まるで東北被災地を視察している野田首相を意識したかのように、ロシアの軍用機が日本領空のぎりぎりのラインを、日本を一周する形で飛行しました。
しかも途中で空中給油を行いながら・・・
自衛隊はすぐにスクランブルを掛け、韓国空軍も追尾を行ったようです。
玄葉外相は、9日にロシアに講義を行い「露軍機の動きに対し日本国民の間で疑念が生じている。刺激的な行動は自制してほしい」と要請したとか。
これに対しロシア側は、「放射能の測定のため」という応答をしているようです。
しかし、ロシア軍がオホーツク海で演習を実施し、北海道北東部沖合に飛行機危険区域を設定したことなど、野田政権に対する軍事的圧力を掛けていることは間違いないようです。
このようなことから、日本が今ロシアに対して不信感を持っていることは確かで、藤村修官房長官は「これだけ(日本領空に)近い所での設定は異例で、ロシア側に事実関係を照会中だ。わが国の安全保障上の観点から注視している」と述べました。
また、日米両政府が先月21日の安全保障協議委員会(2プラス2)開催後に発表した共同文書に「北方領土問題の解決を通じた日ロ関係の完全な正常化」の実現が日米共通の戦略目標として盛り込まれたことに対して、「南クリール諸島(北方領土)でのロシアの主権に疑いを差し挟む試みは不適当だ」と声明を出しました。日ロの領土問題に介入しないよう米側に要求する声明を出したわけで、強いロシアをより強調しているようです。
来年のロシアは大統領選挙の年です。しかも3月4日と一番はやく大統領が決まるわけです。
メドベーチェフ氏が再選されるのか、それともプーチン首相が大統領に返り咲くのか、あるいはまた別の候補が現れるのか・・そのせめぎ会いで忙しいロシア。
強いロシアを強調するのは、そういう時期に外国勢から足元を見られないようにするためとも思われます。
ロシアが一番行き詰っている問題は経済。
日本の大震災のおかげで日本の原発が凍結状態に陥り、再び化石燃料の需要が伸びてくるかも知れません。
そうなれば、天然ガス経済のロシアにとって、経済浮揚のチャンスかも知れないわけです。
ガスフロムを持っているプーチン首相。そしてそれに対抗するロスネフチ(ロシア石油)をあやつるイーゴリ・セーチン副首相。その間を泳ぐメドベージェフ現大統領。
これらの利権と権力が絡み合いながら、今ロシアの政局が動いているようです。
強い指導者にあこがれるロシア国民に対して、北方領土で強く出るのは当たり前のこと。
北方領土を日本に返して、高度技術の援助を受けようなどと考える売国ロシア人を封じるためにも、北方領土に対しては強く出なければなりません。
来年の3月4日までは、ロシア軍の動きをけん制しながらもロシアに対する経済支援という抱き込み工作を模索するのが、日本の政治家の今やるべきことではないでしょうか?
アメリカにとって、対中共戦略にはロシアの協力が必要なはず。それをうまく利用しながら、北方領土の打開策を検討するのも日本にとっての将来の戦略ではないでしょうか?
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