2013年5月3日金曜日

尖閣諸島をめぐる崔天凱駐米大使の猛反発


小野寺防衛相とヘーゲル米国防長官が、4月29日に米国防総省で初めて会談して、「尖閣諸島の現状変更を試みる、いかなる力による一方的な行為にも反対する」と確認しました。そしてそこが日米安全保障条約の対象であることも確認したわけです。

これに対して中共の駐米大使である崔天凱氏が猛然と反論をして来ました。「情勢をあおり、緊張させたのは日本側であり、一方的で脅迫的行動を取ったのも日本側だ」と叫び「事実や是非ははっきりしている」などと自国が勝手に作った法律が根拠のようなことを述べました。

この意味ですが、尖閣周辺は日本の領土であり日本の法律が適用されるわけですが、そこに「中共が経済と軍事の大きさで中共の方が上だから」尖閣の覇権は中共にあると言っているわけです。(覇権とは「その国の法の管理下にある」ということです)
華人だけに通用する絶対の「きまり」であり、俗に言う「中華思想」。その行使が大使の言う「事実や是非ははっきりしている」ということの意味だと思います。

同じ論理が南シナ海でも行われていて、当然ベトナム、フィリピンはそれを認めておりません。
海洋の取り決めは、国際海洋法に決められています。またこれとは別に国連海洋法条約ものもあります。この国連条約に日本は1983年2月に署名し、1996年の7月20日に発効しております。だから7月20日は「海の日」という休日なのですよ。
ここに日本の海域が明記され、尖閣諸島周辺海域は日本の領海となっております。

これを無視して、「経済と軍事が強くなったから俺のもの」ということは国際法上も通用しません。にもかかわらず、自国の領海を押しきろうと言う中共の真意は、「核戦略でアメリカと対等」になろうという意思があるからです。
でもアメリカから見ればそんなことを「OK」する訳がありません。自国民を中共の核の脅威に晒すことを是とするアメリカの政治家はいるわけないでしょう。

崔天凱大使が「情勢をあおったのは日本だ」と叫ぶのは、このことを秘密裏に実行して、「気がついたらアメリカの核戦略と対等になっていた!」としたかったのに、日本がぶち壊したと言う意味でしょうね。中共の焦りの代弁を大使が行ったことになります。

尖閣問題を明確に示したのは、2010年9月に起きた「中共の不法操業漁船が日本の海上保安庁の巡視船に体当たりした犯罪事件」でした。
当時の管首相は、この事件を「事なかれ主義」で納めようとしました。マスコミもそうでした。しかしインターネットが機能します。海上保安官の一色正春氏が、衝突の真相のビデオをYoutubeにアップして、世界中の心ある人々が見てしまったわけです。
真実が明るみに出て、中共が犯罪国家であるとバレたことを、崔天凱氏は「日本が煽った」と表現するわけです。犯罪者特有の「あいつが悪い(僕が悪いんじゃない)」式の表現です。

日本側としては、あの衝突事件の映像を基にして、ドキュメンタリー映画を作って世界で公開することが面白いかもしれません。NHKに作らせるのも一つの方法ですが、「チャンネル桜」が寄付を集めて作ればきっと良いものが出来るはずです。
そしてこの映画で日本の遵守する海洋法、国連海洋法条約などについても触れておいた方がいいでしょう。

さて中共は次の手として、国連の憲章にある「敵国条項」を使う可能性が高いそうです。京都大学名誉教授の中西輝政氏は、「中共がこの敵国条項を日米安保を無効化する“必殺兵器”と考えている可能性が高い」と述べました。
尖閣諸島の国有化が、国連憲章の「旧敵国による侵略政策の再現」とみなされるかも知れないと言うのです。

しかし、この敵国条項そのものは1995年12月の国連総会決議で、日独両国から「憲章から削除を求める決議」が提出されて、採択までされております。
日本国憲法と同じで、憲章の変更には議会の3分の2以上が必要なために、憲章の中には残っていますが、「決議採択」によってそれを死文化したわけですね。
もちろん中共はこのようなことは無視するでしょうけど・・・

まあ最後の一手は国連からの脱退ですが、そうするとアメリカだけが負担金を背負うことになり、経済破綻のアメリカはそれを維持できなくなる可能性があります。やがて国際連合はその存続のための経済基盤を失い、瓦解するかも知れません。(中共が金を出して支えるなんてことは絶対にないでしょうからね)

崔大使の猛反発は、ここら辺までは考えてあるでしょうけど、その後のことはどうするつもりでしょうか?
むしろ中共の方が生き残れないのでは?

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