12月4日に行われたロシア下院選で、プーチン首相(前大統領)の率いる与党「統一ロシア」が大幅に議席を減らしてしまいました。
それでも何とか議席過半数こそ確保したようですが、どうやらプーチン氏の支配が長期化することへの倦怠感と、汚職、貧富の格差などへの不満が、この投票結果に現われているようです。
なぜこんな結果になったのか、それはプーチン氏の大統領選への出馬の影響という分析が出ているようです。
今度プーチン氏が大統領になると、12年間もの長期に渡って大統領に居座る可能性があり、政治に対する有権者の疎外感が強まったという論評です。
ロシア製海を見渡しても、現在のところプーチン氏の個人的人気はいまなお高く、大統領選で氏に対抗できる候補者は見当たらないようですし、メドベージェフ大統領は次期政権で首相に就くという「役職交代」を発表したことで、連邦中央の統制が効きにくい極東・シベリアの遠隔地や、高等教育を受けた人の多い大都市部に、プーチン離れが現れ始めたということ。
ロシア経済は疲弊しています。景気浮揚も天然ガスの価格しか頼るものもなく、格差社会で国民の多くが苦しんでいるようです。
ロシアを救済出来そうな政治家として、元石油王ホドルコフスキー氏がおりますが、現在は刑務所の中。プーチン体制によって、資金洗浄などで有罪とされ脱税罪なども乗せられて懲役14年の刑になっています。
これがプーチン体制の権力維持の判決であることはロシア国民も周知のこと。当のホドルコフスキー被告も刑期言い渡し後、微笑を浮かべて肉親に手を振ったとか。
それでもロシア国民がプーチン氏を支持する理由は、ロシア国民の「力強い指導者を求める指向」からきているようです。それを知り尽くしているプーチン氏、その演出の見事さ・・・
対するホドルコフスキー氏の知的発言は、インテリ層には受けても一般大衆には受けません。
経済が疲弊する中、プーチン大統領はロシアの指導者として、ロシア復活を成し遂げることができるでしょうか?
そして、このようなロシアの現状を日本の政治家はどのように受け止めているのでしょう?
中共と、長い国境線を持つロシア。当然仲がいいわけはありません。日本にとって、対中共戦略では少しでも支援する国家が欲しいところ。北方領土の問題についても、このロシアの政治的状況をどのように利用するのか・・そういう感覚がないと国際交渉などできるわけもありませんね。
日露交渉は、常にアングロサクソンの動きを注視しながら行う必要があります。すなわちアメリカと英国、そしてオーストラリアの反応には注意しなければなりません。
しかし、米英は現在経済破綻の瀬戸際ですし、オーストラリアも輸出先の購買力低下でこれからはつらい時期です。
エネルギー政策はアングロサクソンの最も得意とするところ。すなわち原子力をいましばらくは使いたいはず。
太陽光発電の決め手、量子ドット完成にはまだ少なくとも30年はかかるでしょう。
しかし日本は東日本大震災の影響でサヨク百鬼が息を吹き返し、原発がショック状態で動けません。
そこで、そのための繋ぎとして、ロシアからガスをパイプラインで購入するという説得で、米英との交渉をするのはどうでしょうか? ガスは、北海道で電気にして日本全国に供給します。
狡猾なロシアですから、日本側はメタンハイドレートの開発も進めながらの交渉。これによってサハリンと北海道を橋脚でつなぎます。もちろんロシアのプーチン以降を考えてのことですけど。(プーチン氏が大統領になっても、ロシア経済を浮上させることはできないでしょう。)
この交渉を日中交渉のカードとしながら、東シナ海の国境線策定交渉に臨みます。
アングロサクソンに対しては、エネルギー源が何であろうと、電気に変換して配分すること。EVの普及を進める社会体制を構築する・・・ということで手打ちをしましょう。
忘れてはいけない日本経済の復活・・・現政権には無理でしょうけど、あと2年の辛抱・・・
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