産経の記事に、「定年後の『団塊』がつくる新たな『文化』と『市場』」と言うのがありました。博報堂新しい大人文化研究所の阪本節郎所長のお話です。
まずシニアの定義ですが、「50代以上」というのが坂本氏の定義だそうです。そしてこの世代は、団塊世代だけで700万人、その前後も入れると1000万人いるといわれているとか。そこで、ここが大きな市場になってくるのは間違いないというわけです。
「シニア世代は人数が多いだけに当たればメガヒットになる。日本は高度成長以来、若者文化の社会だった。しかし、平成12年から急速に高齢化が進んだ。シニアビジネスという言葉をよく聞くが、シニアというニッチな市場が出てきたのではない。市場の構造変化が起こっている」と坂本所長は話します。
「シニアには時間もお金もあるからだ。日本の個人資産1400兆円の相当部分は50代以上の生活者が持っている。しかも、子供にお金は残さず、自分たちで使いたいと考える人が多い。今のシニアは、退職後に会社をリタイアしても、社会をリタイアするわけではない。今まではシニアというと『人生下り坂』という感覚で語られることが多く、社会でも家庭でも脇役として存在していた。しかし、今は違う。メディア生活者として、日々新聞やテレビに接し、社会に目が向いている。特に団塊世代からは今までとは大きく変わってきていることが調査でわかってきた」と坂本所長は述べていますが、もしそうなら、デフレの原因はシニア世代にある・・とも言えるのでしょうか?
このシニア世代の核となっているのが団塊世代。かつて若者文化を牽引してきた世代(昭和22~24年生まれ)で、男性なら長髪にジーンズ、女性ならミニスカートというファッションを広げました。
『平凡パンチ』や『週刊プレイボーイ』など、それまでと違った若者雑誌が創刊され、音楽では、それまで歌謡曲や演歌が主流だった芸能界に、ビートルズなどを模倣したロックやフォークを持ち込み、また、お見合い婚が主流だった日本社会を、団塊の世代からは恋愛結婚を主流にしてしまい、親子であれ、夫婦であれ、友達のように接する『友達家族』を作ったのも、この団塊世代でした。
さて、この坂本氏が述べる団塊の世代の創造性は、日本の敗戦によって流れ込んだアメリカ文化の「ものまね」とも言えるのではないでしょうか。
大東亜戦争が終結したのが昭和20年8月ですから、その2年後以降に生まれたのが団塊世代です。
GHQが、日本国民を洗脳し始め、教育界や役人、特に司法界などにサヨクを送り込んだのもこのころでした。
それからアメリカ制ホームドラマや西部劇が、普及したテレビの番組として登場し、この団塊世代を洗脳し始めます。このようにしてアメリカ文化が流れ込み、その結果として上記のような若者文化が生まれたとも言えるのではないでしょうか。
それでも日本文化の強さが発揮されて、日本に流れ込んだアメリカ文化をアレンジし始めます。団塊世代に続く若者文化は少し変化してきます。(「宇宙戦艦ヤマト」とか「機動戦士・ガンダム」世代であり、サヨク・アメリカを受け入れ日本的にアレンジされた宮崎アニメ世代ですね)
もともと、日本文化とアメリカ文化は相溶性が良かったのです。神道とキリスト教の相溶性が良く、それが日本ではキリスト教が普及しない理由なのだろうと思います。
年金にしろ預金を再建に換えた配当にしろ、余裕のある団塊世代は、同窓会などを通じて昔の仲間に連絡し、仲間などを作って若き日の夢の続きを見ているのかも知れませんね。これは巨大な市場になる可能性もあるでしょう。
坂本所長が対象としている団塊世代は、大手企業などを勤め上げて余裕あるシニア時代を生きるグループだけに焦点を当てているように思いますが、年金などにも余裕のない団塊世代も居るわけです。
こちらの方にも目を向けなくていいのでしょうか。
平成12年から急速に高齢化が進み、シニアビジネスという言葉が生まれました。これはシニアが大きな市場を持っているということで、そこに売り込む商品やサービスのビジネスのことですが、この市場を一番よく理解しているのはシニア世代です。
ですからこの市場を細分化して、シニア世代が生産人口になるような企画こそが適切なように思います。
人口減少社会で、移民受け入れなどと言う愚かな考えを持つより、このシニア世代の労働人口再組込みによって、GDPを引き上げていくことが必要ではないでしょうか。
坂本氏は「市場の構造が変わってきている」と述べておられますが、変わってきているのは消費構造であって、同時に生産構造でもあると思うのです。
団塊世代は、もうほとんどの物は持っていますし、ブランド品に趣味のある人を除けば、そのような物にも興味は示さないでしょう。
ちょっと今までとは異なる生産と消費の連鎖が生じると面白いでしょうね。
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