2012年4月2日月曜日

海上自衛隊イージス艦、東シナ海へ・・・


北朝鮮が人工衛星を上げると言うことで、やっと大儀ができた日本の防衛庁です。
海上自衛隊のイージス艦「きりしま」が31日午前、海自横須賀基地(神奈川)を出港し、4月上旬に東シナ海に展開、迎撃可能な態勢に入るとのことです。展開するのは他に「みょうこう」、「ちょうかい」の合計3隻。

さらに沖縄県の本島や石垣島、宮古島、東京・市谷の防衛省などには陸上の防衛体制として、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が配備されます。

この布陣、東シナ海有事の時と同じなのではないでしょうか?
この布陣の目的としては、北朝鮮のロケットが失敗し、本体や一部が日本領域に落下してきた場合に、大気圏外で迎撃することと、それでも打ち損じた場合に備えてパトリオット(PAC3)が配備されると言う事ですが、日本全土の重要拠点7箇所に配備されるのは、おそらく大陸・中共との紛争に備えてのシミュレーションではないでしょうか?

しかし、衛星打ち上げ用のロケットだとしても、発射直後に姿勢が崩れ、日本領土内に落下することを予測確認したあと、大気圏外で迎撃することの難しさは、いまのところ言われておりません。
これは、日本を標的とした中共の核ミサイルを打ち落とすより、はるかに難しい迎撃ではないかと思います。

それだけに、もし迎撃に成功すれば、中共は日本に対する核戦略を見直さなければならないかも知れませんね。

迎撃には失敗しても、もしイージス間から迎撃ミサイルが発射されたら、そこから多くの情報が得られるはずです。本番はあくまでも中共のミサイル。北朝鮮のミサイルではありません。

日本と北朝鮮は拉致問題を抱えてこう着状態。しかも現日本政府には北朝鮮の拉致問題にすら関わる暇はないようです。
アメリカが北朝鮮との単独交渉をはじめ、核開発の中断を呑ませ、その見返りに食料援助をまとめようと動き出した直後、発表されたのが「人工衛星の打ち上げ計画」でした。

北朝鮮からミサイルを飛ばし、その距離を誇示しようとするのはアメリカに対する牽制とも考えられますが、発射方向が東シナ海であることを見て、アメリカの同意が得られているのではないかとも勘ぐれます。
すなわち、東シナ海農耕に人工衛星に見立てたミサイルを発射すると北朝鮮が言うならば、北京は文句を言えないだろうし、これを大儀として日本の海上自衛隊が東シナ海で実戦配備につくことが可能になるということです。
北京からは北朝鮮に「憂慮伝えた」ということですが、日本に対しては「冷静な対応を・・」などと仙台で程永華駐日大使が述べています。

アメリカにとって、日本のイージス間から得られる情報は、訓練の場合よりも実戦に近い情報になるのではないでしょうか?
軍事的にどのような解析がなされるのかは判りませんが、本番に備えて北朝鮮を使った訓練を行うことは、かなり意味のあることと思えます。
しかも、このような地域で軍事訓練を行えば中共だ黙ってはいないでしょう。しかし北朝鮮の人工衛星であれば何も言えません。
日本の正規軍が展開するのは、あくまでも失敗して日本領土に落下する場合に備えてのこと・・・という理由が通ります。

日本と北朝鮮は、拉致問題があるために政治交渉はできません。まずは拉致被害者の返還交渉からになりますから。
しかしアメリカは交渉することが可能です。核開発凍結が大儀であり、交渉決裂でもかまわないわけですから。
これを利用した「中共封じ込め戦略」。そういう戦略だったら頼もしいのですけどね。

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