通信サービス業のブロードエンタープライズが、バブル崩壊とともに失われた日本企業の古き良き「家族主義的経営」を実践し、業績を伸ばしているという記事が産経に出ていました。
福利厚生を手厚くして、家族の医療費まで負担する太っ腹な“超家族主義的経営”を貫いていると言うことです。もしかすると税金対策かもしれませんが。
日本企業の家族主義的経営がダメになって行ったのは、外国資本が日本企業へ入ってきて、株式配当を多くするために持ち込んだ「経営合理主義」が原因だったはずです。
そのために企業の利益を最大にすることを目指し余計な出費を抑えさせることが要求されました。
それは法人税にまで及び、税金を差し引いてから株式配当を決める日本の企業会計方式に外国資本はクレームを付けたでしょうね。世界標準にそぐわないとか何とか・・・(課税は配当より後、が欧米標準です。日本のやり方ですと2重課税になりますからね)
ウォール街は中共よりも狡猾です。次第に押し切られる財務省・・その対策が消費増税であることはもはや周知の事実でしょう。法人税を減免して、その分を消費税で取り、安定税収としてから法人税を株式配当後にする計画なのではないでしょうか?
まさにウォール街に屈する財務省の姿が見えてきます。
日本の家族主義的経営は、「八紘一宇」の概念から出てきたものであることは理解できます。これは「日本書紀」に出てきた言葉で、その後大正時代に田中智學が国体研究に持ち出し、「道義的に天下を一つの家のようにする」という意味にした言葉です。
「道義」とは、「人としての正しい道」という意味ですから人類の大義という事でしょう。
日本版グローバルスタンダードとも言える「八紘一宇」が、アジア解放のための「大東亜戦争」で使われたことはご存じの通りですが、この大東亜戦争は今だ終わってはいないという考え方もあります。
つまり、1945年8月15日に終わったのは「太平洋戦争」であって、大東亜戦争はその後も形を変えて継続し、経済戦争では日本はアメリカをしのぐまでになったこと、そして八紘一宇の情を持って中共に対応したが、それが見事に裏切られたことなど、まさに我々の時代に起きている出来事なのです。
さて、このIT企業のやっている「太っ腹な超家族主義的経営」を、古き良き「家族主義的経営」と表現した記事なのですが、このような懐古的表現でいいのでしょうか?
この反対は「超合理主義経営」ということになりますが、その背後にあるのはウォール街の発想です。
ウォール街資本主義とは貴族資本主義が形を変えたもので、労働は隷属という観念から脱していません。キリスト教の「タラントの教え」から派生し、個人の才能を育てるための資本のあり方を実践する資本主義とは、根本的に違っています。(強制する利益か、結果としての利益か)
キリスト教的資本主義には、「八紘一宇」と呼応する部分もありますが、ウォール街資本主義は貴族資本主義であり、まったく異質(隷属労働)のものに感じられます。
だいたい「経済的合理性」は「人間的合理性」とは背反します。そして企業に経済合理性を求めるのは、いわゆる外部資本、ウォール街資本主義の特徴とも思えます。
記事では、このIT企業を「究極のホワイト企業」と表現しています。
日本の若者が作り出した、「ホワイト企業」と「ブラック企業」という言葉を使って、福利厚生の行き届いた企業、あるいは家族的経営企業をホワイト企業と呼ぶようですね。
反対に能力主義などともっともらしい言葉で隷従を要求する企業をブラック企業と言っているようです。
日本の若者のクールな感覚が生み出した言葉なのでしょう。
ウォール街に負けないアメリカの優良企業、グーグル、マイクロソフト、アップル、フェースブックなど、ある部分はキリスト教資本主義に基づいているようです。ですから才能を開花させるための投資を怠りません。アメリカのホワイト企業というところでしょうか。
この日本のIT企業も、同じように社員からの提案を重視しているようですね。しかし、まだこのブロードエンタープライズ社からユニークな商品は出ておりません。
インターネット時代になってから、販売はネットにおけるユーザ登録の件数から派生するようになってきました。アイディアが多くの人に共感されると利益を生む時代になっているのです。
頑張ってほしいですね。
時代がどうなろうとも、国力の源は生産力です。それには国民が嬉々として働ける社会を作り上げることです。八紘一宇も、キリスト教資本主義も、それを可能にする要素を持っています。
しかし、ウォール街資本主義にはそれがありません。隷従と、配当のための利益追求だけを要求します。
だから誰も生産意欲が湧きません。そして国力を落としてしまうのです。あのアメリカ合衆国すらも・・
ホワイト企業とは、反ウォール街企業のこと。
家族的経営が良いのは、それが反ウォール街だからでしょうね。
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