2012年12月25日火曜日

アベノミクス、世界から注目されています


安倍総裁が打ち出した経済政策。金融緩和と財政出動、そして公共投資などが世界の注目を集めています。
注目と言っても賛否両論ですが、ともかく注目を集めるのは良いことで、世界の話題に日本がちょっとだけ復活したことにもなりますね。

この安倍総裁が打ち出した経済対策を、誰が言ったのか「アベノミクス」と表現するのだそうですね。かつてアメリカ大統領レーガンが行った経済対策が「レーガノミックス」ですから、今度の安倍総裁が出した対策がアベノミクスというわけ。

レーガノミックスは、減税と歳出配分転換を軸として、「通貨高」を誘導してインフレ抑制を行うというものだったと記憶します。
この結果はむしろ失敗といっていいほどのものでした。
減税と歳出拡大は、金利の上昇を生み、アメリカの民間投資を停滞させ、日本などの外国資金のアメリカへの流入を促進してしまいました。

高金利はドル高への誘導となってしまい、輸出減退と輸入増大が起きます。その結果インフレにはならずに済み、高金利が解除され、それが減税と相まって好景気をもたらします。
レーガン大統領は、これを「アメリカ経済は復活した」として、政策の効果を自賛しますが、アメリカの貿易赤字は拡大を続けます。(しかし、ともかくソビエト共産党は潰しました。)

結局、プラザ合意という日本を狙い撃ちしたような経済規制を掛けて、やっとドル安に転換しましたが、それ以降アメリカの産業衰退が止まらなくなって、今日に至っているのではないでしょうか?

さて、安倍政権が目指す究極目標は、何といっても「戦後レジームからの脱却」でしょう。しかし、この目標表現ではあまりにも抽象的で分かりにくいことも確かです。
そこで、この「戦後レジームからの脱却」を分解して列挙しますと、次の2つになるはずです。

1.デフレからの脱却、そして経済成長(GDPの上昇)
2.安全保障の充実。防衛と国土保全(道路インフラの整備も含む)

この1番目の経済対策の部分、デフレ脱却と経済成長を、タイミング良く行うのがアベノミクスというように定義できると思います。

2番目の防衛について、その実行には憲法改正が必要になるということです。つまり憲法改正の問題は副次的なもの。その目標はあくまでも「戦後レジームからの脱却」にあるということ。
だから焦る必要はありません。当面の防衛問題は、中共側の出方次第。「憲法解釈の変更」で十分対応可能というのが私の見解です。
長期戦に持ち込んで、外交で守るというスタンスも取れます。中共経済が今後落ち込むことを考慮した上で。(外務省の言うことを無視できる外相が必要です。松岡洋右氏のような・・)

そこで、始めはともかく「デフレからの脱却」に重点を置く必要があるでしょう。
デフレからの脱却としてアベノミクスが挙げていることは、「積極的な金融緩和」と「財政出動」です。

積極的な金融緩和とは、市場(すなわち日本の市中銀行)から、国債発行によって資金を調達すると言うことです。上限は設けません。期限は民間の資金需要が出るまで・・ということです。
この時、日本の銀行が国債を外国の銀行などに転売しないように、その後日銀が買い上げて現金を供給させることが肝要。そうしないと、禿鷹のような外資が、おいしそうな日本国債を漁りに来ますからね。(日銀人事に期待しましょう。)

調達した政府資金をどこに使うか、そこが問題です。
まず絶対にやらなければならないことは、あの東日本大震災の復興です。ともかく民主党は何もやらなかったに等しい状態になっていますから、すぐ実施する必要があります。
次に、都市機能インフラの徹底検証と補強対策が必要です。首都圏の大地震が問題視されている昨今、東京オリンピックで作られた首都高速など、もうぼろぼろになっていること、ちょっと街に出てみればすぐに判るはずです。その上を、設計時には想定していない重たいコンテナ・トラックが走っています。(アメリカが無理強いして運搬させている船のコンテナですね)

笹子トンネルの天井落下など、公共投資をさぼったつけは、容赦なく国民の命を奪っていきます。それでも平気な顔の日本国民。実はマスコミの堕落で正しい情報を伝えないから気が付いていないだけ。
実態を知れば、都市などに住む気はなくなるでしょうね。

そうなれば地方への人口流出も起きやすくなるかも知れません。人口が地方へ分散すれば、都市への一極集中が緩和され、結果的には震災にも攻撃にも強い日本が実現していくはずです。

現実にはどうなるか・・・ともかくアベノミクスに期待するしかないでしょう。
(物価上昇が先行、給与はあとになる問題。石油や小麦の値上がり問題、そして年金生活者の問題は次回)

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