安倍・自民党の高市早苗政調会長が、首相がTPP交渉への参加を決めた場合には、これを容認する考えを表明しました。
TPPは、保守論壇が口をそろえて反対している交渉で、安倍首相は公約として「国家主権の一つである関税自主権を撤廃することが前提ならば、TPP交渉には参加できない」と述べておりました。
このことは、もしアメリカが「関税撤廃するかどうかは、これからの交渉次第」などと答えれば、TPP交渉の中で行うべき議論となります。
そうなれば、日本がTPP交渉に参加することになるのは致し方ないでしょう。
もともとTPPとは、アメリカが考えたことではなく、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国が2006年5月28日に作った経済連携協定でした。
そこにアメリカが口を出してきて、アメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルーの4カ国を加えて、EPA(経済連携協定)を基本として拡大交渉会合を始めたもので、2011年11月12日に大枠の合意に至ったもの。
TPPはTrans-Pacific Partnershipの略で、日本語にすると「環太平洋パートナーシップ協定」と言う意味になります。
基本的には自由貿易協定ですから、2国間で行うFTA(Free Trade Agreement)の多国籍版とも言えますが、この交渉というものが曲者で、アメリカのゴリ押しで、すべてがアメリカの思惑どうりになってしまうのではないか・・ということで保守系論壇が反対していたもの。
この反対理由を列挙しますと、だいたい次のようになるのではないでしょうか?
1.ISD条項(Investor State Dispute Settlement)
外資系企業に対して自国民と同等の待遇をする義務が課せられる。不公平とみなされた国内法は非関税障壁として、外資系企業により提訴、もしくは莫大な賠償請求を受ける可能性がある。
訴訟は日本の裁判所ではなく、米国内の世界銀行傘下・国際投資紛争解決センター(ICSID) で、一審制、非公開で行われる。裁判の公平さを判断しようにも非公開では手も足もでない。
2.ラチェット規定
「一度規制を緩和した場合、後戻りは許されない」というもの。つまりTPPは一度批准すると変更や脱退ができないということになる。
3.「国家資格」の緩和
「士・師業」を自由化すること。
「弁護士、会計士、税理士、美容師、医師、看護師、弁理士など」の分野では、日本の国家資格をもたなくても、米国で同様の資格を取得すれば、日本で同じ職に就くことを可能とする。ISDとペアで考えると問題だろう。
このような条件を、FTAですべて取り込んでしまったカナダは、もはやアメリカの属国のようになっておりますし、韓国はいくら自国の企業でがんばっても、ほとんどアメリカに吸い取られるような構造になってしまいました。
オーストラリアは、このFTA交渉で国民が気が付いて大反対を行い、かろうじて「ラチェット規定」だけは免れたようです。TPP交渉でも頑張って欲しいですね。
アメリカは交渉に際して、自国の利益を極限まで求めてくることは周知の事実。なにもそれをすべて呑む必要はありませんが、さて、安倍首相はこのような強烈な内容に抵抗できるでしょうか?
その前に、日本国民がこのような交渉の内容について、しっかりと把握する必要があると思います。
進化する国際社会でアメリカが狙う本当の目的は、単なる日本バッシングではないはずです。もうお気づきかも知れませんが、貿易と言うものが次第に極細分化されております。
インターネットの普及は、個人が直接「他国の製品」をネット経由で取り寄せられる環境になってきました。この時の通貨は電子マネー。すなわちドルとか円は、換算するための単位にすぎなくなってきております。
貿易商社を通し、その商社の利益を含めて価格が付けられ、消費者に送られる輸出入ではなく、直接メーカーと消費者が結ばれる貿易は、インターネットの普及の一つの成果でもあります。
ここをもっと自由に、通関などの流れを早く、個人でも可能にするのが、アメリカの目的ではないでしょうか?
