「軍事的な抑止力を強く持たない限り外交の発言力はない」との当たり前の議論、そして「核兵器に関するシミュレーションぐらいはやったらいい。防衛費は増やさないといけない。防衛産業は裾野が広いので、日本の産業も、中小企業も助かる」とのごもっともな議論。
しかしながら「日中が友好に進むことは両国にとって好ましい」との遠慮がちな発言を頭につけて、「あのシナの覇権主義に侵され、日本が第二のチベットになることを絶対好まない。ノーというときはノーと言う」と強調した発言。
さらに「米国との同盟は必要だが、領海が侵されつつあるフィリピンやベトナムと同盟のようなものを組むことが、積極的で強い、したたかな外交だ」と述べております。
これら一連の発言が、橋下副代表と同じなのかどうかはさておき、石原・維新の会として見ますと、もっともな発言です。
しかし安倍。自民党と比べますと、いまひとつ抽象的です。
憲法改正については、おそらく「破棄」が石原氏の持論でしたが、破棄するにも法的手続きが必要なので、まずは改正などのハードルを下げるということが、具体的な政策なのではないでしょうか。
核兵器のシュミレーションは、それを公表することで抑止効果を出すということでしょうか?
いずれにせよ、防衛費の増額は安倍・自民党と同じですね。
「防衛産業は裾野が広いので、日本の産業も、中小企業も助かる」という発言ですが、そのためには「武器輸出3原則」の廃棄を行わなければならないこと、理解しておられるのでしょうね。
TPPについては、「賛成だが、何もかも自由化するのには反対だ」と述べておられますが、これは安倍・自民党とどのように違うのでしょうか?
はっきりと「関税撤廃には反対」とする安倍・自民党の方が適切だと思います。
石原・日本維新の会が、まず「民主党潰し」の目的があることは確かでしょう。「民主党には失望した、しかし自民党ももういやだ」という有権者にとって、日本維新の会は受け皿になります。
しかし、なぜ石原慎太郎氏がその党首になったのか、そこが不思議なところですね。都知事をお辞めになったのは、自民党総裁選挙のあとでした。
その総裁選挙には、いしはら氏の御子息「伸晃氏」が総裁候補として出馬しておりました。
石原都知事は「尖閣購入計画」で国民の人気を得ておりましたが、自民党の長老である「森元総理」の説得で尖閣購入を抑えておりました。この時の森氏の言ったことが「伸晃氏を総裁にする」ということ。
すなわち、戦後保守の存続計画であったことは確かでしょう。
しかし、総裁選の結果は「安倍元首相」に決まってしまいました。安倍氏は「戦後レジームからの脱却」を訴え、しかも本気で行おうとしています。
戦後保守は「戦後レジームの中で、アメリカとの協調姿勢」で既得権益を掴んだグループです。ですから戦後レジームから脱却されてしまうことには躊躇があります。
石原伸晃氏の擁立には、「戦後保守体制の維持」という目的があったようです。しかし、安倍氏の総裁勝利によって、この目論見が狂ってしまったわけですね。
そこで動いた(あるいは動かされた)のが石原慎太郎氏でしょう。都知事を辞めて、大阪維新の会に近付き、日本維新の会のトップに納まり、そして戦後保守を死守する体制を作り上げました。
以前から準備はしていましたから、この流れに矛盾はありません。すなわち御子息「伸晃氏」の技量は判っていたのでしょうね。
しかし、現状の日本はどうでしょうか?
すでに中共は尖閣侵略に戦力を進めています。戦後保守が言うようにアメリカ依存だけでいいのかどうか、
憲法改正も再軍備も必要でしょう。
石原慎太郎氏も安倍総裁と同じことを言い出しました。
安倍総裁と石原慎太郎氏ですが、安倍氏は第一次安倍内閣では国民投票法を作ったり、教育基準法の改訂を行ったりした実績があります。
対する石原慎太郎氏は、尖閣購入計画の最後で「政府購入」ということに決まり失敗しています。あとは国政での実績はほとんどありません。威勢のいい発言の割には「腰砕け」が多い政治家です。
安倍総裁のたった一つの欠陥は、1次内閣の時に病気で総理の座を放り出したこと。ここを有権者は懸念しています。だからこそそこを石原氏は突いてくるでしょう。
しかし、やはりここは安倍・自民党に第1党になって欲しいですね。それも240議席以上を確保して。
そして2番手に日本維新の会が140議席くらいで付けてほしいですね。
これでサヨク政党とは、日本国民は縁が切れますからね。
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