2020年6月21日日曜日

ホリエモン新党に見る未来

ライブドア社の創立者の堀江貴文氏(47歳)が始めた「ホリエモン新党」から、秘書の斉藤健一郎氏(37歳)が都知事選に立候補しました。

堀江氏はライブドアの2004年9月期年度の決算報告の有価証券報告書に虚偽の内容を掲載したとする疑いが持たれるなど証券取引法等に違反したとされる罪で起訴され、裁判で懲役2年6ヶ月となった人です。
そしてこの捜査には何故か東京地検特捜部が関係しています。

堀江氏は有罪となったあともその罪を認めず、刑期満了を持って出所する方法を取りました。そしてどうやったのかは判りませんが、服役中も文章などを発信し稼いでいたといいますから、そのユニークな発想が常人とは違うことは間違いないでしょう。

罪を認めなければ刑期前の釈放は無いわけです。

刑期満了で出所した後は、ロケットの開発などで社会復帰(?)していますが、出版や講演依頼などで稼いでいるようです。(ファンが多いですからね)
事件の影響か、今のホリエモンは極力表側には出ないようにしているように見えます。今回の都知事選立候補も、「自分が出ない」が最初からの作戦だったように思われます。

今回のホリエモンの都知事選に対する目的、作戦などは、下のYouTubeに的確にまとめられています。これはホリエモンが話しているのではなく、彼のファンか関係者が作った動画でしょう。よく理解しているように思われます。早口ですけど・・・
https://www.youtube.com/watch?time_continue=8&v=mlMB8Ytmgt4&feature=emb_logo

これはホリエモン新党で秘書である斎藤氏が出馬することが決まる前に作られた映像でしょう。しかしこの中で「リスクは当選することだ」と言っていることから、秘書の出馬はなるほどと思われる行動です。
そして彼は自分の本「東京改造計画」を出版していますから、この本もかなり売れるでしょう。すでに5刷りになっているそうですからね。

この本は堀江氏独特の表現がなされていて、「これまでの延長の東京」ではなく極端な未来社会を示します。例えば「車いすでも生活できる都市」ではなくて「すべての人々が車いすでなければ外に出てはいけない」と言うような表現ですね。車いすは電動ですけど。

ホリエモン新党は「東京都への緊急提言37項」と言う政策を掲げています。この詳細は「東京改造計画」に掲載されていますが、なかなかついて行くのが難しい提言ですね。
「通勤ラッシュを無くす」という公約を「満員電車は乗車賃を高くする」というような提言に変えています。高くすれば自然に時差通勤になっていくだろうというわけです。
江戸城再建計画とか大麻解禁、学校解体、ジジババの活用・・など過激な提案も、彼独特の説明で面白く読めます。そして「もしかしたらこの方が・・」とも思うはずです。

堀江氏は6月初旬に、もう一人の都知事候補である「小野泰輔氏」に合っています。ネット番組で維新の党の小野氏と対談しています。
https://www.youtube.com/watch?v=Ms8IK5LsaB0

特に小野氏を応援するようでもないですが、政策には一致点も多いようです。立候補が堀江氏自身ではありませんから、その点ハンドフリーで動けると言う訳ですね。この映像も斉藤氏が立候補する前の映像です。
ホリエモン新党はすでにN国党の立花氏を公認していました。斉藤氏のホリエモン新党候補擁立でこれはどうなるのでしょうか?

今回の都知事選では堀江氏は立候補しないし、またホリエモン新党から立候補した斉藤氏も、「堀江氏に応援演説をしてもらうことは無い」と述べています。しかし斉藤氏の立候補ポスターには堀江氏の写真が大きく掲載され、斉藤氏の写真はありません。
斉藤氏は「中長期的に見て、ホリエモン新党、堀江氏の37提言を浸透させるのが目的。これはチーム戦です」と述べております。

私はこの「チーム戦」という言葉が未来を示唆していると考えます。政治家は万能ではありませんから、専門知識を持った人達と組んでいなければ何も出来ないはずです。政治家の立候補はすべて個人の名前で行いますが、今後は何等かのチームを組むことが必用になるはずです。
複雑な世の中が今後ますます進むでしょうから。
例えば「デジタル通貨」の是非を判断する時、それに詳しい者がいないと意見を言う事も出来ず判断も出来ないはず。その政治家がデジタル技術専門家であれば別ですが。

今後の政治家はさまざまな専門家集団で立候補すべきであって、個人の地盤・看板・鞄で立候補しても当選しないように我々選挙民が意識すべきなのです。
どういう専門家が立候補チームの中に居るか、それが判断基準になるのではないでしょうか。

現在、「有識者会議」とか「専門家会議」などといわれているチームは、選挙民の負託を受けたわけではありません。それが勝手に判断し、選挙で選ばれた政治家はそれをただ発表するだけでは無責任になります。議論も密室性が強く、反論のためにはデモのような行動しか起こせません。
出来れば選挙時に顔を見せ意見を言える専門家チームで、責任ある体制が必用なのではないでしょうか。

「ホリエモン新党は都知事選挙を自分の本を売るための道具にしている」などという批判はあるでしょう。しかしそれは法に触れてはいません。資金集めに苦労し、汚職ギリギリの集金で選挙戦に出る候補とか、ある組織の為にその資金を活用して立候補するよりも良いのではないでしょうか。

ホリエモン新党がどこまで票を取れるか、期待しています。

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