2013年9月20日金曜日

銃規制、スターバックスで開始か?

アメリカで発生し続ける銃による乱射事件。7月27日にはフロリダで6人死亡、そして9月16日にはワシントンの海軍施設内で13人死亡しています。
このような事件を、銃の所持を認めている「アメリカの法律」が問題だとするのが「規制派」の主張ですが、全米ライフル協会などの主張は「それは関係ない」というものです。

アメリカのスターバックスというコーヒー屋さん(喫茶店チェーン)が、9月18日に「店内に銃を持ち込まないよう客に要請する」方針を発表しました。
スターバックスは全米に7千店舗を有する喫茶店のチェーンです。日本にもありますからご存じでしょうけど・・・

スターバックスのCEO、シュルツ氏は「店内に銃があると多くの客が不安感を持つ」ということを理由に挙げ、その上で「これはお願いで、禁止ではない」と述べています。
19日付の米主要紙に全面広告を出し、顧客に理解を求め、「われわれは銃所持に賛成でもなく反対でもない。銃所持を理由にサービスを拒否することはない」とまで述べました。

この銃規制問題はアメリカ国民を真っ二つに分けるナーバスな問題です。スターバックスではすぐにこの問題で顧客側に対立がうまれているようですね。
銃規制推進派が銃持ち込みを禁止せよと圧力をかける一方、銃規制反対派は店内に銃を持って集まるイベントを企画するなどですが、まだ規制派と規制反対派が店内で内戦のように撃ち合ったとういうニュースはありません。

武器の所持をいかに規制するかは、日本でも大変難しかった問題です。もちろん銃ではなく刀の時代のことですが。
天下統一を果たした徳川軍事政権が最初にぶち当たった問題でもあったようです。なにしろ長い内戦(戦国時代)の後ですから武器が国内に散在し、街中では鎧に兜を付け、大刀を持った武者が闊歩していました。徳川に敵対している勢力も多く、不安な時勢でした。

徳川政権は、ともかく鎧兜を付けて街中を闊歩することを禁止します。ここまではうまく行きました。しかし刀を取り上げることはなかなか出来ませんでした。
しかし、それまで鎧兜を付けて戦う「介者剣法」が、この規制で無くなっていったのは事実です。そして、それに代わって「素肌剣法」が登場します。柳生兵庫助が考案した剣法で、甲冑などなくても刀一本で身を守ることが出来るという剣法です。

また、上泉信綱によって編み出された「無刀取り」も、柳生新陰流に引き継がれ現在もまだ生き続けています。かっこいいからでしょうね。そしてその「かっこよさ」ゆえに、日本の武器規制はその後うまく行ったのではないでしょうか?そこから日本の武道も熟達していきます。
徳川政権時代には、刀を所持していいのは武士と帯刀を許された一般人のみだったのです。やくざの持っていた「長ドス」は刀ではありません。(あれは長いナイフ(道具)です)

アメリカの銃規制反対派の本音は、銃を規制されることによる「去勢感」があるという事でしょう。規制反対派は「自由」を掲げていますが、行き過ぎた自由は「法治」を否定してしまいかねません。
だからアメリカは「早撃ち」が正義なのです。理由の如何にかかわらず、先に銃を抜いた者が悪で、後から銃を抜いて先に撃つことが正義なのは、正当防衛が成り立つからで、これがアメリカのぎりぎりの法治なのです。
映画「シェーン」の中で、男の子が夢中になる「拳銃の試し撃ち」から始まる主人公シェーンと主婦のやり取りは、今もまだ続く永遠の議論なのかも知れません。

名保安官ワイアット・アープは、管轄の街に入る流れ者から銃器を取り上げ、出ていく時に返したという事です。彼の腰にあった銃身の長い拳銃は、火器というよりむしろ威嚇と警棒の役を果たしていたようですね。
大統領にはなれなかったアープ氏ですが、かれはアメリカで最初に銃規制を行った人物かも知れません。

武器規制は、その武器よりももっと強力な武器が出てこないと規制することは無理でしょう。強力な武器とは、それがかっこいいことが必要条件です。
「素肌剣法」も「無刀取り」も、それがかっこいいから刀の規制が出来たのだと思います。そしてそこから日本の武道が発達し、やがて日本の哲学にまで昇華し、華道や茶道にまで強い影響をもたらし、「日本の美学=価値観」までも形成しています。だから日本国民はやさしく、そしてかっこいい(クール)のですよ。

アメリカの銃規制は、単に法として強制しようとする限りうまくはいかないでしょう。日本の「無刀取り」のように、銃を持つことをかっこ悪くする方法を考えないと、絶対に規制は出来ません。
それには、「非殺傷小火器などを、もっと上手にかっこよく設計することではないか?」などと考える、今日この頃なのです・・・。

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