2011年10月1日土曜日

いまだに人事院勧告・・進駐軍の置き土産


9月30日に人事院が国家公務員一般職の給与を平均で年間0・23%、1・5万円引き下げるよう国会と内閣に勧告したそうですね。
人事院とは、日本占領時期に公務員が生活に困窮しては統治に支障が出るということで、人事院なるものを使って公務員給与を決めるようにした、その名残の機関。今もなお健在で、余計なことばかりチョッカイを出します。

世の中が不景気だからそれに合わせて給与を下げる・・善いように見えますが、そんなことをしたら不景気がますますひどくなるだけ。
景気の回復を行おうともせず、節約さえすればいいと考えるのは家計簿とか企業経営の判断。国家はいかにして景気を浮上させるかを考えるべきものです。

そういえば今度の首相、松下政経塾出身の方ですかね。(故)松下幸之助氏が私財を投げ打って国家のためになる人材を育成しようとして作った塾ですが、育ってきた現在の首相は経営者の考えしか持っていないようで、国家の経営は思考に無いのかも知れませんね。

このところ、街の中では建築着工が増えているようで、土木・建築にお金が回り始めたようにも見えます。
公共投資も、政権与党とはあまり関係ないどこかで、盛んに行われ始めた感じもします。
しかし、昔なら土建業にお金が回ると市中通貨が増えて景気は良くなったものですが、現在はそうは行かないのではないでしょうか?

10年以上続いた不況。バブルの時代、「土建屋ばかりがずるい!」と言うことで「箱物」公共投資を止めた結果、日本は不況から抜けられなくなったわけです。
道路は痛み、橋脚は耐用年数ぎりぎりとなり、やっと気がついて財政出動が始まったのかも知れませんが、10年以上の低迷は結局「土建業者」に累積赤字をもたらしただけ。
即ち公共投資が再開したとしても、この土建屋たちの借金が返済されるまでは、儲かったお金はほとんど借金の返済に回ってしまうのではないでしょうか?

結局、政府が国債を発行して得たお金で公共投資を行うと、その業者(下請けなども含めて)は受け取ったお金で先ずは借金の返済を行いますから、お金はすぐに銀行に戻ります。
銀行からお金を引き出すには、この不況期には政府信用しかありませんから、再び政府が国債によってお金を引き出して使う(公共投資)しかありません。
この繰り返しは、民間の借金が政府借金(国債発行残)と置き換わって、ある段階まで進まないと、市中に出回るお金にはならないように思いますけど・・・

財務省の若い人たちは、税率を増加すれば公共資金に回せるお金が出来るなどと、夢のような戯言を言います。
しかし、民間の可処分所得が減るだけですし、今後「税金倒産」が増えれば不良債権が増えることになり、やがてそれが銀行を圧迫して、回り回って結局政府の借金になるだけではないでしょうか?

結局政府は、民間の借金を肩代わりしてするしか方法は無いようです。
税率を上げても税収は増えませんし、もし増えても、その分民間の借金が増えるだけかも知れません。
お金を世の中に出すには、結局誰かが借金をしなければならないわけです。
日銀券(現金)とは、日銀の借金の証文と言うわけですが、その証文を政府が国債という形で裏づけを行い、お金を出させるのが国債発行というわけですね。

お金は仕事がないと出せませんから政府借金でないとダメなんです。そして仕事が公共投資というわけで、道路工事とか橋梁修理などが現在の出すべき仕事。
その仕事の従事者が借金の返済を済ませて、それから消費が動き出しますから、それまでは国家が借金をして仕事を増やしても景気は簡単には回復しないでしょう。

そうやって景気を回復しなければ、税収など上がるわけがありません。
人事院が公務員の給与などをを下げても、景気悪化の一途・・は終わらないと思いますが。

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