2014年4月24日木曜日

オバマ大統領、好物の鮨で接待され・・・

何かとギクシャクしてきた日米関係ですが、今回のオバマ大統領の訪日での接待は、より親密度をアピールする演出としては最適だったようです。

4月23日18時49分、羽田に着陸したエアホースワンから降り立ったオバマ大統領は、そのまま黒塗りの専用車に乗り込み都心に向かい、銀座の雑居ビルにある「すきやばし次郎」で安倍首相との飲み会が始まりました。

この演出は、事前に日本側がすし店での会食を米側に打診し、オバマ氏が快諾したというもので、オバマ大統領の表情からは、リラックスした感じが見えていて大成功だったようです。

このような演出は、1979年にカーター大統領の来日時に六本木の焼き鳥屋にお忍びで行った時が最初だったかも知れませんね。
焼き鳥屋にしろすし屋にしろ、普段は一般国民が飲み食いする所で、高級と言ってもそれほどビックリする価格でもないでしょう。(まあ安酒場ではないでしょうけど)

つまり中共とか韓国には真似のできない接待ということです。そしてアメリカの大統領は、このような接待がとても似合う国家元首ですね。
大いに飲み、食べ、そして屈託のない意見を交換するような、我々もいつもやっているような、そんな接待が演出されました。

もちろんその裏側では日米の官僚達が大変でしょう。24日の日米首脳会談でどのようにまとめるか、その駆け引きが活発に行われます。
尖閣諸島の東シナ海での中共へのメッセージ、TPP交渉の行方など、だいたいは決まっていてもその強弱の付け方が大変なようですね。
TPP交渉に牛肉の関税問題が入っているために、今回はすき焼きではなく「お寿司」にしたと言うくらい際どい交渉になっていますからね。

さて、一夜明けての首脳会談です。会談に先立って皇居での歓迎式典に臨み、天皇・皇后両陛下と面会してから、迎賓館での首脳会談を午前中に済ませて午後1時前には共同記者会見を行うというスピードです。
「集団的自衛権の行使容認に向けた検討状況を説明し、オバマ米大統領から『歓迎し支持する』との立場が示された」とは安倍首相の弁。これで集団的自衛権行使に弾みがつくでしょう。安倍首相は日本の安全に深刻な影響を及ぼす事態が生じれば、限定的に集団的自衛権行使を容認する方向で憲法解釈を見直すことになります。

中共の「力による現状変更」に明確に反対することで両首脳は一致。オバマ氏は共同会見で、「尖閣は(米国の日本防衛義務を定めた)日米安全保障条約第5条の適用対象だ」と明言しました。
これでこのオバマ大統領のアジア歴訪が、中共包囲網になることは間違いありません。

オバマ大統領は、25日には客船沈没で大変なことになっている韓国を訪問し、その後マレーシアとフィリピンを訪問する予定です。
あくまでも「この歴訪は中共包囲網ではない」と言いながらも、実質的には東シナ海と南シナ海での中共の侵略を非難する歴訪になっていくでしょう。
日本で「(中共の)力による現状変更に明確に反対」した以上、フィリピンでも同じ南シナ海での中共の侵略を非難するはずですからね。

オバマ大統領は中共について実に巧みな発言をしております。「中共が平和的に台頭をすることは米国も支持している。」と述べて中共を持ち上げてから、「貿易、気候変動、開発、に関しても(中共に)関わってほしい」と無理な注文を出し、その上で「われわれ米国は中共とも非常に緊密な関係を保っている。」と述べて、そして「大きな国も小さな国も全て正当で公正なルールに従う必要がある。」としてロシアのクリミア問題なども引っ掛けて、大国の国際ルールの尊守をアピールしました。どうやらこの後の「南シナ海問題」に繋げたいようですね。

オバマ大統領は拉致被害者の横田さん夫妻と飯塚・家族会代表との面会を行ったようです。
北朝鮮は中共と対峙しましたから、日本に向けて何かと支援を要請するはずです。すでに現在は拉致問題解決のための日本の調査団を受け入れて、独自調査が可能になるかどうかという瀬戸際なのです。ここでオバマ大統領が家族会と合えば、北朝鮮が態度を硬化することも考えられます。

もちろんアメリカとしてはこれは計算済みのはず。日本と北朝鮮が外交を再開すれば、北朝鮮の核が日本の核技術と結びつく危険性を知っているのでしょう。
あくまでも北朝鮮側の拉致を非人道的な行為と非難し、日本と北朝鮮が対峙し続けるように仕向ける必要がアメリカ側にはあるわけです。

北朝鮮はアメリカ大統領のアジア歴訪を事前に「危険な外交」として非難しています。日本としては、もし拉致問題が解決へと向かった後は、核問題を交渉しなければならず、欧米はそこをしっかりと見張っているはずです。注意深く進めないと入り組んだ事態になってしまいかねませんね。

短時間でも盛だくさんなアメリカ大統領の訪問でした。14貫のお寿司がオバマ大統領にパワーを与えたのでしょうか。
オバマ大統領の歴訪は続きます・・・

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