アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が11月11日に終了しました。注目を集めた日中首脳会談と米中首脳会談でしたが、さまざまな評価がなされているようです。
我が国にとって一番問題だった日中首脳会談は、ご存じのように習主席の安倍首相と目を合わせないような、無礼な態度だけが目についたわけですが、この会談の前に外務省の役人との間で合意文書が作られていたとか。7日付の「日中関係の改善に向けた話し合いについて」という合意文書があったわけです。
その内容を以下にまとめておきます。
・日中関係の改善に向け、これまで両国政府間で静かな話し合いを続けてきたが。今般、以下の諸点につき意見の一致を見た。
1・双方は、日中間の四つの基本文書の諸原則と精神を遵守し、日中の戦略的互恵関係を引き続き発展させていくことを確認した。
2・双方は、歴史を直視し、未来に向かうという精神に従い、両国関係に影響する政治的困難を克服することで若干の認識の一致を見た。
3・双方は、尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識し、対話と協議を通じて、情勢の悪化を防ぐとともに、危機管理メカニズムを構築し、不足の事態の発生を回避することで意見の一致を見た。
4・双方は、様々な多国間・二国間のチャンネルを活用して、政治・外交・安保対話を徐々に再開し、政治的相互信頼関係の構築に努めることにつき意見の一致をみた。
これが合意文書の内容です。
むりやり意見の一致を引き出すような書き方、作文になっていますが、これが中国語に訳されれば、全く内容が変わってしまうことは間違いないでしょう。
まず、戦略的互恵関係の互恵とは双方に利益があることを言いますが、主張が真っ向から対立していてどうやって互恵関係を維持させるのでしょうか。
そして2項目の「若干の認識の一致を見た」とは、「大部分では認識の一致は見なかった」と解釈すべきでしょう。つまり現実には破談だったわけですね。
「歴史の直視」とは、東京裁判の欺瞞とか、中国戦線で戦っていた相手は「蒋介石」だったことなど、。現中共とは全く戦闘は行われていないことなども含まれるはずですから、認識など一致するわけはないのです。
我が国の持っている「歴史の直視」を中共が認めれば、中国共産党は崩壊するはずですからね。
東シナ海に関して、異なる見解を有していると認識したそうですが、それは我が国が尖閣諸島は日本領土で、領有権問題が無いと言う主張を中共側が認識したと言う事でしょうか。もちろん我が方は、その尖閣海域に中共が便衣兵を使った侵略をして居ることは認識しております。
この戦争を、これ以上悪化させないように「危機管理メカニズムを構築」するそうですが、まあほとんど効果は無いでしょうね。(この戦争はさらに悪化するでしょう)
不足の事態の発生を回避するために、尖閣諸島の日本漁船の漁業活動が阻害されるのであれば、それは本末転倒ですし、空自のスクランブルを阻害すれば、それは売国行為でしょう。
さらに「政治・外交・安保対話を徐々に再開し、政治的相互信頼関係の構築に努めることにつき意見の一致をみた」などと余計な文言が入っていますが、これが努力目標となるくらい悪化している理由が、中共側にあることを認識せざるを得ません。
中共が東シナ海に出て来ることは間違いなく、それを止めようとしない限り相互信頼関係は出来ないからです。
APECブルーの空のもとで行われた首脳会談ですが、APECが終われば再び灰色の空に戻る中共です。やらなくても良い首脳会談をやらせた外務省。そしてオバマ・アメリカの圧力があったそうですね。
レームダックと化したオバマ大統領ですが、それでも外交の背後にはアメリカ軍が控えています。日本は自衛隊という公務員の集団しかおりません。ポジティブリストでは現実の国防は出来ないからです。
習政権がやりたかった米中大国会談・・・しかしそれは失敗だったと、評論家の鍛冶俊樹氏が述べています。
「日中が25分間だったのに対して、米中が二日間に渡り計8時間の会談であり、中国の米国に対する厚遇振りが目立った」などと解説するマスコミがあるが、それは間違いです。
アメリカによって日中首脳会談が米中首脳会談の前提条件にされたこと、そして習主席は南シナ海進出の合意を米国から取り付けるための米中首脳会談を画策したのですが、会談はこじれ異例の長時間となっただけで、結果的に習政権は米国の合意を得ることは出来なかったということです。(当たり前です)
この会談の決裂で、南シナ海は侵略している中共と、アメリカを含むオーストラリア、フィリピン、ベトナムのにらみ合いが続く海域になり、ますます戦争の危機が近づいてきたように思います。
我が国の「憲法改正」を急がなくてはなりません。
それが今回のAPECが残したものではないでしょうか・・・
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