2015年7月24日金曜日

一年ぶりの来日、李登輝元総統

昨年の9月に来日した時、政治的発言は行わないとしておりましたか、今回は来日早々衆議院議員会館で議員ら約300人を集めて後援会を行いました。

来年の1月に迫った総統選挙に向けて、民主進歩党から立候補している蔡英文氏の応援の意味もあったのかも知れませんね。
今回は家族連れで来日されたようですが、これは大陸の反発をカモフラージュするためなのでしょうか。

また、李登輝氏は台湾にあった中華民国憲法をいかにして改正していったかについて語りました。憲法解釈変更を行っている安倍政権に対するエールでもあり、またご注意でもあったようです。

台湾は、1972年にニクソン大統領が北京に毛主席を訪ねてからおかしくなり始めます。このショックでしょうか、1975年に蒋介石総統が亡くなりました。
カーター大統領になった1979年、アメリカは中共と国交を結びます。そして台湾は中共の一部と言う意見を尊重する形で国交を絶ちました。しかしアメリカは「古い友人を見捨てるようなことはしない」と語り、「台湾関係法」を作り、台湾に対し経済力を付けるような働きかけを行います。

つまりアメリカは台湾の経済を発展させることで、中国共産党の解体を目論んだのでしょう。そして中共は日本を利用して経済発展を行い、太平洋に乗り出すことを目論んだようです。

この米中の思惑は現在も変わっていないはずです。
アメリカは衰えたとはいえ、未だに経済的には世界一です。二位に中共が上がっていますが、その中共の経済基盤は弱く、基礎技術が育っておりません。基礎技術など朝貢国の仕事と思っているようで、ほとんどが日本や台湾に依存しています。
このことに警鐘を鳴らす華人も居るようですが、聞く耳を持たないのが共産党です。また、華人の価値観も基礎技術などをやるようなものではありません。
そこをアメリカは読んでいますし、だからこそ日米同盟を維持せざるを得ない事情があるわけです。

日本を挟んだ米中が、今後対決姿勢を強めていくことは想像に難くありません。ですから中共が太平洋進出を具体化し始めたことで次第にアメリカの態度が変わって来たわけです。
アメリカ国民はまだロシアや北朝鮮の原爆の方が脅威としているようですが、アメリカ軍は確実に「中共の脅威」を優先的に考えるようになったようです。
オバマ大統領の任期はあと1年半、次の大統領はいやでも太平洋覇権を死守することが命題になるでしょう。

我が国は敗戦後に押し付けられた日本国憲法で武装放棄をさせられたままですから、どうにもなりません。いくらアメリカが再軍備を要求しても、武装放棄が解除できないような仕掛け(第96条)がしてあってそう簡単には行きません。

アメリカの戦後処理の結果で、日本にはイデオロギー的に社会主義を標榜する、いわゆる「サヨク」がいるからです。マスコミに巣食ったサヨクが国民を扇動し、そこに中共のお金が回っているようです。(そう思う理由は、「中共の侵略の恐怖」をマスコミが書かないことです)
そのため、現在の安保法制は解釈変更なのですが、それでもこれだけ反対が盛り上がってしまいました。

この様な背景を意識したのかどうか、李登輝元総統の憲法改正の話が面白かったですね。
「台湾の国民党政権内部には保守と革新の対立、閉鎖と開放の対立、国家的には台湾と中華人民共和国における政治実態の矛盾があった。」と言うことです。「民主化を求める国民の声は日増しに大きくなっていた。これらの問題が抱える範囲は非常に広範だったが、その根本的な問題には台湾の現状に即していない中華民国憲法があった」と言うわけですが、日本が負けて、侵略者が勝手に作った憲法と言う点では日本と同じです。

国民党に入って1988年に総統になった李登輝氏は、まずはこの憲法改正に手を染めます。「国民党が国会で絶対多数の議席を有していたが、保守勢力は時代遅れの憲法への執着を隠さず、その地位を放棄することにも大反対だった。」と言うことです。自民党内部に居る敗戦利得者も憲法改正には反対のようです。さて、李登輝さんはどうしたのでしょうか。

「終始国民からの支持を受けながら、経済成長の維持、社会の安定心がけた」と言うことです。台湾の製品が世界に認められ、我が国もそれを応援していました。パソコンの普及が始まった頃で、基礎技術もどんどん上がっていた頃です。
「常に人々が夜安心して眠れる社会にしたいと夢中で務めた12年間だった。そしてついに一滴も血を流すことなく、6度にわたる憲法改正によって静かなる革命を成就させた。まがりなりにも台湾に民主社会を打ち立てることができたのは私の生涯の誇りとするところだ」と誇らしく述べた李登輝氏でした。

やはり憲法改正に1度ですべてを望むのは無理だと言うことです。12年かかったわけですから、安倍首相もあと10年は首相の座に居ないと、「戦後レジームからの脱却=憲法改正」は無理かもしれません。

それにしてもマスコミや民主党、社民党の嘘に踊らされる日本国民は、安倍政権を維持するでしょうか。李登輝氏の言うように、すべては国民の支持があるかどうかだけなのですけど・・・・

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