2017年9月17日日曜日

北の核はイスラムへ

イスラエルのネタニヤフ首相が、「イランはシリアを軍事拠点化している。狙いはイスラエル殲滅だ」と述べました。
ヒズボラのナスララという指導者が「イスラエルがシリアやレバノンを攻撃すれば、アラブやイスラム圏から何万という戦闘員が結集する」と述べたことから、「イスラエル対イスラム教徒」の構図という対立関係を作ろうとしているとのこと。

イスラエルはスンニ派盟主サウジアラビアを中心にしたイラン包囲網を作りつつあり、それに対抗する大義として、「イスラエル対イスラム教徒」の対決をヒズボラを中心に明確にしようと言う訳です。
レバノンのスンニ派ハリリ首相は、「ヒズボラは地域の脅威。イランの利害で動く」と述べております。シーア派とスンニ派の対決のようにも見えますが、それだけでしょうか。

北朝鮮問題でこのところあまり話題に上らなかった中東問題です。しかしアメリカが手を引いてイスラエルとイスラムの対決は収まったわけではありません。
そしてイスラム側が強気に出てきたわけは、北朝鮮の核開発が成功してきたからかも知れませんね。

イランには石油マネーが流れ込んでいます。イランの石油を買わないようにして、サウジなどから仕入れても、裏側では繋がっているでしょうから結局イランの石油は売れていると思います。
この石油マネーが北朝鮮に流れて、水爆の取引も可能になってきているのかも知れません。もちろん水爆だけでなくICBMのミサイルも売買の対象でしょう。

その道筋がついたということではないでしょうか。北朝鮮の核実験、そしてICBMの開発は北朝鮮にとって一つのビジネスになるはずです。ですから大型の核爆発を起こし、アメリカや日本が騒いでくれることでイスラム側はその性能を評価できます。
ICBM(火星X号などとしていますが)が日本の上空を飛び越えて3700キロ飛行したという情報は、イスラム側にとってはイスラエル攻撃にはどこに発射拠点を設けるかという情報になるはずです。

北朝鮮が核実験とミサイルの発射を続けるのは、イスラム側に対するショーウインドウのようなものと考えた方が良いのかも知れません。
グアム島近傍へのミサイル発射を断念し、襟裳岬沖1000キロ当たりの落としたのはアメリカ軍が怖いからではなく、その方がイスラム圏に対する宣伝効果が狙えるからではないでしょうか。

今、アメリカと事を構えてもなんの意味もない北朝鮮ですが、それを「アメリカに対抗するために核開発とICBMの開発」をしているような振りをしているだけかも知れません。
それがイスラム圏に対する武器ビジネスであることを悟られないようにするための謀略であるということも考えた方が良いかも知れませんね。

欧州は北朝鮮問題を対岸の火事と見ているようですが、中東に渡った核兵器、長距離ミサイルがいかに危険であるかは眼中にないようです。
また、北朝鮮の核とミサイルがどの国とも取引可能であることも忘れられているのかも知れません。核拡散防止条約の外側にある北朝鮮という存在をなぜもっと考えないのか不思議な気がします。もし北朝鮮を核保有国として認めても、北朝鮮が核拡散防止条約を守るとは思えませんからね。

アメリカなどで日韓核武装の話が出ていますが、いまさら核武装しても実際的だとは思いません。アメリカの戦術核を持ち込むくらいで良いのではないでしょうか。政治的兵器が「核」であると言う考え方がまだ強いようですね。
効果があるとすれば、それは発射直後に来た潮位戦ミサイルを撃ち落とすことです。敵地攻撃になりますから日本は憲法上出来ませんし、北朝鮮はすさまじい抗議を行うでしょうが、通常兵器での戦闘はまだ出来ないはずです。

それよりもMD:ミサイルディフェンスが高精度で可能であることを世界に見せつける方が有力ではないでしょうか。
イスラエルにこのシステムを装備すれば、イスラム側からのミサイル攻撃は撃ち落とせることになります。

ミサイルの迎撃はかなり難しい技術になりますが、Jアラートの発信で発射後すぐに探知するTHAADシステムと衛星監視などの性能をもっと上げて、さらに発射直後に感知する技術開発こそが必要でしょう。
さらの進めて、北朝鮮のような国家の上空を蓋をするように監視メッシュを張り巡らせたり、その延長で発射台のミサイルそのものの回路を焼き切るような技術開発をすべきです。

そして迎撃システムを完成させることこそ、核拡散を防ぐ唯一の政策であると思うのですが・・・

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