2020年1月22日水曜日

それでも台湾国民は・・

蔡英文氏は817万票、そして韓国瑜氏が552万票で台湾は再び蔡英文氏が総統として就任しました。
圧倒的な差という民進党の勝利でしたが、それでも国民党が552万票も取ったこと、台湾国民はその意味を知っています。

産経に矢板明夫氏が書いておりますが、蒋介石と共に台湾に逃げてきた国民党の血筋の台湾国民にとって、国民党が消滅すれば自分達の行き場所がなくなることが、国民党支持の背景にあると言うことです。

本省人と外省人という括りがまだ残っているのかどうか、面白いつぶやきがあります。
「俺の父親は外省人で、母親は客家人。小さい頃からクラスメイトとは外省人・本省人の分け隔てなくつきあってた。俺が初めて省籍を意識したのは、選挙で政治家が言っていたときだ・・」
つまり、政治を意識した時この言葉が浮かんでくるということでしょう。

人口比が有効かどうかは判りませんが、外省人は1割程度だと言うことです。ですが総裁選の結果は国民党が552万票も取っています。何故でしょうか?

ある統計では、自分を「台湾人でもあり中国人でもある」と思っている人が34.1%も居るそうです。(2018年の統計)

おそらくこうなったのは、中共が仕掛けた「蒋介石は仲間」といった新しい国共合作という戦略ではないかと思います。
なぜ蒋介石は台湾に来たか、その歴史的意味が判らなくなる発想で、いかにも華人的その場だけの言い草ですね。

台湾の若い世代はあまり気にしては居ないようです。
「小学生の頃はよく耳にしていたけど、この10何年で耳にすることは少なくなった」とか「私は子供の頃、眷村(けんそん/台湾で外省人が暮らしていた地区)の子たちと仲良く遊んでた」と述べています。

しかし中共からすると、台湾の中に対立を喚起し中共にシンパシーを感じるグループが過半数を超えたら「民主主義」によって台湾を乗っ取ることができるという戦法ですから、今後は対立を煽るのではないでしょうか。

中共の戦略で日本にもその手が使われ始めています。「沖縄人は日本民族ではない」とか、「アイズは大和に差別されてきた」など、対立を煽り日本民族を分裂させようという作戦です。
それに乗っかっている政治家もかなり居て、菅官房長官などは「アイヌが先住民族であることは間違いない」などと根拠薄弱なことを信じ込んでいる発言をしています。

国連などから言われて、このよう発言をしているのでしょうが、国連の内部はすでに中共と朝鮮が乗っ取っています。
もはや国連として機能していないわけで、そんなところからの言い分を真に受ける政治家は、我が国に害があるだけの存在です。(IRを「地域復興のためになる」などと信じている政治家も同じです)

国民党が負けたことで、「このままでは居場所がなくなってしまう」と考える外省人の末裔たちを安心させる政策も必要ではないでしょうか。

若者たちが「本省人・外省人はもう過去の話」と言うのは、身内にはもう血が混ざっているからだと思います。
蒋介石が乞食のような軍隊を連れて台湾にやってきてからもう70年が過ぎています。2・28事件などもあって酷い目にあわされた台湾の本省人でも、歴史は歴史として現在は関係ないとする気持ちがあるようですから。

現在の対立は「北部と南部」が競っていると言います。台北のある北部と、台南とか高雄のある南部がどのように対立しているかは判りませんが、高雄や台南など、南部へ行くと、話される言葉も、台湾語の比率が飛躍的に高まるそうです。

民進党が南部を除いて大敗したときなど、「南部だけで独立したらどうか」という意見を出す人も居たそうですから、南部の方が台湾人意識が強いということですね。
台北などはほとんど北京語で話しているようですから。

南北や東西の対立とか、宗教対立などはどこの国にでもあります。ですから取り立てて台湾がどうのと言うことにはなりません。
ただし、このような対立構造を煽って、侵略の道具に使おうとする侵略国家があります。
台湾の心配はここにあるのでしょう。それでなくても中共の軍事的脅威が迫っている台湾なのですから。

今、台湾は本省人・外省人の区別なく、台湾として一つにまとまらなければならない時なのです。
「蒋介石・国民党は、中国共産党に追い払われて台湾に来た」ことを思い起こし、共に独立に向かってまとまった方が将来にとって良いはずです。今の中共のお金に騙されないで・・

まるで戦う気力の無い若者がいっぱいの日本が、言うべきことではないかもしれませんけど。

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