2013年9月23日月曜日

落ち込む中共経済、日本の戦略は?

日本との貿易額で、昨年は対中貿易額はピークを打ったようです。半年で1700億ドル程の貿易額に膨れ上がった日中貿易でしたが、今年の1~6月期の貿易総額は1500億ドル程に縮小したそうですね。
対中輸出ではドイツも韓国も落ち込んでおります。おそらく欧州の輸出額も落ちているでしょう。

ジェトロ(日本貿易振興機構)によりますと、「尖閣諸島国有化以降の日中関係悪化の影響より、中共の景気減速の影響の方が大きい」という分析結果を出しております。
ですから中共政府が言う「尖閣国有化による落ち込み」というのは単なる因縁に過ぎず、原因はむしろ中共経済の縮小にあると見た方がよさそうです。

中共は、アメリカのサブプライローン破綻の影響を避ける目的で、2009年に約64兆円の景気対策を打ったのですが、地方政府の放漫財政でできた不良債権と、その不良債権をネタにして景気対策資金を運用した「理財商品」など、まるで「ねずみ講」のようなバブルを作り出し、きわめて危険な状態にあるという事です。ただし、景気循環の側面では中共経済は今底入れの状況で、そこから脱出する方法の模索が行われています。
さて、習政権はうまく乗り切ることができるのかどうか、そこが不安なところですけど・・・

減少している貿易を新たな貿易で盛り返そうと、習近平国家主席は今月、トルクメニスタン、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスの中央アジア4カ国を歴訪し、石油・ガス田開発事業など総額数兆円規模の大型プロジェクトの推進で合意し、関係強化のために「シルクロード経済ベルト構想」を提唱しました。
中共と中央アジア諸国の貿易高は2012年で1180億ドル(約11兆8千億円)の規模になっているそうです。

習主席が歴訪した4ケ国は、いずれも旧ソビエトとの関係が強かったところで、ソビエトなき今のロシアは、もはや経済的にはどうしようもないようです。
弱ったところをパクりに行く華人の本性が見て取れて、これから再び不況に入るかも知れない日本が心配ですね。(もちろん増税不況です)

習主席の「シルクロード経済ベルト構想」とは、太平洋からバルト海に至る統一輸送インフラの建設や、貿易障壁の解消などで、双方のさらなる関係発展を進めるという、インフラを含めたTPPのような発想ですが、ウイグルやチベットの問題は今だ解消せず、宗教色の強いカザフスタンやトルクメニスタンがどこまで中共とやりあえるか、少し注目すべきでしょう。

このような中共の策動をプーチン・ロシアが不快に感じるのは当たり前です。「ロシアはかつての影響力を維持するために、できる限りの措置を講じる必要がある」などと取り巻きが述べているそうです。
専門筋は「日本や欧米諸国も含めて中央アジア諸国での競争が展開される」という読みをしているようで、日本との関係改善がロシアにとって急務となってきました。

そうなれば、日本側には北方4島の返還交渉にチャンスが訪れます。これまでのような「返還の主張」だけでなく、もう少しロシアのメンツが立つ交渉力を展開すべきではないでしょうか?
あくまでも敵は「中共」というスタンスを取り、敵の敵をいかに味方にするかを考慮しないと、北方領土問題はいつまでも解決しません。

アメリカは日本を踏み台にして経済再建を画策しています。それがTPP交渉です。アメリカにとって、TPP交渉を有利に進めるには「中共の脅威」がどうしても必要です。
尖閣諸島での侵略の危機に対して、日本側はアメリカの軍事力に頼るしかないからでしょう。それをバックに懐柔策として「キャロライン・ケネディ氏」を新たな駐日大使に持ってきました。尖閣諸島の帰属は日本であるとのアメリカのスタンスは、そのままTPP交渉と繋がっているようですね。

王毅外相がワシントンで「日本が41年前の日中合意を否定して国有化したため、中国としても対抗措置をとらなければならない」とか「われわれは話し合いのテーブルにつく用意があるが、日本が『領有権問題は存在しない』として協議に応じない」などと述べていますが、なぜアメリカでこのような発言をするのか、そこにアメリカのメリットがあるからでしょうね。(41年前の日中合意とは、田中角栄首相の交渉時に「尖閣は棚上げした」ということです。日本側にそんな記録はありません)

アメリカと英国は、日本がロシアと近づくことを恐れます。そのための北方領土でもあるわけですからね。北方領土返還交渉を潰してきたのは、米英2ケ国の謀略だった可能性もあります。
即ち今、ロシアは対米、対中の重要なカードになっています。これをカードとして使えるくらいの外交力が発揮出来ないようなら、そんな外務省はいらないと言うことになりますね。

中共や韓国が何を言おうと、ヤルタ・ポツダム体制はすでに崩れているのです。

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