自由な取引は、放任すると「麻薬」「人身売買」「兵器取引」なども派生してしまいますが、電子マネーは基本的に帳簿取引ですから、裏金が出来ない仕組みに進化させられます。これは、強力な軍備を備えた麻薬組織などに対して究極的なダメージを与えられるでしょう。同時に、犯罪国家にとっても大きなダメージとなるはずです。
周辺の犯罪国家との間で問題を抱える日本。イスラム原理主義グループを、宗教としてのイスラムから切り離して、犯罪集団として取り扱いたいアメリカ。
すなわち、電子マネーを念頭に置いた交渉ならば、成り行きによっては日米同盟のもう一つの柱にすることも可能です。
このようなことも考えた上での、TPP交渉。 その成り行きを見つめましょう。
このことは、もしアメリカが「関税撤廃するかどうかは、これからの交渉次第」などと答えれば、TPP交渉の中で行うべき議論となります。
そうなれば、日本がTPP交渉に参加することになるのは致し方ないでしょう。
もともとTPPとは、アメリカが考えたことではなく、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国が2006年5月28日に作った経済連携協定でした。
そこにアメリカが口を出してきて、アメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルーの4カ国を加えて、EPA(経済連携協定)を基本として拡大交渉会合を始めたもので、2011年11月12日に大枠の合意に至ったもの。
TPPはTrans-Pacific Partnershipの略で、日本語にすると「環太平洋パートナーシップ協定」と言う意味になります。
基本的には自由貿易協定ですから、2国間で行うFTA(Free Trade Agreement)の多国籍版とも言えますが、この交渉というものが曲者で、アメリカのゴリ押しで、すべてがアメリカの思惑どうりになってしまうのではないか・・ということで保守系論壇が反対していたもの。
この反対理由を列挙しますと、だいたい次のようになるのではないでしょうか?
1.ISD条項(Investor State Dispute Settlement)
外資系企業に対して自国民と同等の待遇をする義務が課せられる。不公平とみなされた国内法は非関税障壁として、外資系企業により提訴、もしくは莫大な賠償請求を受ける可能性がある。
訴訟は日本の裁判所ではなく、米国内の世界銀行傘下・国際投資紛争解決センター(ICSID) で、一審制、非公開で行われる。裁判の公平さを判断しようにも非公開では手も足もでない。
2.ラチェット規定
「一度規制を緩和した場合、後戻りは許されない」というもの。つまりTPPは一度批准すると変更や脱退ができないということになる。
3.「国家資格」の緩和
「士・師業」を自由化すること。
「弁護士、会計士、税理士、美容師、医師、看護師、弁理士など」の分野では、日本の国家資格をもたなくても、米国で同様の資格を取得すれば、日本で同じ職に就くことを可能とする。ISDとペアで考えると問題だろう。
このような条件を、FTAですべて取り込んでしまったカナダは、もはやアメリカの属国のようになっておりますし、韓国はいくら自国の企業でがんばっても、ほとんどアメリカに吸い取られるような構造になってしまいました。
オーストラリアは、このFTA交渉で国民が気が付いて大反対を行い、かろうじて「ラチェット規定」だけは免れたようです。TPP交渉でも頑張って欲しいですね。
アメリカは交渉に際して、自国の利益を極限まで求めてくることは周知の事実。なにもそれをすべて呑む必要はありませんが、さて、安倍首相はこのような強烈な内容に抵抗できるでしょうか?
その前に、日本国民がこのような交渉の内容について、しっかりと把握する必要があると思います。
進化する国際社会でアメリカが狙う本当の目的は、単なる日本バッシングではないはずです。もうお気づきかも知れませんが、貿易と言うものが次第に極細分化されております。
インターネットの普及は、個人が直接「他国の製品」をネット経由で取り寄せられる環境になってきました。この時の通貨は電子マネー。すなわちドルとか円は、換算するための単位にすぎなくなってきております。
貿易商社を通し、その商社の利益を含めて価格が付けられ、消費者に送られる輸出入ではなく、直接メーカーと消費者が結ばれる貿易は、インターネットの普及の一つの成果でもあります。
ここをもっと自由に、通関などの流れを早く、個人でも可能にするのが、アメリカの目的ではないでしょうか?
自由な取引は、放任すると「麻薬」「人身売買」「兵器取引」なども派生してしまいますが、電子マネーは基本的に帳簿取引ですから、裏金が出来ない仕組みに進化させられます。これは、強力な軍備を備えた麻薬組織などに対して究極的なダメージを与えられるでしょう。同時に、犯罪国家にとっても大きなダメージとなるはずです。
周辺の犯罪国家との間で問題を抱える日本。イスラム原理主義グループを、宗教としてのイスラムから切り離して、犯罪集団として取り扱いたいアメリカ。
すなわち、電子マネーを念頭に置いた交渉ならば、成り行きによっては日米同盟のもう一つの柱にすることも可能です。
このようなことも考えた上での、TPP交渉。 その成り行きを見つめましょう。
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