた言葉で、日本語に無理やり訳すと「究極の普通」と言うことになるのだそうです。
故)スティーブ・ジョブズ氏がGパンに黒の日本製ハイネックシャツを着て製品発表会などを行っていましたが、ここから服選びにわずらわされない合理的な生き方が認識され始めたと言うことです。
売れている「パックT」は、二十数色あるシリーズですが白、紺、グレー、黒の地味色に人気が集まり、女性の需要でSサイズの品切れが続出中だそうです。「購入の1割は女性。ゆったりとしたラインで腕が細く見えると好評で、このようなメンズの定番を女性が着るという現象は昨秋のケーブルニット(ケーブル編みのニットウエア)から始まっています」とはユニクロ銀座店の方の話です。
このブームは、どこかのデザイナーや服飾メーカーが作った物ではなく、女性消費者から自発的に起きたものです。
ある意味で消費者が自ら考え出したファッションで、それを販売側が取り込もうとしているようにも見えます。
企業が提供するファッションではなく、消費者が生み出すファッションということですが、このようなベクトル反転が起きていることが重要なように思います。
そしてそれを引き起こしているのが、スティーブ・ジョブズ氏などが開発していた情報機器であることは間違いないでしょう。
販売されている物をそのまま使うのではなく、自分の感性に合わせて使っていく動向です。販売されている物は材料に過ぎないという発想で、その使い方がインターネットで多くの共感を呼び、このような現象が起きているのではないでしょうか。
同時にこれまでの商品指向が変わってきたようにも思えます。
外見よりも内面の重視指向が始まっているようです。ですから派手な色よりも地味な色が好まれているように感じるのです。
さて、このノームコアはニューヨークから始まったとされております。もしかしたら着飾ることに掛けるお金が無くなってきたからかもしれません。リーマンショックの後、あぶく銭が消えて「質素倹約」を余儀なくされてしまったニューヨークっ子が、その中から生み出してきた洗練されたファッションとも取れます。
これと同様のことが、日本では江戸時代に起きております。
ちょうど江戸時代の中ごろ、家康の血脈が途絶え、紀州徳川家からやってきた吉宗将軍は財政再建のために緊縮財政を行います。
軍事独裁の徳川政権ですから国民の生活にもいろいろ口出しをします。そこで行われたのが「贅沢禁止令」で、ともかく色のついた着物はご法度というお達しです。
贅沢が染みついた江戸庶民は、これに対抗します。つまり、単色の着物をいかにかっこよく着こなすかを考えるわけで、染色職人などは許可された藍色一色でグラデーションを使った見事なデザインを仕上げていきます。
江戸の粋(いき)が生まれたのは、このような緊縮財政と「贅沢禁止令」のおかげかも知れません。
上意下達の社会にあって、この庶民の抵抗のやり方には江戸軍事政権もどうにもならなかったそうです。あまりの粋なデザインに、ついに役人たちもそれを求め始めたそうで・・・結局「徳川政権」の緊縮財政とは裏腹に、江戸経済は発展していきます。
ニューヨークで始まった新しいファッション潮流「ノームコア」が、今後「粋」という概念を捉えるかどうか、そしてそのライフスタイルが、仕事のやり方から各自の時間の使い方まで、「粋」であろうとする流れを作り出すことが出来るかどうか、そこにアメリカの未来が掛かっているような、そんな気がしています。
天下を取った徳川政権は莫大な資産を手に入れて日本国家に君臨します。しかしそれから約120年でほとんど資産は失われます。
期待された吉宗将軍の緊縮財政による財政再建もそれほど上手くは行きませんでした。しかし、このような国民の「粋」な活動が、その後100年以上江戸時代を支えます。
国民は知っていたのです。再び戦乱に巻き込まれるよりも、今の徳川政権を支えて平和をキープした方が得だと言うことを・・・
「粋」とは、ある意味では「欠乏に耐え、発想を変え、自信と誇りを取り戻す」というムーブメントではないでしょうか。
これは恐らく「ノームコア」に通じるところがあるはずです。
スティーブ・ジョブズ氏の生き方は、どこか江戸時代の職人に似たところがあるような、そんな気がするのですけど・・・
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