2011年9月5日月曜日

原発がまた定期点検、54機の内43機が停止

四国電力の伊方原発1号機(愛媛県伊方町、56万6千キロワット)の運転が停止し、定期点検に入りました。
これで国内54機の原発の中で稼働しているのは11基、残りの43機はすべて運転を止めております。
理由は、菅前首相が指示したストレステストに時間が掛かるためです。そしてストレステストが終了した後も、福島第1原発被災事故の影響で計画通り再稼働できるかは不透明な状況で、野田新首相がどのような采配を行うか、注目するところです。

日本の電力は、今は火力発電とかガスタービン発電で凌いでいます。もちろん自然エネルギーなどでまかなえるわけもありません。
原発の目的が脱石油にあったことは確かなことで、それゆえに脱原発となれば石油依存のエネルギー政策に戻らざるを得ません。

しかし、大震災までは地球温暖化対策が主流をしめていた日本のエネルギー政策。その象徴が原子力発電でした。
そして原発ゆえの廃棄物である高レベル放射能廃棄物の処理が次第に問題になっていたはずです。
ですから緊急対策としての火力発電などは、故障続きであるだけでなく、来年も継続して運転が出来るかどうか疑念も持たれるありさまです。

電気が不安定になれば、日本の産業も不安定化してしまいます。一部の製造ラインは海外の人件費の安い国へ移転するケースもあるようですが、これまでの日本ほど電力が安定してる国は無いのではないでしょうか?

以前、英国が原発に対して警鐘を鳴らしていました。それは「ウランも天然資源であることから、近い将来核燃料も枯渇する。従って他の発電方法も開発されなければならない・・」と言う主旨のものでした。
そこで原発はあと50年くらいを目処とすべきであり、それ以降は新しい発電技術が開発されるべきだというもの。
これは原発を止めて自然エネルギーに移行するには、あと50年は掛かると言うことであって、決して「石油に戻れ」というものではなかったはず。

もし日本のエネルギーが石油に戻るとすれば、ロシアにとっては願っても無いチャンスです。
ロシアには石油よりも天然ガスが豊富にあるようで、それを販売することで巨万の富を得られるからです。
そこで早速ロシアのとった行動・・北朝鮮の金正日総書記との会談を行いました。

北朝鮮の金正日総書記がメドベージェフ・ロシア大統領に呼ばれて会談、帰路は中共にも立ち寄る友邦外交を展開したのは8月21日のこと。
ここでロシアは、北朝鮮側の要求が過大過ぎていて一時中断していた北朝鮮-韓国をつなぐガス・パイプライン計画を持ち出しました。
裏で動いた秘密外交は、総書記の妹である金敬姫氏。彼女が落としどころをサーチして会談をうまくまとめたようです。
「北朝鮮が事業を支持することで一致した」とのことで、建設プロジェクトを検討する3者委員会(ロシア、北朝鮮、韓国)の発足でも合意したとのこと。

ロシアは日本へもサハリン経由で北海道にパイプラインを伸ばす計画をしていますから、今回の北朝鮮を経由して韓国へのガス輸出を可能にする国策が、脱原発に熱狂する日本にどのような影響を与えるか、ちょっと気になります。
まさかシベリア・ガスのパイプを繋いだ発電設備を北海道に建設することなどは無いと思いますけどね。

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