2015年1月11日日曜日

新年に当たり「陛下のお言葉」

宮内庁のホームページに、「天皇陛下のご感想(新年に当たり)」として、つぎのようなお言葉が掲載されておりました。

「昨年は大雪や大雨、さらに御嶽山の噴火による災害で多くの人命が失われ、家族や住む家をなくした人々の気持ちを察しています。

また、東日本大震災からは4度目の冬になり、放射能汚染により、かつて住んだ土地に戻れずにいる人々や仮設住宅で厳しい冬を過ごす人々もいまだ多いことも案じられます。昨今の状況を思う時、それぞれの地域で人々が防災に感心を寄せ、地域を守っていくことが、いかに重要かということを感じています。

本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々、広島、長崎の原爆、東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています。
この1年が、我が国の人々、そして世界の人々にとり、幸せな年となることを心より祈ります。」
http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/gokanso/shinnen-h27.html

いつもの「新年のお言葉」かと思い読み進めましたが、「終戦から70年目という節目の年」というところから、「満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び・・」と言う部分が、平成の天皇陛下の持たれている思いを強く表明しているように思われてなりません。

江戸時代、天皇陛下は京都に居られてまったく世間からは隔離された存在でした。徳川家の中で水戸徳川家だけが、日本の真の主体は天皇陛下であって幕府・将軍ではないことを著していましたが、世間は日本のトップは徳川将軍であることを疑いもしませんでした。

アメリカ合衆国が突き付けた大砲を前にして、初めて日本の中央集権化と近代化と富国強兵の必要性を感じた日本のエスタブリッシュメントは、明治維新と称して京都にいらした天皇陛下を江戸に呼び、瞬く間に中央集権を確立、近代化(産業化)と富国強兵の道を走り始めます。

明治天皇、大正天皇、昭和天皇と時代を引き継ぎながら、大日本帝国として欧米の牛耳る世界と対峙してきた日本。
そしてわずか60余年で世界と対等に渡り合う帝国となった日本は、アジアの隣国の近代化も図ります。大日本帝国のアジア解放戦略は、まずアジア諸国を近代化し、その技量と自信をつけること(産業化)で欧米列強をアジアから追っ払うことでした。それは単に追い払うことではなく、アジア人も欧米人も、ともに平等に扱わせることが目的だったのです。

しかし欧米の覇権はそう簡単に覆すことは出来ません。世界に渦巻く謀略のゲームの中で、満州事変が勃発し、それを境に満州国建設が始まります。それを認めない欧米列強との軋轢が国際連盟脱退となって、ソビエト共産主義を危険視するナチスドイツ、イタリアとの防共協定が結ばれますが、ナチスの膨張政策が欧州を戦渦に巻き込み、ルーズベルト大統領は反ナチスとしての参戦のために日本を嵌めて巻き込むわけです。(ABCD包囲網)

日本とアメリカの戦いは凄惨を極め、アジアを蹂躙していた欧州と、そこから解放されようとするアジア人の代理戦争の様相を呈していました。
玉砕しても降伏はしない日本軍に対して、アメリカは戦意消失を目論んだ日本列島の民間人虐殺を始めます。
アメリカの、いざとなったら戦時国際法などは無視しての虐殺。民家を焼き払う事のみを目的として開発した焼夷弾。1発で多くの無差別殺傷を行う核兵器。アメリカはこれらを躊躇なく日本に向けて使用したわけです。

アメリカの合理性がヒステリックに働くとき、このような人道からはずれた行為に走ることを、平成の陛下が思い出すよう国民に述べられたのかも知れません。
現在もなお、アメリカに反抗する産油国に対し、底なしの原油安を仕掛け、その息の根を止めようと計っています。
日本にとっては有利なこの戦略ですが、その一方でアメリカはあの時と全く変わっていないことも見えてきます。

崩壊する中共のほとんどの情報を握ったアメリカです。開発力も軍事力もアメリカには到底及ばない中共。しかしアメリカにとって、その中共を大国としておくことが有利であるためか、そこまで崩そうとはしていません。もしかしたら中共を支えているのはアメリカかも知れませんね。
習政権は、恐らく対面(メンツ)が保たれさえすれば、アメリカに従う構えなのでしょう。少なくともウォール街との話はついているのでしょうね。気の毒なのは中共の国民と人民解放軍です。
アメリカ→習政権→日本・・と言う形で日本を押え込むシナリオが出来ているようです。

そういうアメリカという、太平洋を挟んだ隣国と、今後どのように付き合っていくか・・・
それが「満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくこと」というお言葉に込められているのではないのでしょうか。

そしてそれは波乱に満ちた2015年を暗示するお言葉のようにも読めてきます・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