2013年3月7日木曜日

北朝鮮はトゥルーマン・ショー


グーグルの会長が北朝鮮を訪問した時、それに同行したのが19歳になる娘のソフィーさんでした。
その彼女が、北朝鮮での体験を記した旅行記を自身のブログに掲載し、話題になっているとか。そしてそのブログには、「普通の日常生活だと信じてきたことがすべて他人の脚本で仕組まれていたという1998年の米映画『トゥルーマン・ショー』のようだ」と述べたそうです。

トゥルーマン・ショーという映画を見ていないと、この意味は判らないでしょう。以下のサイトで無料公開していましたが、もしかしたら違法公開かもしれませんのでご注意のほどを。
http://freemovielib.blog47.fc2.com/blog-entry-436.html

1998年に公開された映画で、「マトリクス」が公開されたのが1999年ですから、ちょっと似たような感じもいたします。マトリクスが活劇になっているのに対して、このトゥルーマン・ショーはホームドラマに様な形式をとっていて、共産主義批判としてはわかりやすい構成になっていますね。

ソフィーさんが述べたように、共産主義によって達成しようとする理想の社会は、このトゥルーマン・ショーで描かれた、「万里の長城のような巨大スタジオ」の世界に酷似しています。

「とてもとても寒くて、とてもとても奇妙な旅でした。私たちが思い付くことができる最高の説明。それは北朝鮮というのは映画『トゥルーマン・ショー』のような国だということです」というソフィーさんの説明は、「どこでも盗聴されている」という北朝鮮の現実、「商業店舗がほとんどない」という仮想現実のような首都、そして「周到に用意された出会いと、厳しく管理された観光などが入り交じった旅」という感想で訴えられます。

「当局が許可しない北朝鮮の人々との交流は全くなく、常に監視役2人が近くにおり、2人の監視役も常に相互監視していたようだった」ということ。
「金日成総合大学や朝鮮コンピューターセンターなどを訪問しました。金日成総合大学の電子図書館では90人の男性がコンピューターの前に座っていましたが、操作していたのはごく少数で、ほとんどは画面をじっと見つめていただけでした」と、その異様さ、即ちそれが演出であることを見事に見抜いております。

さらに「私たちが騒がしく入っていっても、誰ひとり目を合わせず、刺激にも反応しません。まるで人形のようでした」と語られていますから、トゥルーマン・ショーでのエキストラより演技が下手だったと言うことでしょう。

最後に、北朝鮮の国民について「一般の人々は、泡のように心もとない情報の中で生きています。真の情報を手に入れる環境は与えられていないのです」とその環境を説明し、「北朝鮮の人々は自分が北朝鮮で生まれたことが幸せだと信じるように教育を受けたような感じで、彼らは自分では気付いていないのでしょうが、国家の人質と化しています」と、辛らつに表現しました。

ここまで行わないと、共産主義の理想は達成できないようです。
ちなみに、毛沢東の時代に中共で仕事をしたことのある友人も、このソフィーさんと同じ感想を述べていましたから、まあ中共も北朝鮮も似たようなものなのでしょう。

拉致被害者家族会の横田早紀江さんが、「北朝鮮には真実が無い。嘘ばかりの国家です」と泣きながら訴えておられましたが、それを映画・トゥルーマン・ショーのようだとソフィーさんは表現しました。
嘘で固めなければ成り立たないのが共産主義/社会主義の現実ではないでしょうか。日本の民主党がマニフェストを全部「嘘」にしてしまったのも、彼らが社会主義思想の持ち主だったからではないでしょうか?

映画・トゥルーマン・ショーでは、異常に気がつき始めたトゥルーマンが、眼に見えぬ操作陣(プロデューサーなど)を相手にさまざまな挑戦を試みて、最後にその世界がスタジオであることを発見し、EXITと書かれたドアを開けます。プロデューサーが「君が今居るところが一番幸せな場所だ」とトゥルーマンに話しかけますが、彼はそのプロデューサーにジョークを飛ばして、そのドアの外側に向かって行きます。

さて、北朝鮮の国民にその度胸があるでしょうか?
「君が今居るところが一番幸せな場所だ」とは北朝鮮当局がいつも国民に語りかけているフレーズです。それに疑問を持ち、真実を知ろうとすると「収容所」に送られてしまいます。
脱北者も、国外で亡命政府を立てようとしても、韓国とか日本では殺されてしまいます。アメリカ国内ですら安全ではありません。

しかし、それでも結束して立ち上がるべきでしょう。国民が飢えに苦しんでいる限り、その体制には存在意義はないはずです。例えどんな体制であろうと。
生産基盤をしっかりとするには、資本の有効利用をするしかなく、プラスの資本回転を付けるしかないはずです。敗戦後の日本がそうしたように、アメリカを利用することです。
北朝鮮政府は「休戦協定白紙」と言い出したそうですが・・・

早く共産主義の既得権を武力で叩き潰し、民主主義を実践するべきです。そしてそれをするのは脱北者のグループしかいないはずです。

トゥルーマンが最後にドアの向こうに入って行ったように・・・

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