2011年12月5日月曜日

F35の開発さらに遅れるもよう

日本の次期主力戦闘機として、完成が待たれるロッキードマーチン社を中心とした9カ国共同開発というF35マルチロール戦闘機。

しかしその試作機を1年間運用した結果、複数の場所から金属疲労の不具合が見つかったとのこと。
米国防総省の担当責任者、デービッド・ベンレット海軍中将は、この不具合について「ほとんどが小さなものだ。しかしまとまれば大きな負担になる」と述べ、開発計画を遅らせる方が懸命であるとの考えを出しました。

ステルスという基本コンセプトを重視した結果、その機体形状には従来の航空力学に反する部分もあるのでしょう。
戦闘機としては、さまざまな運動性能は不可欠。いまや昔の空中戦のようなドッグファイトはないだろうとは言うものの、実戦になればなにが起こるかはわかりません。
もし、ドッグファイトにウイークポイントがあるとなれば、敵はいかにしてそこに持ち込むかを考えるでしょう。ドッグファイトに持ち込むことは無くても、同様のストレスをいかに掛けるか、それが新たな戦闘技術になるかも知れません。
即ち、戦闘機は従来の能力は保持したまま、新しい性能、例えばステルス効果を付加しなければいけないわけです。

レーダー技術はすでに完成しています。もちろん敵側もそれを持っています。
あとは作戦で、どのように飛行機を飛ばし、いかに早く敵機を補足し、誘導ミサイルを発射するかが勝負。
ステルス性能とは、敵がこちらを発見する一瞬でも早く敵を発見しミサイルの発射が出来ればいいわけで、この一瞬を作る性能です。

ステルス機はF22で登場し、その性能を再評価してF35の設計基準としているはず。F22はアメリカ以外には販売しておらず、ステルス性能が若干劣るF18クラスが現状の各国空軍の戦闘機のようです。
F16がすでに使用限界に来ている日本の航空自衛隊。F18でしばらく繋ぎ、F35の開発の遅れを吸収すべきか、それともF16をもっと長期間使用してF35を待つべきか・・・
すでにステルス機の開発を進めている敵・中共を睨みながら、決断の時が迫ってきているようです。
ベンレット中将の意見で、F35の完成は2018年から、さらに2~3年遅れるかも知れません。

主権国家の領空を守る戦闘機。その目的は敵に制空権を取られないようにすること。
制空権が取られると、あとは国民がいつ爆撃されるかわからない状態になります。ミサイル防衛も不可能。そのための戦略が敵よりも優れた航空戦闘機を保持、運用すること。

F16の耐用年数は、部品が続く限りまだ大丈夫でしょう。また、F16は台湾やタイ空軍で2020年頃まで使用するようですから、部品は供給されるでしょう。
しかし、中共のステルス機の開発ピッチが早まるとそんなにのんびりとはしていられません。
その場合はF18準ステルス機を使ってでも東シナ海の制空権を確保しなければなりません。
ロシアもT50ステルス機をインドと共同開発しております。配備は2015年からということです。北方領土からさらに北海道への南下が懸念されますね。

戦闘機の性能が変われば、空軍の配備、作戦手法も変わるはず。当然スクランブルの掛け方もパトロール体制も変わるのではないかと思います。
F35の開発の遅れは、北方領土、尖閣諸島など多くの被侵略問題を抱える我が国にとって、大変な問題であることを、もっと認識すべきではないでしょうか。

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