産経に古川貞二郎氏(85歳)のインタビューが掲載されていました。
古川氏は、平成7年2月から15年9月まで政府の事務の官房副長官を務め、その後「小泉純一郎政権(13~18年)」の時に首相官邸から「『皇室典範に関する有識者会議』を設置するので参加してほしい」との話があり、メンバーに参加した方です。
古川氏は昭和天皇の崩御による「大喪の礼」や明仁(平成)天皇の「即位の礼」に関係する一連の行事を、官僚の事務方として指揮されました。元厚生省の官僚だった方です。
有識者会議とは、小泉元首相が皇位の継承者が少なくなり、象徴天皇制の存続に危機感を抱いたために作られた会議です。
17回の公式会議が行われ、17年11月に報告書を取りまとめたと言うことです。
インタビューワーとの応答はだいたい次の通りでした。
「皇室では昭和40年の秋篠宮さま以降、男系男子のご誕生がなかった。政府内での危機感は強かったでしょうか」という質問に対し、古川氏は「橋本龍太郎政権(平成8~10年)のときに危機感を抱き、橋本さんと2人だけのときに『皇位継承は宮内庁ではなく政府が検討すべき話だ』と意見を申し上げましたが、橋本さんは『まだ時期ではない』と考えておられるようだった」と述べておられます。
「皇位継承に関する勉強は前任の石原信雄元官房副長官から引き継ぎられたのですか?」との質問に対しては「私が個人的に行っていたもので、引き継ぎを受けたことはない。皇室には長い歴史と伝統があり、勉強しておかないと判断を間違えてしまう。天皇制がどのように継承されてきたのか、どう継承されていくのかなどを勉強していた」と述べられています。
「皇位継承の不安定化の要因はなんでしょうか?」という質問に対しては「大きく2つあると思います。1つは皇室も少子化と晩婚化が進んでいること、2つ目は側室制度が廃止されたこと。側室は男系男子による皇位継承を維持するシステムだったとも言える。しかし、現代では側室の復活はあり得ません」と答えられています。
また、「有識者会議では女性・女系天皇が容認されましたが・・」という問い掛けには、「女性天皇には有識者会議を開催した当時の世論調査でも7~8割の支持がありました。女系天皇に関しては議論がありましたが、女性天皇を認めても、女系天皇が認められなければ一代先延ばしにするだけで安定継承にはなりません。象徴天皇制を後世に受け継いでいくためには、過去には前例はないかもしれないけど、女系天皇は認めざるを得ないという結論になったのです」と答えられております。
さらに「旧宮家の皇籍復帰が見送られたのはどうしてですか?」との質問には「多くの国民が賛同する限り、旧宮家の復帰でもよいとは思う。」と答えられた後、「古代の継体天皇のようにかつては遠縁の男系継承者を探し出したこともありました。しかし、当時は今日のように情報も発達していませんでした。現代の象徴天皇制は国民の合意の上に成り立つものであって、世論調査では多くの国民が女性・女系天皇が良いと考えている(ようです)。旧宮家は今の天皇家との縁が600年以上前にさかのぼり、戦後に皇籍から離れて長期間経過しており、国民が納得するのかという懸念があったのです」と付け加えています。
そして「女性・女系天皇を認めれば、これまでの皇統と異なることになりますが、それでも必要でしょうか」との質問には「私は男女共同参画や欧州の王室が女性の継承を認めているなどの理由で女性・女系天皇を認めようというわけではありません」と言い切って、その後「保守派の中には、悠仁さまがご結婚され、男子の誕生を期待する声もありますが、それは制度論ではないです。男子が生まれる保証はどこにもなく、偶然に期待するのはリスクが大きすぎます。男子が生まれなかったときに『女性天皇でも良いじゃないか』と言い出しても遅い。今の決まりでは皇族女子がご結婚されたら民間人になってしまう」と皇室の危機は依然としてあることを強調されました。
「象徴天皇制が維持できるのであれば、必ずしも女性・女系天皇にはこだわらないのですか?」との質問には、「もちろんそうです。どのような方法でも良いのです。大事なことは国民が納得し、象徴天皇制が後世に引き継がれる方策をとることです。その責務が政府にはある。わが国にとって大切な象徴天皇制が代々続いていくための対応をしていただきたいと、私は虚心に願っています。決して諦めてはいません」と答えられています。
さて、このインタビューを通して一貫していることは、「国民が納得する」ことを一番重視しているように思います。と言うことは古川氏は「天皇猊下の上に国民を置いているのではないか」という疑念です。ですから「国民が納得しなければだめ」という結論になるのです。
日本国憲法に「天皇の地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」と書かれていることから「国民が納得しなければだめ」と述べているのでしょうね。しかしこの憲法そのものが天皇を排除するためにGHQが作った憲法であり、作成に当たった多くの関係者(アメリカ人)が共産主義者であったことを忘れてはいけませんね。
また、国民へのアンケート調査でも「女系天皇で良い」と答えた国民が「女系天皇の意味を知らない」という結果が出ています。つまり、国民は無責任に答えているだけです。なぜ無責任かと言うと、そんなことは皇室という家の中の問題だからです。
もしも今上陛下の一人娘である「愛子内親王」と、旧宮家の東久邇宮家の若い男性との婚姻が成立し、皇室復帰と悠仁親王の前に皇位継承権が成っても、多くの国民は祝福はするでしょう。
秋篠宮家の「佳子内親王」と、北白川宮家の若い男性との婚約がなされ、その男性が秋篠宮家を継承することになっても、多くの国民は祝福するでしょう。
我が国の婚姻制度は家と家の婚姻であり、当人同士の愛などは関係がありませんでした。好き合っての婚姻の多くは「駆け落ち者」だったと思います。
それが戦後、我が国を占領したキリスト教徒が個人主義を持って反転してしまっただけです。
そして皇室はキリスト教などに染まってはいけないのです。神道なのですからね。
戦後、日本は「駆け落ち者」だらけになってしまいました。ですからDVなどが頻発しているのではないかと思っています。キリスト教徒でもないのに個人主義を謳うからです。
古川貞二郎氏には、このようなことも研究して欲しいものですね。
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