2013年1月29日火曜日

テレビの危機は家電業界の危機


日本の家電産業が危機に瀕しております。NHKのドラマを見るまでもなく、テレビの衰退がその大きな原因ということです。
シャープやパナソニックは2年連続、ソニーは4年連続の大赤字で、存亡の危機となっているとか。

この凋落の原因は、さかのぼること40年前、1970年代のマイクロプロセッサー登場のころにさかのぼるのではないでしょうか?
日本は直ちにマイコンとしておもちゃをキット販売したりしました。アメリカはパソコンとして少しでも仕事に使えるような製品の製造を始めました。

決定的な違いは、ソフトウエアの開発にあったと思います。
ハード面では日本の技術革新の方が先行し、メモリーの容量などが日進月歩で進化していった時代でした。これがアメリカにはなかなか出来ませんでした。
しかしここで日本は、ソフトウエアはアメリカ、ハードは日本などという間違った選択をしてしまったわけです。

ソフトウエアは、企業管理の体質がまったく異なる業種で、工場管理に自信をつけてきた日本企業にとって、それが通用しない管理が出来なかったのです。
一方のアメリカは、ベトナム戦争の影響もあって、ドロップアウトした多くの若者が、このパソコンを持ってガレージの中から巣立っていきます。
ヒッピーもどきの彼らは、しかしながら自分のイメージにある未来に向けたアイディアをつぎつぎに実現し、世間に広めてきたわけです。マイクロソフトもアップルも、このような企業の一つでした。
しかし、日本はアメリカのこのようなソフトウエアのガレージビジネスと契約して、パソコンのソフト開発を育ててきました。
しかし、ガレージビジネスと言っても、彼らには言語学者とか記号言語学のプロたちも混ざっていたのです。

1990年代になって、テレビゲームが売れ筋商品の一角を占めてきたとき、テレビの方向性が狂ってきます。インターネットの普及が急成長し、モニターもテレビも液晶に置き換わってきた時代。パソコンはサーバとクライアントに分離し、2000年代になってからは動画がインターネットで配信されるようになり、インターネット上で活躍する検索エンジンのGoogleが、この動画配信のYoutubeをパクって「てこ入れ」を行います。

テレビからスポンサーが離れ始めるのが2006年ごろからでしたね。インターネットによる情報の多様化で、NHKの偏向報道が国民の知るところとなってきます。
NHKだけでなく、テレビ朝日、TBS、日本テレビなども同様であることが叫ばれ、若者のテレビ離れが進んできますが、テレビサイドは何の手も打てませんでした。メーカーも放送局も・・・

2007年、アップル社が出したiPhoneがヒット商品になった時、完全にテレビの時代が終わったということが実感されました。Googleは直ちにアンドロイドというスマートフォン向けのOSを開発。本来はここでテレビメーカーはiPhoneかアンドロイドとの基本契約に走らなければいけなかったにもかかわらず、手をこまねいて、出遅れたのです。つまりテレビメーカーでありながらテレビの未来がイメージ出来なかったということですね。

2011年7月、テレビの電波がすべてデジタルに切り替わりました。訳のわからないユーザに対して、テレビメーカーは何も説明せずにデジタル化を推進し、一時の利益は確保しましたが、そのあとの戦略も無いまま今日の衰退を招いております。(当たり前ですね)

こうしてテレビメーカーは、今後はモニターメーカーに成り下がるでしょう。各テレビ局は、いつまであの旧式な大型液晶ハイビジョン受像機につまらない映像を送り続けるつもりでしょうか?

Youtubeなどの登場で、テレビとインターネットが融合した時、アメリカでの関心はすでにコンテンツビジネスに移っていきました。
現在はコンテンツの前のエクスペリエンス(体験)に重点が置かれているようです。

テレビの未来とは、「無数の放送局の登場」ということではないでしょうか?
即ち、これまでは「コンテンツ」をテレビ局が作り、ユーザは受信機で「見る」という構造でしたが、それが変わってしまったというように捕らえなければなりません。デジタルカメラが登場してフィルムが販売されなくなり、デジタルカメラは動画の撮影も可能になっています。

これまで放送局が作っていた番組をアマチュアが作れる時代。素人とプロは違うなどと言っていましたが、今のテレビ番組を見ているとどんどんレベルが下がっていますから、そのうちに本物の番組は「Youtubeでないと見られない」というような時代になってしまうでしょう。(あるいは別途課金されるサーバ(放送局)から購入して見る)

このような変遷を今後たどるはずですから、それにあわせた商品開発を行えばいいようですよ。
もっとも、ほとんどはソフトウエアの商品ですけどね。

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