大前研一氏は、「大前研一ニュースの視点」というメールマガジンの中で、安倍総裁の演説内容について、次のように述べております。
「持論である『右傾化した日本』についての発言が多く、防衛面ではもはや海外と揉めるのが前提になっているような話しぶりです。
憲法改正という点では私も賛成ですが、その改正内容という意味では180度違う見解です。」と。
さらに「これからの日本の将来を考えると、国際的に活躍できるような開かれた国家を目指していくべきだと思います。」として、「今、安倍総裁はおかしな持論を持ち出すべきではなく、自民党として十分反省したということ、そして民主党政権の3年間がいかに無意味だったのかということ、この2点について国民に話をするべきでしょう。」と述べておられます。
しかし、「右傾化した日本」とは、安倍詳細の発言のどこを指しているのでしょうか?
今までが、「きわめて左傾化した日本」だっただけで、安倍総裁の発言が右傾化いているとは思いません。
大前氏の「右傾化」と言う意味は、集団的自衛権の行使を言ったからでしょうか? TPPに対して「関税撤廃には反対する」と言ったからでしょうか?
いずれにせよ、これらは当たり前の発言であって、これをもって「右傾化」とは言えないと思います。むしろ大前氏の方が「敗戦状態を延長」する発言であると思うのですが・・・
「関税撤廃に反対」が、「閉ざされた日本」であり「国際的に活躍できない」ということにはならないでしょう。
「関税ゼロ」という対応をすれば撤廃と同じ効果が期待できますから。
安倍総裁の言っている「反対」は、国家主権の侵害に反対ということで、国を閉ざすと言う意味は無いのですよ。
関税撤廃と関税ゼロは、同じ効果が期待されても、国家主権に対する意味では正反対ですからね。そして、経済だけでは国家を統括することは出来ないのですよ。
「日銀」とともに、限度を設けずに「金融緩和」を行い国債の発行とそれを日銀が買い取ることで、政府資金を作り公共投資(国土強靱化)を行うことは、これまで長期に渡って緊縮財政を取り、日本の産業のベースたる技術の海外逃避を放置してきたことに対する反省(自民党として十分反省)でもあるでしょう。
国債の日銀直接買い取りオペが行われたとしても、「デフレーター」という指標を見ながら行い、また市場の状態を表す他の指標も監視しながら行うのであれば、異常なインフレは回避できるはずです。
かつて高橋是清氏も、インフレ傾向が表面化した時に直ちに「金融緩和」を止め、引き締めを行ったために226で誤解され殺されました。
今回はマスコミ以外の情報網も出来ていますから、このような誤解がなされる心配はありませんね。
また、憲法改正についても、「第96条の変更」を目指しているのですから、大前氏が「憲法改正という点では私も賛成です」と言うのであれば、賛成すべきでしょう。
「改正内容という意味では180度違う」ことは、その後の議論なのです。
そういう意味で、安倍総裁の憲法改正に向けた活動は決して「右傾化」と言われる筋合いのものではないと思います。
このメルマガでは、「日本維新の会」についても批判的ですが、むしろ大前氏の意見に近いのはこちらの方かもしれませんよ。
この点については次回にでも。
それにしても、大前氏は憲法をどのように変えたいのでしょうか?
現状よりももっと反日的に変えたいのでしょうか?
もっと議論してみたいポイントですけど・・・・
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