ホルムズ海峡の危機が迫る中、英国とフランス、そしてアメリカが海峡に集結を始めました。核開発を止めようとしないイランへの石油禁油の発動で、イランが海峡封鎖を行うことを前提にした展開です。
日本は今後段階的に輸入量を減らすとして、今後しばらくはホルムズ海峡を使用する立場にあります。
いくらなんでも、その安全を英米仏などにまかせて知らん顔は出来ませんから、海自の艦船を派遣することを決めたようです。
派遣の法的根拠は海上警備行動であって、現行法の枠内で対応するとのことですが、今度はアフリカ・ソマリア沖の海賊対策とは異なり、英米の挑発なども考えられる海域です。
「戦闘状態のときは限界があるかもしれないが、その前後にできること」を行うというのが野田首相の言葉ですが、戦闘状態になる可能性は、今までよりも高いのではないでしょうか?
日本のエネルギーは原子力発電に移行していました。しかし昨年の大震災で福島の原発が被災してから、エネルギー問題など眼中にない原発反対運動が生じ、定期点検に入った原発はそのまま停止状態となっています。
電力は止めることができませんから、火力発電に切り替えましたが、それは石油をがぶ飲みする発電であり、その結果として中東依存度が高くなってしまい、自衛隊派遣につながっていくという筋書きになったようですね。
アングロサクソンが牛耳ってきた石油。そのために多くの血が流されました。
産業革命以降、技術開発が進み市場支配の対立と、石炭から石油へのエネルギー革命が始まり、その市場とエネルギーを求めた衝突が第二次世界大戦だったとも言えるでしょう。
戦後、アメリカは石油メジャーをもって世界市場を寡占し、世界の産業を押さえ、アメリカを経済大国として「自由・民主主義」の旗の下、ドルを基軸通貨として世界の貿易をリードします。
これに対抗したのはソビエト連邦ですが、技術革新の激しい競争で共産主義の非効率が重荷となって自壊してしまいました。
現在、ロシアは天然ガスを売りまくって、石油メジャーと対抗しています。
石油メジャーは、中東の浅い油田を掘り切ってしまいました。石油自体はまだ地価に豊富にあるようですが、深い井戸を掘らねばならず、原油価格が高くなる懸念があります。さらに中東のイスラム教の不安定な国家と、生産性の低い体質が石油をベースにした補助金漬けに飲み込まれ、反米で騒げばお金がもらえるとする悪循環から脱却できなくなり、その補助金が年々高くなって、もはや容認できないところまで来ているという現実があります。
そこで石油メジャーは、オイルから原子力へのシフトを戦略として作り上げます。それを察知したイランがアフマディネジャド大統領を立てて「ウラン濃縮と核開発」を打ち出しました。
プルトニウム燃料サイクルを牛耳ろうとしているアングロサクソンは、ただちにイラン制裁に動きました。そしていよいよ制裁処置の最終段階。経済封鎖とホルムス海峡封鎖の危機がせまります。
アフマディネジャド大統領は、海峡封鎖のゼスチャーはしておりますが、これがアングロ・アメリカの挑発であることは見抜いているようにも見えます。
石油禁輸に同調しない中共は、イランから原油を買い叩くチャンスくらいしか考えていないのかも知れません。日本は輸入を段階的に減少させると、またまたあいまいな返事。どのくらいの時間をかけて減少させるのかは、原発再開の様子見というところでしょうか?
英米にとっては、イランが日本のタンカーを攻撃し、自衛隊が応戦出来ずに、英米艦船が応戦して日本タンカーを助け、その上でさっさと禁輸に動けと警告するのがもっとも好ましいスキットなのでしょうけどね。
はたしてイランの対応は・・アフマディネジャド大統領は数日中に重大な発表を行うと述べましたけど・・・
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