2013年3月6日水曜日

全国人民代表者大会、軍事費拡大を正当化


全国人民代表者大会が開かれている中共。
それに先立って、人民政治協商会議の銭利華氏が、「(尖閣諸島の対立で)軍事的解決は問題を解決する最後の手段で、両国が問題を抱えている時、軽率に戦争や軍事行動について語るべきではない」などと述べています。

恐らく、安倍首相のアメリカでの演説、「われわれはこの問題をエスカレートさせるつもりはないとはっきりと申し上げておきたい」との発言に対抗した発言のつもりなのでしょう。
そして、もっと中共の軍事力を強くして、「勝てるようになったら攻めよう」という発言と思われます。
要点は「両国が問題を抱えている」という台詞回し。安倍首相は「尖閣諸島は日本の領土であり、そのことに何の問題も無い」と述べておりますから。

だから、続く全国人民代表者大会では、「中国の国防力強化は地域のさらなる安定や世界平和にプラスになる」などという発言が出てくるわけです。
しかし、10年間で3.5倍に膨れ上がった軍事費に対して、国際社会の警戒感は強まる一方です。

中共は、自国の軍事力を「平和的かつ防御的で、国防力の強化は他国を脅かすためではない」などと述べておりますが、他国がこんなものを信用するはずはありません。
現実に南シナ海がどうなっているのか、見れば判ることです。

中共の目的は、すでに共産圏の拡大ではなく、中華思想という人種差別思想を世界に蔓延させること。それしかないようです。
しかしそれは世界の中共を除く他の国のどこも望んでおりません。
「世界の中心の華のために世界が貢物を供給し続ける」などという思想が実現することは無いのです。

これに対するアメリカの世界戦略は、キリスト教の背景を持った資本主義の拡散です。
聖書に書かれた「タラントの教え」を基本に組み立てられた資本主義の拡散は、神から与えられた自分(個人)の才能を磨き上げ、人類社会に貢献せよと言うものです。

この牧歌的資本主義に蒸気機関というエネルギー革命が加わって、近代資本主義、即ち産業主義が生まれます。爆発的な生産性の向上が莫大な利益を生み出し始めたとき、マルクスという男が「資本は集約する」という資本主義への警鐘を示唆します。そして「資本は国家が責任を持つべきだ」という社会主義思想が生まれ、自由資本か国家資本かという対立したイデオロギーが、人類社会を真っ二つにしましたね。

さて、家族と言うのは、父親が生産に励み、家族を養います。この家族を社会の基礎単位として、自然発生的に成立していく社会が国家となった日本。個人の存在も基本は家族への所属であるということです。
日本は、この家族思想を大きく膨らませます。世界(東洋)を一つの家族とする「八紘一宇」という思想です。
これは、産業主義ではない社会主義思想かもしれません。
日本が「人類平等」をいう時、そこには家族的な構造の意識があります。だからこそ日本人は「生産技術」を世界中に教えよう(広めよう)とするわけです。そしてこれが日本の世界戦略ということになるでしょう。

欧州はいまだ貴族主義です。産業は英国とドイツでは発展しましたが、他の国ではそれほどでもありません。技術よりも科学が尊重されます。アカデミック貴族主義とでも言いましょうか。
しかし生産力が弱いことは否めません。それゆえに「ユーロ」は結局マルクの欧州制覇(ヒットラーの予言どおり)という結果にしかなりません。ユーロが生き残った場合ですけどね。

それぞれのグループ同士が必死の戦いを繰り広げております。しかし、この中華思想だけは認めることの出来ない思想ではないでしょうか。
究極のハイアラーキーということですが、仮に実現したとすれば人類滅亡の危機ということになるからです。
強固な差別のピラミッド構造が出来るわけですが、本来ピラミッド構造というのは、空間的には強くても「時空間」ではきわめて弱いものですから。

中共が共産主義思想で固まっていた時期(毛沢東の時代)は、豊かにならなくても安泰だったでしょう。毛主席はそういう華人の特性を良く知っていたようです。
しかし、豊かさを求めたトウ小平主席の時代から、中共はおかしくなって行きます。習近平主席になり、華人の民族主義(大中華主義)が出てきた時、この国は崩壊が始まった感じがいたします。

自国の水を汚し、空気を汚し、欲と逃避の華人の本音が抑圧され、国家資本は限りなき軍備拡張に浪費される・・・やがてこの中華の本質は世界に認知されるでしょう。国際資本は逃げ出し、中途半端な近代兵器は、敵を威嚇する前に自国を崩壊へと導くことは間違いないのではないでしょうか。

世界中の誰も望んでいない結果ですが、中共はまさしくこの道を歩み始めております。このような国家の推移を、「自滅」というのです。

そのスタートとなる全国人民代表者大会が、いま北京で行われています。

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