笑顔と低姿勢で入り込み、取るものをしっかりと奪取すると居丈高になってその相手を罵倒するという中共のやりかたが、今回の尖閣列島事件ではっきりとしてきました。
その中共が、こんどは欧州を蹂躙する計画を始めたようです。
弱いところをたくみに侵攻していく中共の戦略。狙ったところは経済危機に落ち込んだ「ギリシャ」です。
ユーロの放蕩息子のようなギリシャ。民主主義でありながら経済を社会主義のごとくしてしまった国家です。農産物と観光資源で運営してきた国家ですが産業はいまひとつで、安定した働き口が公務員職しかないような状況だったのです。
ユーロ圏に入ったおかげで、ドイツ経済に引き上げられる形で通貨が強くなり、それでいい気になってより社会主義化を進めた結果、今回の世界同時不況で破綻してしまいました。
ユーロの構造上、どうにもならないお荷物になったギリシャ。何とか経済再建に向けてユーロの支援と努力が続けられていますが、そこに乗り込んできた中共です。
笑顔と低姿勢の手口は変わりませんが、まずやったことはギリシャ最大の港、ピレウス港のコンテナ埠頭2つを、35年間、独占使用する権利を34億ユーロ(約3千8百億円)で獲得することでした。
“底値”に乗じた中共のバルカン半島進出に、欧州各国は不快感を示しましたが、経済危機においては金の力には勝てず、苦々しく思いながらも何も出来ませんでした。
欧州各国が何も出来ないことを見切ると、次にギリシャ国債の買い入れを申し込んで来ました。
10月2日にギリシャを訪問した温家宝首相は、パパンドレウ首相との会談後の記者会見で、来年以降、財政再建下にあるギリシャが国債発行を再開した場合、中共が購入する意向を示したということです。
表面的にはいかにもギリシャとユーロのために行っているように振舞いますが、すでにピレウス港周辺のホテルや複合施設が、北京の不動産開発業者によって開発され始めているようです。
このような中共の侵攻に対して、ドイツメディアは「中共が欧州に通じる新しい海上のシルクロードを作り上げる重要な一歩だ」などと評していますが、そんな甘いことを言っていていいのでしょうか?
昔アジアを荒らしまわった欧州の列強国。その中にドイツは入っていないかも知れませんが、この時の怨念を中共は忘れてはいないでしょう。
民主主義発祥の地であるギリシャ。その象徴を、非民主主義国家の最たるものである中共が買い取っていく構図。まさにヨーロッパ民主主義の危機であるようにしか見えないのですけど。
20世紀初頭、このヨーロッパ民主主義を蹂躙した「ナチス・ドイツ」。この頃のドイツは中国にかなり肩入れしていました。
中国戦線で戦う日本軍が、ドイツが持ち込んだチェコ式機関銃に悩まされたことは、すでに有名な話ですね。
アメリカを警戒して日本と手を組んだナチスは、日本政府の要請で仕方なく中国から撤退しましたが、いまだ心情的に中共とは相性のいいドイツなのかも知れませんね。
しかし、国家社会主義(ナチス)の経験があるドイツと中国共産党が、経済的優位にあって再びヨーロッパ民主主義を蹂躙するという、あってはならない歴史の反復にも注意する必要があるのではないでしょうか?
今回はアメリカ民主主義は支援できませんよ、経済的にも・・・
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